【本の展覧会】 内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙
上野の国立西洋美術館といえばクロード・モネの「睡蓮」やオーギュスト・ロダンの「考える人」がハイライトだが、本好きなら見逃せないのものがある。「写本」のコレクションだ。いつだったか常設展の一角で額縁に収められた写本の零葉たち(本から切り離された紙葉)を見て、釘づけになった。本という全体から引き剥がされ、にもかかわらずその面影を残す紙葉たちは、ゴシックの様式を伝える美術品の一つとして堂々と光を浴びていた。
今夏、その写本ばかりを集めた企画展「内藤コレクション 写本 — いとも優