【本の展覧会】 美しい本 — 湯川書房の書物と版画展
湯川書房は、愛書家の憧れだ。「愛書」ということばを辞書で引くと「本が好きなこと。読むことにも集めることにもいう」とある。ならば「愛書家」とは「本を読むのが好きな人」あるいは「本を集めるのが好きな人」ということになる。わたしは「本をつくるのが好きな人」なので愛書家とはいえないのだが、それでも湯川書房は憧れの存在だ。
湯川書房とは、1969年に湯川成一さんがはじめた出版社で、意匠を凝らした限定本で知られる。辻邦生、小川国夫、加藤周一、谷崎潤一郎、村上春樹などの文学作品を、画家、