患者の状態を的確に把握!アセスメントで因果関係を見抜く5つのステップ
こんにちは!
看護実習記録書き方サポーター★めめこです!
看護実習で記録を作成する際、「患者の状態をどう整理して評価すれば良いのかわからない」「症状が複数あって因果関係が見えにくい」と悩む看護学生も多いのではないでしょうか?アセスメントでは、観察データを基にした論理的な分析が求められます。この記事では、アセスメントで因果関係を見抜く5つのステップを具体例を交えて解説します。
これを実践すれば、患者の状態を的確に把握し、実習記録の質を高めることができます。
1. 観察データを集める
ステップのポイント
患者の状態を正確に把握するためには、主観的データ(S)と客観的データ(O)の両方を収集する必要があります。
悪い例
「患者が元気がないと言っている。」
良い例
主観的データ(S):「最近体がだるい。ご飯もあまり食べられない。」
客観的データ(O):
体温:37.8℃
脈拍:110回/分
食事摂取量:通常の50%
ポイント: 数値や具体的な訴えを記録することで、後の分析がしやすくなります。
2. データを分類して整理する
ステップのポイント
収集したデータを以下のカテゴリに分けると、全体像が見えやすくなります。
バイタルサイン
患者の訴え
身体的な変化
食事・排泄状況
例:脱水症状の患者
バイタルサイン: 体温37.8℃、脈拍110回/分、血圧90/60mmHg
患者の訴え:「口が乾く」「頭がふらふらする」
身体的な変化: 皮膚の弾力低下、尿量減少
食事・排泄状況: 水分摂取量が通常の30%、尿量が1日300mL未満
ポイント: データを整理することで、次の分析ステップがスムーズに進みます。
3. 症状の背景を考える
ステップのポイント
観察データの原因を探り、症状の背景を分析します。これにより、患者の問題点が明確になります。
例:脱水症状
症状: 皮膚の弾力低下、尿量減少、脈拍増加
背景: 水分摂取不足、下痢が続いている
記録例
「水分摂取量が減少し、下痢が続いているため、体内の水分量が不足していると考えられる。」
ポイント: 症状だけでなく、背景にある行動や病態を考察します。
4. データを関連付けて因果関係を明確にする
ステップのポイント
収集したデータを基に、症状や観察結果の関連性を考えます。原因と結果をつなげることで、論理的なアセスメントが可能になります。
例:肺炎患者
観察データ:
呼吸数:30回/分
SpO2:90%
体温:38.5℃
胸部湿性ラ音あり
因果関係の分析
「体温上昇は感染による炎症の影響である。」
「湿性ラ音と呼吸数の増加は、痰の貯留と肺機能の低下が原因と考えられる。」
記録例
「体温38.5℃、湿性ラ音、低酸素状態(SpO2 90%)が認められることから、感染症による肺炎の進行が疑われる。」
ポイント: データの背景や繋がりを明確にすることで、アセスメントに説得力が増します。
5. 結論を具体的に示す
ステップのポイント
アセスメントは、患者の状態を評価するだけでなく、次の看護計画につながる結論を具体的に記載することが重要です。
例:心不全患者
観察データ:
呼吸困難、SpO2 88%、体重増加(+3kg/3日)
足の浮腫(+2)、呼吸数30回/分
結論の記載例
「心不全の進行により、体液貯留と肺うっ血が呼吸困難の原因と考えられる。呼吸状態の安定化と体液管理を目的としたケアが必要である。」
【実践例】
記録例:脱水症状の患者
「患者は水分摂取不足と下痢の持続により脱水症状を呈している。観察データから体内の水分量が大幅に減少していることが示唆される。これにより、皮膚の弾力低下、尿量減少、脈拍増加が認められた。体液バランスの回復が最優先課題であり、水分補給と下痢のコントロールを目的としたケアが必要である。」
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まとめ
アセスメントで因果関係を見抜くには、観察データを収集・分類し、その背景や関連性を明確にすることが大切です。今回紹介した5つのステップを実践することで、患者の状態を的確に把握し、論理的で説得力のあるアセスメントを作成できるようになります。
看護実習や実習記録作成に悩む看護学生の皆さん、この記事を参考にアセスメント力を高め、記録作成のスキルを磨いていきましょう!