★読書感想(2020/04/13)★
1.「室町の覇者 足利義満」(ちくま新書)
著 者: 桃崎有一郎(敬称略)
出版社: 筑摩書房
発行年: 2020年1月10日
価 格: 1000円(税別)
サイト: 筑摩書房
※一部、本書の本旨に触れている部分もあるかと思われます。ご容赦ください。
<概要>
室町幕府第三代将軍「足利義満」の歴史的意義について論じられています。
足利義満の生涯を概説しているのではなく、義満がいかにして室町幕府、征夷大将軍そして「北山殿」(本書によれば)としての地位や権力を確立していったか。そしてそれらはどのような政治構造や権力構造にあったかを解説しているものと思われます。
足利義満は、著者が表現しているとおり「規格外の男」として「北山殿」という、結果的には幕府からも朝廷からも外れて、それらを包摂した権力的地位に至った歴史上唯一の人物だったのではないでしょうか。
本書の流れとしては、義満時代(室町幕府最盛期)を、足利尊氏の室町幕府創建時代と義満後の室町幕府の性質を前後で挟んで説明を補足して、義満時代の特徴をより明らかにしているものと思われます。
著者も触れているように、義満がもっと長生きしていれば、果たして朝廷や幕府、日本の歴史がどのようになっていたか。想像力をかき立てられるものがあると感じました。もちろん、「歴史にifはない」のですが…。
<雑感>
まったく同じではないと思われますが、織田信長も足利義満と近しい道を進んでいたのではないでしょうか。信長も本能寺の変で倒れなければ、どのように日本を導いていこうとしていたのか、想像力をかき立てられるのと、同様の思いがしました。
たいへん勉強になりました。
※内容は「2020年1月30日第二刷」に基づいております。
※恐縮ですが、書名からサブタイトルは割愛させていただきました。