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考えるな、感じろ。「かもめの城ⅢTERAKOYA feat.西股総生」(2019.9.21)
城は好きだけど、石垣がどうのってうんちく語られてもな・・・
いつもは楽しみなTERAKOYAなのに、
正直いうと、そこまで乗り気ではなかった。
プレゼンターはレキシズルで城を語らせたら
右に出るものはいない”かもめ”さん、
ゲストは、大河ドラマ「真田丸」で真田丸を監修した
城郭研究家 西股総生(にしまたふさお)先生。
先生いわく、城の楽しみ方は
「考えるな、感じろ。」
破天荒な研究家にいきなりガツんとやられた。
そうか、知識がなくてもいいのか。
これは楽しみになってきた。
▪︎第一部
いま、城ブームといわれているが、
そのきっかけの一つになったのが
「日本100名城」「続日本100名城」という本だ。
対外国戦のための古代城郭
国内戦のための中世城郭
国内統治のための近世城郭
北海道から沖縄まで、幅広い時代から選ばれていて、
全部まわると数百万はかかる。
プレゼンターいわく、
100名城を楽しむコツは「無理して行かない」こと。
100名城の本だけでも結構楽しめるそうなので、まずはそこから。
のんびりと、気になる城があったら
おいしいものや温泉とセットで行ってみるのもいいかも、
とちょっと興味が湧いてきた。
ところで、城というとイコール天守と思ってしまうけど、
実はそうではないらしい。
皇居にも江戸城天守台跡があるが、
そこだけが江戸城ではなく、
これ全部、江戸城なんだそう。
(真ん中が皇居、左上の写真は飯田橋駅)
いま、わたしは東京駅付近で仕事をしているけど、
つまりは江戸城内で働いてるってことだったのね。
だから、いろんなところに城の名残がある。
城全体がメインディッシュ、天守はデザート、
「建物なくても城は城 天守があればなお楽し」
って思うと、もっと城が楽しくなる。
なるほど、城の楽しみ方、ちょっとわかってきたかも。
次は西股先生から、知識ではなく、
感じる、城の楽しみ方を教えてもらうことにしましょう。
▪︎第二部 みんな違って、みんないい!!たのしい天守の話
天守がなくても楽しめるとは言いつつも、
やっぱり天守(デザート)はあればうれしい
ということで、天守の話。
日本には現存(つまりホンモノ)天守が12ある。
丸岡城 備中松山城 弘前城 松本城
犬山城 彦根城 姫路城 松江城
丸亀城 伊予松山城 宇和島城 高知城
丸岡城は直線でまとめられている”兵(つわもの)のデザイン”
備中松山城は二重しかない天守。
貫禄がない代わりにスペシャル感を出そうと、いっぱい格子をつけたり、
大きく見せようと色のコントラストをつけたり、
先生いわく、デコレーションケーキ。
実はかなりの山の上で、
大きな天守を建てられないという事情があった。
なるほど。なぜその形になったのか、背景を知るのもおもしろい。
空襲で焼けてしまい、コンクリートで外観を復元されたのが、
岡山城 和歌山城 広島城 福山城 大垣城 名古屋城。
岡山城(左)と福山城(右)を比べると、形の違いがわかる。
お相撲さんに例えると、
岡山城は高安、福山城は栃ノ心。
と先生が例えたけど、プレゼンターはわかんないそうで、
岡山城はポテッとした体格の小錦
福山城はがっしり筋肉質の千代の富士
だそうな。
これは、天守の作り方の原理が違うから。
日本には高層建築の技術がなかったので、
既存の技術を使ってイノベーションを起こしたのが岡山城で
屋根を積み重ねた形(屋根が互い違いになっている)。
天守をたくさん作っていくうちに、
箱を積み重ねるような技術ができて作られたのが福山城。
専門用語を知らずとも、原理がわかると一目瞭然。
さらに、高度経済成長の昭和30年代に、
その時の予算でがんばって復元されたのが浜松城。
こう見ると、結構かっこいいけど
別アングルから見ると、こんな感じ
サイズ合ってないし、
石落としといわれる鉄砲を撃つ場所も
四隅にないといけないのに、一箇所だけ・・・。
「これで作ろうと決めた市長がすごい。
昭和のおじさんの力強さ」と先生。
そんなことに思いを馳せるのも、復元された城を見る楽しみ方かも。
たのしい天守の話、最後は現存する天守の中でも
”神ファイブ”国宝の五天守。
1、姫路城
白くて美しいけど、よく見ると不思議。
正面から見るとズレてね?
プレゼンターが例えたのは、
日本一の国の宝、ということで大谷翔平。
2、松本城
実は、左側の下の方の屋根が収まっていなくて、
真正面から見ると意外と不恰好。
(隣り合っているところの屋根が変なくっつき方をしている)
でも、全体でみるとかっこよくて、
統一感とアンバランス感を四棟全体で出している。
松本城を例えると、大阪なおみ。
引き締まったブラックボディだそうな。
3、彦根城
おしゃれと言われるが装飾過剰で、ちゃらいイメージ。
国宝級にチャラいといえば、本田圭佑。
4、犬山城
なんだかんだ正統派だそう。
バランスがよくて、
姫路城みたいなホームランじゃないけどクリーンヒットなところが、
走攻守揃っているイチロー。
そしておまけの清洲城(左)。
模擬天守といわれ、犬山城を参考にしたと思われるけど、
パチもん感が出てしまっていて、ニッチローな城。
5、松江城
武闘派で戦国的。
手前にある櫓は、天守に入ろうとするとパシっと閉まって
殺されちゃう設計。
例えた人物は、プレゼンターの忖度により、レキシズル首脳。
▪︎第三部 知識ゼロで楽しめる石垣の魅力〜石垣は無限の出会い〜
これぞまさに、感じる城。
見るからにかっこいい大阪城の石垣。
そして、これを外すと天守台が崩れ豊臣家が蘇るかもと
そそられる石垣。
なぜこう入れた?S字型が流行?な江戸城の石垣
などなど、職人のすごい技や失敗?遊びごころ?
と思いをめぐらせて石垣を見るたのしさを教えてもらった。
知識ゼロでも充分楽しめそうだけど、
「とりあえず城ビギナーも、これだけ知っておいたら
友達にドヤれる石垣ワード4つ」もどうぞ。
1、あふれるナチュラル感「野面積み(のづらづみ)」
2、バランスの良さで勝負「打込接ぎ(うちこみはぎ)」
3、几帳面さが頼もしい「切込接ぎ(きりこみはぎ)」
4、これを知ってたらドヤれる「算木積み(さんぎづみ)」
ここでは紹介しきれないこと、たくさんあったので、
気になる方は西股先生の書籍や、
先生が記事を書かれているレキシベリエンスというサイトへどうぞ。
プレゼンターからの最後のメッセージは、
「あなたか感じるもので人生を豊かに!ハッピーに!」
自分が好き、たのしいと思えることで
これだけの人を巻き込み、楽しませることができるって、
ほんと、すごいことだね。
城、行ってみよう。