#34 ナホム書
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レジュメ
※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。
※カペナウム=クファル・ナウム=ナホムさんの村(慰めの村)
1.はじめに
(1)ナホム書の位置づけ
①大預言書(the Major Prophets)
*イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書
②小預言書(the Minor Prophets)
*ホセア書からマラキ書までの12書。
③ナホム書は、捕囚期前預言書(12)のひとつである。
(2)ナホムという人物(1:1)
Nah 1:1 ニネベに対する宣告。エルコシュ人ナホムの幻の書。
①ナホムという名前は、「慰めに満ちた」という意味である。
②ナホムは、ノアと(休息)いう名前と同じルート(語源)を持っている。
③ナホムが伝えたメッセージは、ニネベに対するきびしい裁きの預言である。
④「宣告」と訳された言葉には、「重荷」という意味もある。
⑤ナホムの預言は、ニネベに対して「重荷」となる「【主】からの宣告」。
⑥ナホムはエルコシュ人と言われている。
*彼の出身地に関しては、明確なことが分かっていない(カペナウム?)。
⑦彼は、南王国(ユダ)で活動した預言者である。
⑧ニネベが滅びたのは、前612年である。
⑨彼はそれ以前に活動した預言者である(おそらくマナセ王(悪王)の時代)。
⑩ナホムは、神からの啓示によってこの預言を語った。
2.アウトライン
Ⅰ.神の性質の二面性( 1:2~8)
Ⅱ.ニネベ滅亡の預言(1:9~15)
Ⅲ.ニネベの陥落(2:1~13)
Ⅳ.ニネベ陥落の理由(3:1~19)
3.結論:私たちへの適用
ナホム書の内容について学ぶ。
Ⅰ.神の性質の二面性( 1 : 2 ~ 8 )
1.中心テーマ
Nah 1:2 【主】はねたみ、復讐する神。/【主】は復讐し、憤る方。/【主】はその仇に復讐する方。/敵に怒りを保つ方。
(1)ナホムは、傲慢な町ニネベに対して「滅び」の預言を語ろうとしている。
①ニネベを滅ぼす神は、どういうお方なのかという情報を冒頭に置いている。
(2)【主】はねたみの神、復讐する神である。
①神は、神の民を訓練するために敵を用いることがある。
*その敵も、神の前で責任を問われる。
②神は、罪をそのまま放置されるお方ではない。
③ニネベは残虐な町としてその名を知られていた。
(3)【主】は怒るのにおそい方、忍耐深いお方である(出34:6〜7参照)。
①ヨナのメッセージによってニネベの町は悔い改め、裁きを免れた。
②しかし、次の世代の人々は再び元の罪深い姿に戻り、神の怒りを招いた。
③【主】は力ある神である。それゆえ、ニネベの罪を裁くことができる。
2.神の憤りの前に立ちおおせる人はいない。
(1)力ある【主】の前に立ち得る人など、どこにもいない。
Nah 1:6 だれがその憤りの前に立ちえよう。/だれがその燃える怒りに耐えられよう。/その憤りは火のように注がれ、/岩も主によって打ち砕かれる。
(2)しかしナホムは、【主】はとりでの神でもあることを私たちに告げている。
Nah 1:7 【主】はいつくしみ深く、/苦難の日のとりでである。/主に身を避ける者たちを/主は知っておられる。
(3)「神が愛なら、罪人を裁くことなどあり得ない」と主張する人たちがいる。
①その人たちは、神の性質の一つだけを強調し、全体を見ていない。
②神の性質のすべてを受け入れるべきである。
Ⅱ.ニネベ滅亡の預言( 1 : 9 ~ 15 )
1.ニネベに対して(9〜11節)
(1)ニネベ(アッシリヤ)の滅びが予告される。
①ニネベの罪はすべて、【主】に対するものである。
②【主】からの裁きがニネベに下り、ニネベは二度と立ち上がれなくなる。
(2)邪悪な指導者の出現
Nah 1:11 あなたのうちから、/【主】に対して悪巧みをし、/よこしまなことを計る者が出たからだ。
①「よこしまなことを計る者」とは、セナケリブのことである。
②「よこしまなこと」は、ヘブル語では「べリアル」である。
*これは、旧約聖書においてはサタンの呼称である。
③セナケリブというアッシリヤの王は、サタンの使者である。
④セネケリブがどのようにしてユダを苦しめたかは、イザヤ書36章と37章
