術後せん妄の看護計画:いつまで観察すべき?重要な観察項目とケアのポイント
こんにちは!
看護実習記録書き方サポーター★めめこです!
術後の患者をケアする中で「せん妄」に遭遇することは、看護学生にとって大きなチャレンジです。突然患者さんの意識が混乱し、不穏になったり、意味不明な発言をしたりする様子を目の当たりにすると、「どう対応すればいいのか」と戸惑うことも多いでしょう。
この記事では、術後せん妄の基本的な知識から、重要な観察項目、観察の期間、そして実践的な看護計画までを具体的に解説します。これを読めば、術後せん妄に対するケアの基本が身につき、実習でも落ち着いて対応できるようになります!
術後せん妄とは?
術後せん妄は、手術後に患者さんの意識が混乱し、一時的に認知機能が低下する状態を指します。せん妄は術後24~72時間以内に発症することが多く、高齢者や認知症の既往がある患者、長時間の手術を受けた患者などでリスクが高まります。
症状の特徴
認知の混乱:時間や場所、人の認識が曖昧になる。
注意力の低下:周囲への関心がなくなり、集中できない。
睡眠障害:昼夜逆転や不眠。
不穏状態:暴力的行動や不安感の増大。
早期発見と適切なケアが、患者さんの回復をスムーズにするために重要です。
術後せん妄の重要な観察項目
患者さんの状態を観察する際、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 意識レベル
患者が自分の名前や場所、時間を正確に答えられるか確認する。
意識がぼんやりしている場合や、異常な興奮が見られる場合は注意が必要。
2. 行動の変化
普段と異なる行動(たとえば、急に興奮したり静かになりすぎたりする)に注意。
痛みや不安による異常行動の可能性も考慮する。
3. 睡眠パターン
睡眠が十分にとれているか、昼夜逆転が起きていないか確認。
睡眠不足はせん妄のリスクを高める要因です。
4. バイタルサイン
血圧、脈拍、体温、SpO2の変動を定期的にチェック。
病態悪化の兆候がせん妄を引き起こす場合があります。
5. 薬剤の影響
鎮痛薬や鎮静薬がせん妄を引き起こすことがあるため、投与履歴も観察ポイントです。
いつまで観察すべき?
術後せん妄は、通常術後24~72時間以内に発症するため、この期間を重点的に観察します。ただし、高齢者や合併症のある患者の場合、さらに長期的な観察が必要です。
短期的観察:術後24時間以内は、せん妄の兆候がないか頻繁にチェック。
中期的観察:術後3日間程度は、リスク因子が続く場合に注意深く観察。
長期的観察:高リスク患者では1週間以上の観察が必要になることも。
術後せん妄に対する看護計画
術後せん妄を予防・対応するための看護計画は、以下の3つの観点で立てると効果的です。
1. 観察・早期発見
患者の意識レベルや行動変化を定期的に記録する。
例:「患者が自分の名前や場所を答えられるか確認し、毎日記録する。」
2. 環境調整
病室を静かで落ち着いた環境に保つ。
昼夜の区別をつけやすくするため、日中はカーテンを開け、夜間は適切に照明を落とす。
例:「患者の環境調整を行い、日中はカーテンを開ける。夜間の照明を調整し、昼夜の区別を明確にする。」
3. ケアの提供
患者の不安を軽減するために、優しく声をかける。
水分摂取や軽い運動を促し、せん妄のリスクを下げる。
例:「1日3回、患者の手を取りながら軽い足踏み運動を指導する。」
実習記録の具体例
以下は、術後せん妄が疑われる患者への対応記録の一例です。
患者情報:
80歳男性、胃切除術後2日目。既往歴に認知症。夜間に不穏行動あり、「ここはどこだ?」と繰り返し質問する。体温36.8℃、脈拍84回/分、血圧130/82mmHg。SpO2 96%。
記録例:
観察結果
夜間に「ここはどこだ?」と繰り返し質問。不安を訴え、環境に適応できていない様子。
バイタルサインは安定しているが、認知機能の低下が見られる。
実施したケア
優しい声掛けとハンドタッチで安心感を提供。
病室内の環境を整え、日中の明るさと夜間の暗さを明確にした。
水分補給を促し、1日500mLの水分摂取を確認。
評価
ハンドタッチ後、不安が軽減し、落ち着きを取り戻す場面あり。
夜間の不穏行動は引き続き注意して観察する必要がある。
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まとめ
術後せん妄のケアは、患者の回復に大きく影響を与える重要な役割を果たします。観察期間や観察項目を明確にし、適切な看護計画を立てることで、患者の安心と安全を守ることができます。
看護学生として実習中に遭遇する場面では、この記事を参考に、落ち着いてケアを提供してください。患者さんのために最善を尽くす姿勢が、あなた自身の成長にもつながるでしょう!