開業の時に考えたこと_テーマ_
こんにちは
先日、前橋市内の大学で、地域の起業家として講義を担当させていただく機会に恵まれました。
ちょうど10年前に、自分が開業するときどんなことを考えていたかを振り返る機会でもあり、それがどんな効果をもたらしたのかの答え合わせをする機会にもなりました。
もともと、自分の経過したプロセスがいつか誰かの役に立てばいいなと思い多少書き溜めておいた資料があったりするので、そこから抜粋した内容を数記事に分けて投稿してみようと思います。
まず、当時の自分のこと。
先日の投稿記事に記した通り、我が家は代々床屋の家系でして、今なお多くの技術者が生涯現役をモットーにとある地域で経営しています。
以前は沢山弟子をとったりしたようですが、現在はみな個人宅兼店舗でゆるーくライフワーク的に続けています。
ここで大事なことは、そのペースで現在も、無理して頑張らなくても続けていられる、ということです。
一族で私が最も尊敬していた祖父は90余年で生涯を閉じましたが、じつに86歳ごろまでハサミをもち現役としてそこそこの収入を得ていました。
亡くなったとき、私はすでに独立していたのですが、その葬儀の一連で見たものが自分の美容師としての今後を確立するきっかけとなります。
祖父の周りには沢山の弟子が集まり、先生のお陰で飯が食えたと花を手向けられ、理容師として生涯を添い遂げた老齢のお客様たちにその死を惜しまれていました。
あぁ、これは豊かな人生かもしれないな。
そう感じた時から、自分が目指すべき今後の経営のロールモデルを祖父の生きざまと重ねるようになります。
ポータルサイトとも、最新技術とも離れた我が家のロートル理容師たちがなぜ今の美容師である自分にとって魅力的に映るのか?
今どきの言葉にすればそれは、いわゆるロイヤルカスタマー化というやつでしょう。
長期的な関係を確立し、相互に信頼を得る。
今日いらして下さった方がどこの誰で、どんなことをしているか分かる。
自分が客としてその方のお世話になることもある。ただ一方的に自分が業として提供するだけではなく、地域で相互の関係となっている。
自分のすることでどなたが喜んでくださるのか、助けられるのか直接実感できる。
それはこの美容師という仕事のひとつの醍醐味だと感じます。
と、いう経験から改めて、経営において最も大切な
『テーマ』
が決まります。
言い換えれば、理念とか、ビジョンにも近いでしょうか。
なんとなく借り物の言葉でスタートした私の張りぼて経営に、経験から得た実態が伴ったわけです。
自分が大切にすべきことはなにか?
一貫して打ち出すべきはなにか?
何をつくり、どこへ届けたいのか?
誰と、どんなことがしたいのか?
いつか、どうなりたいのか?
漠然と自分にたてられた問いに暫定的な答えをだしてゆくうち、
少しずつそれが経営=店に反映されてくるんですね。
図らずもそれは、テーマがあってもなくても少なからず表に現れるんですが、それにきちんとした連続性をもたせられるか?がこのテーマにかかってくるんだと思います。
では、そんなことを踏まえて、また時間のある時に続きを書きます。
もしよかったら、寄ってってください。
群馬県前橋市
『お客様の人生に寄り添う美容室』
rela hair salon
代表 羽鳥昌樹