に詳しく記録されている。
2.ユダに対して(12〜13節)
(1)次に、ユダに対する慰めの言葉が語られる。
Nah 1:12 主はこう言われる。「彼らは力に満ち、数が多くても/必ず、切り倒され、消えうせる。わたしはお前を苦しめたが/二度と苦しめはしない。
Nah 1:13 今、わたしは彼の軛を砕いてお前から除き/お前をつないでいた鎖を断ち切る。」
①アッシリヤ軍は、エルサレムを包囲した時、勝利を確信していた。
②しかし、いかに数の上で勝っていても、【主】の前では敗北するしかない。
③アッシリヤの滅びと同時に、【主】はユダの解放を預言される。
④その預言は、ユダにとっては喜びの知らせとなった。
3.アッシリヤに対して(14節)
(1)再びアッシリヤに向かって語られる。
Nah 1:14 主はお前について定められた。「お前の名を継ぐ子孫は、もはや与えられない。わたしは、お前の神の宮から/彫像と鋳像を断ち/辱められたお前のために墓を掘る。」
①アッシリヤ人たちは、名前の存続にこだわりを持っていた。
②彼らは名を残すために、多くの記念碑を建てていた。
③しかし、子孫がいなくなるので、彼らの願望は完全に打ち砕かれてしまう。
④アッシリヤの偶像は破壊され、アッシリヤ人たちは墓に葬られる。
4.ユダに対して(15節)
(1)再びユダに向かって語られる。
Nah 1:15 見よ。良い知らせを伝える者、/平和を告げ知らせる者の足が山々の上にある。/ユダよ。あなたの祭りを祝い、/あなたの誓願を果たせ。/よこしまな者は、もう二度と、/あなたの間を通り過ぎない。/彼らはみな、断ち滅ぼされた。
①アッシリヤの滅びの預言は、ユダにとっては良き知らせである。
②この聖句は、イザヤ52:7の引用である。
*その聖句は、メシアによる終末的な慰めを預言したものである。
*ナホムはそれを引用して、異なった適用を行っている。
③現代の「良い知らせ」とは、イエス・キリストの福音のことである。
*福音のメッセージを隣人に伝えるのは、麗しい行為である。
Ⅲ.ニネベの陥落( 2 : 1 ~ 13 )
1.バビロン軍(1節)
Nah 2:1 散らす者が、あなたを攻めに上って来る。/塁を守り、道を見張り、/腰をからげ、大いに力を奮い立たせよ。
(1)「散らす者」とは、バビロン軍とメディア軍の合同軍のことである。
①この侵略を指揮したのは、ネブカデネザルの父ナボポラッサである。
②「塁を守り、道を見張り、腰をからげ、大いに力を奮い立たせよ」とは、ニネベに対する警告のことばである。これは、皮肉的表現である。
※いくらやっても無駄ということ。
2.戦いの様子(2~9節)
(1)これは、ユダとイスラエルを攻撃したアッシリヤへの【主】の報復である。
①この戦いによってアッシリヤは滅び、イスラエルの栄えが回復される。
②バビロンとメディアの合同軍が実に素早く攻撃を仕掛けてくる。
③「水は流れ出して」。勇敢な兵士たちが恐れをなして逃亡する。
※ニネベは水の町。(水も軍も不可算名詞っていうのもありそうな。。)
④指揮官が「止まれ、止まれ」と命じても、その声に聞き従う者はいない。
(2)【主】からバビロンとメディアの合同侵略軍に声がかかる。
①「銀を奪え。金も奪え。その財宝は限りない。あらゆる尊い品々が豊富だ」
②今までニネベが蓄たくわえてきた富が、一瞬の内に奪われてしまう。
3.【主】による破壊(10〜13節)
(1)ニネベが陥落したのは、【主】のみわざによる。
Nah 2:10 破壊、滅亡、荒廃。/心はしなえ、ひざは震え、/すべての腰はわななき、/だれの顔も青ざめる。
①「破壊、滅亡、荒廃」という3つの言葉は、ヘブル語では発音が似ている。
②「ブカー、ムブカー、ムブラカー」という言葉遊びがある。
③傲慢に満ちていたアッシリヤ人の顔は、恐怖のために青ざめる。
④ニネベを滅ぼすのはバビロンとメディアの合同軍であるが、実際にそれを
行うのは【主】ご自身である。
Ⅳ . ニネベ陥落の理由( 3 : 1 ~ 19 )
1.ニネベは、「流血の町」である(1〜3節)。
①「血」という言葉は(ヘブル語では)複数形になっている。
②ニネベは、ありとあらゆる血を流してきた町である。
③ニネベの残忍さは、歴史が証明している。
※皮膚を剥がすとか。
④虚偽、略奪、強奪もまた、ニネベの悪行である。
2.ニネベ陥落の第2の理由は、悪魔的宗教(オカルト的宗教)である(4〜7節)。
