「退職したいのに退職できない」状況を経験している人が持っている信念
アバターインテグレイテッドコース初日。
自分の人生で変えたい状況を特定し、その状況を経験している自分がどんな信念を持っているかを探検するワークを行った。
「私は、休職して自分の好きなことを仕事にしたけれど、月収1万円しか稼げていない。」
こうして状況を特定し、信念を探っていった結果、幾つもの「透明な信念」、つまり、自分では気づいていないけれど、人生の経験を形作っている信念を洗い出していった。
退路を絶って退職せずに休職している中途半端で宙ぶらりんな状況では、自分の好きなことで人様からお金を得る資格がない。
個人事業主として完璧に準備を整えなければ独立する資格がない。
宇宙は覚悟を決めた者をサポートするが、休職している自分は覚悟を決めていないので宇宙のサポートが得られていない。
自分の力でお金を稼ぐのは1万円が関の山だ。
休職期間中はお金を稼ぐための仕事よりも、自分の魂が本当に喜ぶことを仕事にするための準備期間に当てたいと思っている。
自分の好きなことを仕事にして食べていくことは難しい。
こうして洗い出していった結果、一番しっくりくる信念は
「やりたくない仕事を退職して退路を断たなければ覚悟を決めたことにはならず、休職して宙ぶらりんな状況では、やりたい仕事をして人様からお金を取る資格がない」
だった。
それでも、なんとなくモヤモヤしてスッキリしない自分がいる。
そこで、トレーナーにアドバイスをもらいにいった結果、目からウロコの助言があった。
それは、最初の状況特定が曖昧だから、信念を探っていってもモヤモヤしている、との指摘だった。
「私は、休職して自分の好きなことを仕事にしたけれど、月収1万円しか稼げていない。」
これは、
やりたくない仕事を退職したいけど、退職できない(だから休職している)
自分の好きな仕事で月収50万円は稼ぎたいけれど、月収1万円しか稼げない
という2つの状況に分けられるというのだ。
この助言を聞いた途端、私の中で霧が晴れたようにスッキリした。
私が本当に変えたい状況は、退職したいけど退職できない、というジレンマなのだし、自分の好きな仕事で月収50万円以上は稼ぎたいけれど1万円しか稼げない、という葛藤だったのだ。
自分が変えたい状況のピントがやっと合ったところで、「やりたくない仕事を退職したいけど、退職できない」という状況を経験している人がどんな信念を持っているか、そして、その信念が本当だという証拠は何かを、を探検した結果、グイグイと深く的確に切り込んだ洞察ができたのだ。
はじめのうちは、
会社を辞めたら自分の力では食べていけない
本当は会社を辞めたくない
会社で働くなら今の会社がベストだと思っている
などという信念が口をついて出てきたが、そのうち、
会社を辞める勇気がない
という言葉が出てきて、
臆病者
小心者
というキーワードが洗い出されてきた。
そして、小学校の頃、大の苦手だった勉強を世の中で生きていくために、いい大学に入っていい会社に就職するために一生懸命勉強したこと、
就職先も絶対に潰れる心配がなく、福利厚生がしっかりして、女性でも働きやすい職場環境であることが最重要事項であって、
自分の魂が本当にやりたいことなど二の次だったことを思い出した。
それくらい、私にとって、この社会というものは空恐ろしい得体の知れない魔物のような存在だったのだ。
小学校の頃から感じていた社会に対する恐怖感を思い出した途端、ウワッと涙と共に何かが込み上げてきて、私は思わず顔を覆った。
同時に見えたのは、小さくやせ細り、1本の毛も生えていない丸裸の子犬だった。
その子犬は尻尾を足の間に挟んでブルブル震え、怯えながら、かろうじて立っているようだった。
お尻を私の方に向け、顔だけ振り向いて私を見つめるその表情は、恐怖と不安で今にも泣き出しそうだ。
その子犬は、恐怖と不安に怯える私の中の小さな私の象徴だった。
私は、自分の中に息づく震えて怯えきった自分を見ないように押しやっていたのだ。
自分の中にそんなに弱い存在がいることを認めたくなかった。
この社会で生き抜いていくためには強い存在である必要があると思っていたのだ。
私は、その子犬に向かって声をかけた。
「今までちゃんと見ていなくて、本当にごめんね。」
そう声をかけながら近づこうとすると、その子犬はじめじめした薄暗い部屋の片隅にうずくまるようにして逃げていく。
それでも諦めたくなくて、私は声をかけ続けた。
「今まで気づいてあげられなくて、ちゃんと見てあげられなくて、本当にごめんね。もう大丈夫だよ。」
そう声をかけ続けながら、私はその子犬のありのままをただ感じ、自分は無になってその子犬のエネルギーとただ一体化しようとした。
すると、徐々にその子犬の心が開き始め、怯えた瞳には安堵の光が灯り始めた。
そして、私の気持ちに嘘偽りがなく、純粋であることを感じたのか、どんどん顔の表情が明るくなり、まるでディズニーの百一匹のワンちゃんに出てくる子犬のように元気に私の胸に飛び込んできたのだ。
私の腕に抱きかかえられながら、嬉しそうに私の顔をペロペロと舐めたかと思うと、私の顔の周りを元気よく駆けずり回っている。
私は深呼吸しながら、ただ子犬を感じ、受け入れていった。
そうしていくうちに、その子犬はシャンパンピンクゴールドのような光に輝きながら、私と一体化し、私の中に溶けていくのを感じた。
私は、統合が起きたのだ、と感じた。
世の中という得体の知れない魔物に怯え、不安と恐怖で震える自分がいることを見たくなかったし、認めたくなかったのだ。
実は、8年以上前のインテグレイテッド心理学のセラピーを通しても、自分の中に恐怖と不安で震える子犬のような存在を見てはいたものの、当時のセラピーは滑ってしまっていた。
その後、約8年の歳月を経て、私はアバターを通して、完全に経験することによってのみ創造が完了することを学んでいた。
だからこそ、その子犬と再会した時、どうすればいいか、自分でわかり、対処することができたのだ。
8年前はできなかったけれど、自分の中の一番見たくない弱さを見つめ、受け入れる準備が整ったのが今日というタイミングだったのだろう。
面白いのは、その恐怖と不安に震えて怯える子犬を創り出したのは創造主である私なのだということ。
得体の知れない魔物に対する恐怖と不安を経験したかったんだな・・・。
こんなことを経験したかったなんて、面白いなぁ、私って。
こんな風に自分の創造を味わい愛でる余裕さえできている私がいる。
これが、アバターで言うところの源の視点に立ち帰れた、と言うことなのだろう。
大雨の中、高速バスを降りた朝の私には到底予想だにしなかった展開で今日という1日が終わろうとしている。
コースは始まったばかり。
明日に備えて、今日は早く寝よう。
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