#57 テトスへの手紙
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レジュメ
※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。
1.はじめに
(1)テトスへの手紙の位置づけ
①2通のテモテへの手紙とテトスへの手紙を総称して、「牧会書簡」と言う。
②パウロは、牧会上の問題を取り上げ、指導者に指示や助言を与えている。
③牧会書簡は個人に宛てられたものだが、公に朗読すべきものでもある。
(2)テトスは、パウロの同労者である。
①2コリ8:23
2Co 8:23 テトスについて言えば、彼は私の仲間であり、あなたがたのために働く同労者です。私たちの兄弟たちについて言えば、彼らは諸教会の使者であり、キリストの栄光です。
②使徒の働きには彼の名前が出て来ない。
③パウロの4つの手紙(2コリ、ガラ、2テモ、テトス)に出て来る。
2.アウトライン
(1)執筆の経緯と目的
(2)テトスの略歴
(3)中心聖句
テトスへの手紙から教訓を学ぶ。
Ⅰ.執筆の経緯と目的
1.テモテへの手紙第一の執筆後、マケドニアのどこかで書いた。
(1)紀元63~66年頃
(2)執筆の経緯は、テト1:5を見れば分かる。
Tit 1:5 私があなたをクレタに残したのは、残っている仕事の整理をし、私が命じたとおりに町ごとに長老たちを任命するためでした。
①パウロは、クレタ島の教会を牧するためにテトスを残してきた。
②パウロは、テトスを大いに信頼していた。
2.執筆目的
(1)この手紙は、テトスを訓練するためのフォローアップ・レターである。
①パウロからの手紙を受け取り、テトスはどれほど喜んだことだろうか。
②私たちも、メンターとしての責任を自覚すべきである。
(2)長老を任命する際の、長老の資格について助言を与える。
①内容は、テモテへの手紙第一に記されたものとほぼ同じである。
(3)クレタ島の住民に関して、警告を与える。
①テト1:12
Tit 1:12 クレタ人のうちの一人、彼ら自身の預言者が言いました。
「クレタ人はいつも嘘つき、悪い獣、怠け者の大食漢。」
(4)ユダヤ主義者(律法主義者)に関して、警告を与える。
(5)信仰と行動を一致させるようにと教える。
Ⅱ.テトスの略歴
1.4つの手紙(2コリ、ガラ、2テモ、テトス)から推察される7項目
(1)ギリシア人(ガラ2:3)で、パウロによって信仰に導かれた。
①テト1:4
Tit 1:4 同じ信仰による、真のわが子テトスへ。父なる神と、私たちの救い主キリスト・イエスから、恵みと平安がありますように。
(2)パウロとバルナバに伴ってエルサレムを訪問した。
①異邦人である彼が割礼を強制されることはなかった。
②この事実は、ユダヤ主義者を論駁する強力な証拠となった。
③テトスは、「信仰義認」を体現した生き証人となった。
④ガラ5:6
Gal 5:6 キリスト・イエスにあって大事なのは、割礼を受ける受けないではなく、愛によって働く信仰なのです。
⑤テトスの神学的土台は、信仰義認である。
(3)パウロは、コリント教会に手紙を書き、それをテトスに託した。
①その結果、パウロとコリント教会の緊張関係は解消された。
②2コリ7:6〜7
2Co 7:6 しかし、気落ちした者を慰めてくださる神は、テトスが来たことで私たちを慰めてくださいました。
2Co 7:7 テトスが来たことだけでなく、彼があなたがたから受けた慰めによっても、私たちは慰められました。私を慕うあなたがたの思い、あなたがたの深い悲しみ、私に対する熱意を知らされて、私はますます喜びにあふれました。
(4)エルサレム教会への献金を集めるために労した中心人物の一人であった。
①異邦人信者の使命は、ユダヤ人を物質的に支えることである。
(5)パウロが開拓したクレタの教会を指導する任務をパウロから受けた。
(6)パウロの死の直前、ダルマテヤ(皇帝直轄領のイルリコ州)に行き、そこで伝道した(2テモ4:10、ロマ15:19)。
