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地方の中小規模美容室開業例 - 店舗設計 ① -

ご覧いただきありがとうございます
群馬県前橋市の美容室 rela hair salon代表の羽鳥です

今日も自分の開業にまつわるあれこれをマイペースに綴っております

前回記事↓


はい、前回は実際の事業計画書の作成プロセスを書いてみました
実際その計画書をもとに、融資の実行に至るまではもう少し先になります

記事そのものは時系列で並べていますが、基本的にこの手の進捗はかなり並行して運ぶものになるでしょう。
以前の記事でも書いた通り、賃貸契約がなされて以降は家賃が発生しますから、とにかく一日でも早く営業開始に漕ぎつけてロスを最小にする努力を準備しておけるとよいと思います。

その事前準備として、テナントは決めた時点でもう借りるテイなので、じゃんじゃん設計の準備を出来ると着工までがスムーズです。

しかし、じゃあ具体的にどうするのとなれば、工務店しかり設計事務所しかり、どこかに依頼して設計の構想を練るわけですが、これをどこにするかが最大の争点です。

単純にイメージしている店をカタチにしてくれるかどうかという部分はもちろん、とにかくコストとの折り合いをつけないと大変です。
物件の坪数とおおまかなデザインを決めて、大変ですけどいろんな工務店や設計事務所に相談に行けるといいと思います。
それと合わせて、美容師法で定められている衛生検査の規定も絡んでくる。
ここも知らないで設計を始めるととんでもない目に遭います。最低限、平面図ができたら一度くらいは各自治体の保健所の担当の方に相談に行くのがいいと思います。

これはほんとに私の経験談で、今あの当時に戻れれば絶対こうにはしなかったのにという無知からくる後悔にあふれています。
開業時なんて何も知らないからこれも勉強としては仕方ないのでしょうが、それを活かす新店舗設計の機会があって救われています。

要するに、最初の店舗は全く思い通りになりませんでした。

設計事務所は不動産屋さんに任せて、あれよあれよという間に決まり、そこがどういう仕事をしているかも知らないまま、なんとなーく打ち合わせが始まり、、、。最初の案がちょっと自分のイメージとは違ったものの、物件側の都合などとすり合わせるとこれはしょうがないか、、、みたいな思いのままなし崩し的に着工。デザインはおおまかに設計の方に一任してスピードを重視しました。

設計の方はとっても親切で良い方だったのですが、私が何も知らな過ぎたが故の齟齬をたくさん発生させてしまいます。
やはり、なにかにこだわるなら相応の勉強をこちら側がしなければならない、ということですね。

実際私が伝えたイメージは下記



  • テーマカラーは青で北欧風のコンセプト

  • 参考にするのはサロンより画廊や飲食店

  • なるべく段差は少なく

  • シャンプーブースは半個室仕様

  • 後々レイアウトが変えられるよう、あれこれ可変仕様

  • フロントはガラス張りで、店内が見えるように




まー写真なども交えましたが、ざっくりとしか伝わらなかったのでしょう。店舗デザインそのもの、色使いやコンセプトは気に入っていましたが、とにかくツッコミどころ満載。

細かい点は挙げるときりがないのですが、新規開業する人は絶対ここ抑えとくといいよという点を後ほど抜粋して別の記事にしようと思います。
開業を控える美容師さん、美容室の施工事例の少ない工務店さんの一助になれば幸いです。


では、ざっくり私の店舗で生じたストレスフルな点をご紹介しましょう。



・暗い!

やはり美容室にとって妥当な設計というのはノウハウとして存在します。
手元の暗さ、カラーの発色の見え方などスタート当時は致命的に光量が足りませんでした。
設計の段階でのイメージを優先した結果、それがこうなるという見立てが私に全く足りなかったんですね。
開業以降、約1年にわたりひたすら工夫を余儀なくされる事になります。
そしてそれは、器機の導入など資金的にも圧迫します。これはどう考えても設計当初の段階でもっと詰めるべきでした。


・狭い!

ちょっと変わったエントランスを設けたところ、とてつもなく使い勝手の悪いレイアウトが出来上がりました。それも毎日必ずつかうところに。
デザインはかわいい、それはいいんですがやはり機能性を優先しなければいけなかった事を即理解します。
この点はあまりのストレスから、5年後にリフォームすることになります。相応のコストを掛けますが、これもなぜ当初に気が付けなかったのだろうと反省しました。
セット面の並びについても、いざ設計に「席は何センチ離します?」と聞かれても明言できない。実施したい数は決めてあっても、どのくらいが気持ち良く仕事出来るスペースなのか、具体的に計ったことなどないままだったことを後々悔やむことになります。


・汚れる

relaの創業店舗はグレーを基調、、、にしたかったのですが、色の選定が甘くライトグレーのつもりが誰から見ても真っ白な内装となります。これが新店舗ではしっかり活き、今は克服していますが、とにかく汚れが目立ってしまうことになりました。
ちょっとカラー剤が飛んだらアウト。わずかな期間でのシミだらけ。
壁紙だと上から補修することもままならないので、これも最初に分かっていればと随分思わされました。



当店のテーマの中に、障害のある方向けのノウハウを掲げたのは以前の記事でご紹介しましたが、特にバリアフリーの在り方は美容室にとってとても難しい問題になると思っています。
現在営業している新店舗は気合を入れて完全フラットのバリアフリー仕様となっています。が、それは賃貸ではなく所有物件たればこそ割り切れる話であって、おそらく賃貸だとかなり難しいのが実情となります。

よほど元々の躯体がそういう状態になっていなければ、とにかく美容室にとって切っても切れない、水回りが最大のネックになります。こればかりは新築でもない限り相当の制約が伴いますし、近年のフルフラットタイプのシャンプー台がより難しくさせていますね。
場所はとるわ給排水は床下からだわ。
自店の設計などやられた方ならきっと共感してもらえるのではと思います。

トイレを新設するとなれば動線の確保も含めてとにかく床が上がってしまう場所を工夫せざるを得ません。
お客様たっての希望で何度か車いすの方をお迎えしましたが、とにかくご負担をかけてしまう。

歯がゆいですね。

これはあくまで、一度店舗開業にトライしたからこそ身につくノウハウであって、じゃー失敗しないようになんて到底無理だと私は思います。
とてつもなくコストをかけ、施工事例をたくさん持っている業者さんにでもお願いすれば可能かもしれませんが、少なくとも私と同様のスタートをする場合現実的ではないでしょうね。
じゃんじゃん失敗して、それを克服するために経験を重ねるのがあるべき姿ですから、気後れせずトライしてみてください。

結果的に、あくまで振り返ればですが。
今の自分の知識があれば開業コストは最低でも2/3、もしかしたら半分くらいまで圧縮できたろうと思っています。
そのくらい設計やレイアウトは大事だと痛感しました。
けどじゃあ効率ばかりを重視して、せっかく自分の城となる店舗を淡白で無個性に仕上げるのか?
このあたりのバランス感覚は人によりますよね。

もともとの賃貸物件との相性もあれば、開店予定までのスピードも大事。
冒頭にも綴りましたが、この段階に入っていると並行して考えなければならないタスクにあふれているはずです。
それもまた起業の醍醐味と奮起するきっかけにできれば最高ですね。

今記事について具体的な、これこうしたほうがいいよ的なものを後ほど書きます。
どなたかの参考になれば幸いです。

ここまでお読み頂きありがとうございました!


群馬県前橋市
『お客様の人生に寄り添う美容室』
rela hair salon
代表 羽鳥昌樹


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