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目の仕上がりで絵の魅力は10倍変わる。絵に”引力”を宿らせる目の描き方
イラストを見るとき、いつも目をじーっと見つめているReLです。
描く人によってすっごい個性が出るので、
別の作者のイラストと見比べたりすると面白いですよ。
今回はキャラクターイラストの命、
「目」についての具体的な描き方を解説します。
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なんか目の描き方が定まらない
女の子らしい”映える目”を描きたいのに、さっぱりしすぎてる
目の魅力を増したいんだけど、どうすりゃ良いんだ?
もしあなたがこんなふうに
悩んでるのであれば、この記事がヒントになるはず。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね٩( 'ω' )و
目=命。目と目が合ったその瞬間「好きだ…」と思ってもらうための生命線
そう、命なんです。
目はキャラクターイラストでは”命”と言ってもいいくらいに大事なパーツです。
なぜなら、見た人の視線が最も集まるパーツだから。
僕たちが人を見るときって、
まず顔に目が行くわけですが、
その中でも特に目を真っ先に見てるはずです。
これはイラストでも現実の人を見る時でも同じ。
まず顔を見る、目を見る、というのは、
実は人間誰しもが持つ「動物としての本能」なんです。
だから、超大事。
あなたが描いたイラストを人が見たときに
「あっ、この絵、好きだ…!」
と思ってもらうためには、
目をどれだけ魅力的に描けるかが鍵となります。
目をちゃんと描ける人と描けない人はここが違う。
目の全体像を正しく捉える
目を描き始める前に、まずは
”目”というものの全体像について、認識を合わせておきましょう。
目というと、黒目やまつ毛の部分ばかりに
意識が行ってしまうと思いますが、
目をちゃんと描ける人は
それよりももっと広い範囲で目というものを捉えています。
というわけで、これが全体像。
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眼球が見えている部分だけでなく、
まつ毛、まぶた、眉毛まで含んで
”目”として捉えます。
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地味に大事なのが、まぶたの存在と形を意識できてるかどうかです。
フルカラーイラストでも周辺との違いが
わかりにくく、目立たないパーツですが、
目を描く際にはこのパーツを意識できてると目の造形が安定します。
イラストの目は”嘘”が大事!?
魅力たっぷりに目を描く5ステップ
では、具体的な描き方の手順です。
が、その前に一つ注意点があります。↓
冒頭にも書きましたが、大前提として
目は描く人によって個性が出まくるパーツです。
なので、これが唯一絶対の正解ではないことは理解しておいてください。
描くときの考え方は参考にしつつ、
「ここの描き方だけは譲れないんだ」
という部分は自分の描き方を
優先してもらえばいいと思います。
Step1. まぶたとまつ毛を描く
まずはまぶたとまつ毛を描いて大まかなイメージを掴むステップ。
上まぶたと下まぶたの2つのパーツに分けて描きます。
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このとき、イラストならではの”嘘”を混ぜ込みます。
上下できれいに分けるのではなく、
目尻の部分を上まぶたに含めるようにしましょう。
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こうしたほうがより魅力的に仕上がります。
上まぶたは太く、下まぶたは
あまり目立たないようにするのもポイント。
描きたい表情によって
まぶたの見開き具合を決めてください。
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Step2. 黒目を描く
黒目はまん丸か、少し縦に長い楕円形。
現実よりも大きめに描くといいでしょう。
ここもイラストならではの”嘘”の部分。
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黒目の上の部分はまぶたに隠れる
黒目の中に瞳孔を描くわけですが、
実は瞳孔は黒目を見る角度によって位置が変わります。
というのも、黒目(正しくは虹彩という)って
実は奥の方にあって、眼球表面の角膜との間は
透明な液体で満たされてるんです。
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なので、斜めから見ると中心の瞳孔部分は凹んで見えるわけです。
イラストでは、黒目をカメラのレンズと
同じ構造と捉えて描くと描きやすいですよ。
僕はレンズと同じ構造で描いてます。
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Step3. 二重(ふたえ)の線を描く
整った目に不可欠な二重(ふたえ)の線を描きます。
ただの線ではなく、
折りたたまれていることがわかるように
目頭側に三叉路を設けるのがポイント。
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Step4. 眉毛を描く
眉毛は、目そのものよりもやや内側に描きます。
ただの線で描くよりも少しだけボリュームのある
”毛のライン”として描くのがオススメ。
まずはベースとなる線を引きます。
これは表現したい表情によって決めてください。
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そして上、もしくは下に2ストロークで線を描き足します。
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こうすることで自然な膨らみを持つ眉毛のラインを描けます。
Step5. まつ毛を描き込む
まつ毛。細かい部分ですが、
ここが目で女の子らしさを出す最大のポイントです。
特に上まつ毛を描き込みましょう。
上に跳ねるように、放射状に広げます。
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下まつ毛はお好みで、といった感じです。
大人な美女感を強く出したいのならまつ毛を描き込み、
少女感をメインにしたいなら描き込まなくてもいいでしょう。
この例では描き込んでいません。
現実と同じように本数を描き込みすぎると
クドくなってしまうので注意してください。
クドさを消すために、
ここでも適度に”嘘”を混ぜます。
細いまつ毛を何本も描き込む、というよりは
束になって太くなったまつ毛を数本描き込む、というアプローチ。
そして目頭に向かって真横に伸びるまつ毛、
目尻に重なるようにやや下向きに伸びるまつ毛、
こういった”嘘”を描き込むことで、更に見栄えが良くなります。
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描けば描くほど理想を形にできるようになる。
自分の絵に人を引き込む”引力”を宿らせよう
目を描く5ステップを解説しました。
いかがだったでしょうか。
まぶたとまつ毛を描く
黒目を描く
二重(ふたえ)の線を描く
眉毛を描く
まつ毛を描き込む
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目をちゃんと描き込んであるキャラって
それだけで人を惹き付ける魅力を持ちます。
なにせ人が絵を見たときに最初に注目する部分ですからね。
インパクトは絶大。
すでにお伝えしてる通り、目は描く人によって
個性がはっきりと出るパーツです。
言い換えれば、”正解”がないパーツ。
すでに自分流の描き方が定まってるのであれば
この記事で解説してることを
無理に全部取り入れる必要はありません。
一方で、描き方が定まってないのであれば
この通りに描いてみることをオススメします。
目って一番よく見られるし、
描く側も一番よく描くパーツです。
なのでここをレベルアップできれば
人があなたのイラストを見たときに
「あ、好き…」と引き込まれる可能性が
グッと上がります。
描けば描くほど、理解が進む。
描けば描くほど、自分の理想の目を描けるようになる。
描けば描くほど、あなたの絵に”引力”が宿る。
イラストの魅力を大きく左右する部分なので、
キャラを描く毎にこの記事を参考にして
気合を入れて描いてみてくださいね!
おまけ
楽しくなって描いた表情差分。
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まぶたを開くだけでなく、黒目を小さくするとそれっぽくなる。
眉毛も上の方に移動させる。