(7)伝承によれば、クレタ島のゴルティナで監督となり、94歳で召された。
①キリストの兵士として忠実に歩んだ主の器である。
Ⅲ.中心聖句
1.テト1:5
Tit 1:5 私があなたをクレタに残したのは、残っている仕事の整理をし、私が命じたとおりに町ごとに長老たちを任命するためでした。
(1)ローマの獄舎から釈放されたパウロは、クレタに行って伝道した。
①その結果、いくつかの教会が誕生した。
②次の地に出て行く際に、テトスを後に残し、牧会伝道の継続を命じた。
(2)テトスをクレタに残した理由
①残っている仕事の整理をするため
* 信仰に入って間がない者たちを訓練し、霊的な成長を促す。
②町ごとに長老たちを任命するため
*「長老」と「監督」は、同一の職責である。
*使徒20:17と20:28、1テモ3:1〜2と5:17、19
*長老の資格は、1テモ3:1~7に出ているものとほぼ同じ。
*「信者になったばかりの人であってはいけません」(1テモ3:6)が抜
けている。
※クレタ島の信者は、みんな信者になった人ばかりだった。
2.テト1:16
Tit 1:16 彼らは、神を知っていると公言しますが、行いでは否定しています。彼らは忌まわしく、不従順で、どんな良いわざにも不適格です。
(1)パウロが神学論争をくり広げた論敵は、ユダヤの律法主義者たちである。
①彼らは、「きよいもの」と「きよくないもの」の区別に固執した。
②「きよい人々(キリストによってきよめられた信仰者)」にとっては、「すべてのものがきよい」。
(2)にせ教師の特徴は、言行不一致にある。
①彼らは、その知性と良心が汚れており、神のわざには不適格な器たちである。
②主イエスの教え(マタ7:16)
Mat 7:16 あなたがたは彼らを実によって見分けることになります。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるでしょうか。
3.テト2:15
Tit 2:15 あなたは、これらのことを十分な権威をもって語り、勧め、戒めなさい。だれにも軽んじられてはいけません。
(1)テトスに対する勧告
①老人(長老)
②老婦人
③若い婦人
④若い人々
⑤テトスへの勧め
*パウロから見れば、テトスもまた若者のひとりだったのだろう。
(2)本当の指導者は、「良いわざの模範となり」「健全なことばを用いて」人々を導く人である。
①誰にも軽んじられてはならない。
②誰にも侮られてはならない。
③言行一致の重要性
4.テト3:3~6
Tit 3:3 私たちも以前は、愚かで、不従順で、迷っていた者であり、いろいろな欲望と快楽の奴隷になり、悪意とねたみのうちに生活し、人から憎まれ、互いに憎み合う者でした。
Tit 3:4 しかし、私たちの救い主である神のいつくしみと人に対する愛が現れたとき、
Tit 3:5 神は、私たちが行った義のわざによってではなく、ご自分のあわれみによって、聖霊による再生と刷新の洗いをもって、私たちを救ってくださいました。
Tit 3:6 神はこの聖霊を、私たちの救い主イエス・キリストによって、私たちに豊かに注いでくださったのです。
(1)クリスチャンは、未信者たちに対して批判的になるべきではない。
①むしろ、「だれをもそしらず、争わず、柔和で、すべての人に優しい態度を示す者」となるように努力すべきである。
②なぜなら、私たちもかつては彼らと同じような生活をしていた。
(2)神は誰をも救うことができる。
①神は、私たちを救ってくださったように、今は神に反抗している人々をも救うことがおできになる。
②救いは、「私たちが行う義のわざ」によってではなく、神のあわれみと、聖霊の働きによって与えられるものである。
③人は、キリストの恵みによって義とされ、永遠のいのちを与えられ、相続人とされる。
(3)主の働き人は、恵みの力を知る必要がある。
①神の恵みがなければ、私たちは何一つすることができない。
②恵み→善行→敬虔な信仰