素人でもわかる永世中立国#1 ~はじめに~
「歴史の悪魔チャンネル」へようこそ!
今回は新シリーズ「素人でもわかる永世中立国」の第1回です。
はじめに
私達は今に至るまで他国の侵略から自分の国を守るために軍隊を保有し、他国と同盟関係を築くなどしてきました。今もなおその原則は変わっていませんが、その一方で平和主義・戦争反対の観点から軍隊を保有することに対する反発も起こっております。
そんな中でスイスに代表される「永世中立国」という国の在り方が注目を受けており、自国もスイスに倣っていかなる陣営にも属さない永世中立国であるべきという声も実際存在します。
しかし、「永世中立国」の意味と実態をよく知らない人は多いでしょう。ここではそういった「永世中立国」について解説していきたいと思います。
そもそも「永世中立」とは何か?
ではそもそも「永世中立」とは何でしょうか?
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 では「永世中立」について以下のように説明しています。
「みずから戦争を始めないこと,またほかの国家間のいかなる戦争にも参加せず,中立を守ることが国際的に確立している国家の地位。このような地位にある国家を永世中立国という。永世中立国は,自国を防衛するため,または交戦国による中立侵犯を防止するため,武力を行使することは妨げられない。」
永世中立国という地位は上記に書いてありますように自分から他国に対して戦争をしないのは勿論、他国同士の戦争にも関与しない国家の地位であるということです。
ここで忘れてはいけないのは他国が永世中立国に侵攻した場合は自国を武力を用いて侵略から守ることが許されているという点です。永世中立国は自分から戦争をすることは禁じられていますが、他国の侵略に対して無防備で対応するのではなく軍備を保有して自国防衛をすることが可能であるのです。
スイス (1815年以来永世中立国である)
オーストリア(1955年以来永世中立国である)
「永世中立国」といってもその定義は絶対的な物ではなく、似たような中立国は数多く存在しますが、中でも代表的な永世中立国としてスイス・オーストリアが挙げられます。スイスは1815年のウィーン会議で永世中立国として国際的な承認を得て以来永世中立国としての立場を維持しており、オーストリアは1955年に「永世中立に関する法律」を採択して以来永世中立国となっています。スイス・オーストリア以外にも歴史上様々な国が永世中立国を宣言してきましたがここでは主にそれぞれ事情の異なる4ヵ国を取り上げていきたいと思います。
ここで扱う4ヵ国は
スイス国旗
➀永世中立国の代表格であるスイス
ベルギー国旗
ルクセンブルク国旗
②永世中立国であったが中立を侵害されたベルギー・ルクセンブルク
コスタリカ国旗
③軍隊を廃止し永世中立国宣言を出したコスタリカ
となります。
次回は永世中立国の代表格であるスイスについて扱っていきたいと思います。それでは皆さんまた次回でお会いしましょう!
【参考資料】
◎ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
※『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』は JapanKnowledge 及び コトバンク でご覧になれます。
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