この男が目指した”理想の日本”とは?「山県有朋TERAKOYA」(2017.3.11)
この男が目指した「理想の日本」とは?
山県有朋TERAKOYAに行ってきました。
幕末の長州藩の下級武士に生まれ、
奇兵隊の実質的リーダーの役割や、
幕府軍との戦いで活躍した人。
カリスマリーダーである、
高杉晋作、西郷隆盛の下で、
力を発揮した実務家。
明治時代には、総理大臣を2回、
常に内閣の中枢にいるという、
大出世を果たした。
しかし、彼を愛する者は少なく、
嫌われ者だった。
それはなぜか。
それは、誰にも心を開かず、
高い理想に突き進んだから。
彼の理想は、『天皇絶対主義』。
天皇を頂点とした国家を作る。
そのために、自由民権運動もぶっ潰す。
民衆なんて、うつろいやすい。
そんな民衆の選挙で決まった政治家に、
軍隊を握らせないために、
陸海軍を、天皇直属にした。
それは、簡単に戦争を始めないように
するためでもあった。
だが、皮肉にも、
彼が生きることのなかった昭和に、
軍部が暴走するきっかけになってしまった。
なぜ、完璧に近い仕組みが、
こんな悲劇を招いたのか。
理由は、仕組みづくりは完璧でも、
想いを共有する仲間、想いを引き継ぐ
後継者がいなかったからだと思う。
彼は幼少期に母と死別し、継母から拒絶された。
そのことが、彼の心を閉ざしてしまった。
仕組みづくりの天才、最強の実務家、
山県有朋。
歴史にIFはないけど、
もし、彼が周りを信頼し、
仕組みづくりへの想いを伝えていたら、
彼の評価だけでなく、
歴史も変わっていたかもしれない。
まだ、好きにはなれないけど、
不器用でまっすぐに
「理想の日本」を作ろうとした彼を、
初めてちゃんと知ることができてよかった。