物質性を語る~モノがもつ気持ち悪さ~①
みなさん、初めまして!渡会です。
私自身、モノ自体にすごい魅力を感じています。特に廃材は資材性だけでなく、誰かが使ったものなど歴史・文脈・意味が乗っかてく、それをデザインや建築の世界で繋げていきたい夢があったのもあり、ReLinkを通してその世界を描く一端になろうと思い参加しました。
今回は自己紹介も兼ねながら、私がモノ自体に魅力を感じたきっかけである「スポリア」について5週(各週1項目ずつ)に分けて届けていきます。 今回のブログは私が4年生の時に調べ、考えたことをまとめたものになります。
0.はじめに スポリアとは?
突然ですけど、モノってなんかおぞましいな、異様だなって感じる時ってないですか?
例えば、ある人が使い倒した毛布だったり(これは潔癖症もあって,,,)愛憎なんて言葉もあるようにフェティッシュなものもそんな風に、逆に美しい、綺麗なんて思うこともあるはず。建築を構成するモノ自体もこうした感情を揺さぶることはあるか、あるならどうやってそのような意味を、人に与えるのか、、、 それを与える一つの例が「スポリア」なんです。
つまり、理想も込めて大きく言うと「スポリア」手法をすることで、モノが持つ意味をこちらに通じさせることができるのではないか、というのが私の意見です。 どういう事なのか、私が思う「スポリア」とは何かについては4,5週目に話していきます。 まずは一般的な意味から、そして事例から入っていきます。
そもそもみなさんは「スポリア」という言葉をご存知でしょうか。幾つかの書籍や建築作品、卒業設計に登場していますが、簡単にいえば、本来は別の場所(建物あるいは都市)に埋め込まれていたモノを、そこから剥ぎ取り、別の場所(建物あるいは都市)に埋め込むようなリユースを指します。戦争などで奪い取った戦利品や、獣から剥ぎ取った毛皮などが語源とされ、英語のspoilも同意表現。spoilの動詞の意味として「ダメにする、甘やかす」といった意味のほかに「奪う、略奪する」といった意味があることが調べると分かります。
よく言われているのは、スポリアはそこから2つに分けることができます。経費削減・工期短縮を目的とした、既存建物の解体材や廃墟等の部材を指す資材性スポリアと、相手からモノを奪い(語源の戦利品のように)意味の組み換えが意図的に行われる意味性スポリアです。近年、環境意識からヨーロッパ諸国やアメリカでは資材性という観点からスポリアが再注目されています。
今回のブログでは先に述べたように「奪う」というのをスポリアの本質とし、そこからモノが持つ気持ち悪さや意味性を再考していきます。 次は事例を紹介し「スポリア」の面白さと、その意味を提示していきます!
渡会裕己/ReLink