①ニネベは麗しい町であるが、遊女になり下がってしまった。
②遊女になったとは、悪魔的宗教を取り入れたということである。
③ニネベは、周辺諸国に悪魔的宗教を広める役割を果たした。
④ユダもまた、その悪影響を受けた。
3.ニネベ陥落の第3の理由は、ノ・アモン(という町)への残虐な行為である(8〜10節)。
①ノ・アモン(テーベ)は、上エジプトの首都で大いに栄えた町である。
②この都は、ナイル川の4つの支流によって守られていた。
③ノ・アモンは、4つの同盟国を持っていた。クシュ(エチオピア)、エジプト(下エジプトのこと)、プテ(ソマリア)、ルブ(リビヤ)。
④堅固な守りと4つの同盟国を有していたにもかかわらず、ノ・アモンはア
ッシリヤによって滅ぼされた。
4.このような残忍な行為のゆえに、ニネベは陥落する(11〜19節)。
(1)ニネベの完全な崩壊が預言される。
①ニネベよりも堅固なノ・アモンが陥落した。
②ニネベの陥落はそれよりも容易にやって来る。
③いなごのような大集団は、指導者から一般の民に至るまで、逃げ去る。
④ニネベの崩壊により、住民たちは希望のない民となる。
⑤彼らのうわさを聞いた諸国民たちは、大いに喜ぶ。
結論:私たちへの教訓
1 .【主】は、苦難の日に「とりでとなってくださる神」である。
( 1 )その祝福は、【主】に身を避ける者にだけ与えられるものである。
Psa 46:1 神はわれらの避け所、また力。/苦しむとき、そこにある助け。
Psa 46:11 万軍の【主】はわれらとともにおられる。/ヤコブの神はわれらのとりでである。
※とりでには、逃げ込まないと意味が無い。これが信仰。
2 .【主】は、霊的淫行を憎まれる。
Nah 3:4 これは、すぐれて麗しい遊女、/呪術を行う女の多くの淫行によるものだ。/彼女はその淫行によって国々を、/その魅力によって諸部族を売った。
Nah 3:5 見よ。わたしはあなたに立ち向かう。/──万軍の【主】の御告げ──/わたしはあなたのすそを顔の上までまくり上げ、/あなたの裸を諸国の民に見せ、/あなたの恥を諸王国に見せる。
( 1 )【主】を敵に回すことほど恐ろしいことはない。
( 2 )遊女は裸をさらすことになる。
①つまり、悪魔的宗教の本質が白日の下にさらされるということである。
( 3 )主イエスのことば
Mat 10:26 だから、彼らを恐れてはいけません。おおわれているもので、現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはありません。
3 . 富に信頼する者は、愚か者である。
( 1 )【主】は、「あなたの使者たちの声はもう聞かれない」と言われる。
( 2 )アッシリヤは、近隣諸国に使者を派遣し、過酷な貢ぎ物を要求してきた。
( 3 )今後、それが不可能になる。
Luk 12:20 しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』
4 .悪人が栄えているのを見て、うらやましく思う必要はない。
( 1 )私たちが信じる神は、愛であり、義であり、聖であるお方でる。
( 2 )そのお方の前では、悪人の行為が見過ごしにされることはない。
( 3 )詩篇 73 篇のアサフの賛歌は、まさにそのテーマを取り上げている。
( 4 )アサフは、悪人が大いに栄えているのを見て人生の矛盾を感じた。
( 5 )しかし、彼は悟った。
Psa 73:21 私の心が苦しみ、/私の内なる思いが突き刺されたとき、
Psa 73:22 私は、愚かで、わきまえもなく、/あなたの前で獣のようでした。
Psa 73:23 しかし私は絶えずあなたとともにいました。/あなたは私の右の手を/しっかりつかまえられました。
Psa 73:24 あなたは、私をさとして導き、/後には栄光のうちに受け入れてくださいましょう。
Psa 73:27 それゆえ、見よ。/あなたから遠く離れている者は滅びます。/あなたはあなたに不誠実な者をみな滅ぼされます。
Psa 73:28 しかし私にとっては、/神の近くにいることが、しあわせなのです。/私は、神なる主を私の避け所とし、/あなたのすべてのみわざを語り告げましょう。
※神の名の元に爆弾テロやってる人たちと、神の意思で他民族に裁きを下すのに何か違いはあるのか?
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