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世界遺産検定1級防衛戦

世界遺産検定1級。
3年ぶりの1級。
3年前の点数は175点。(200点中)
3年前は初めて受ける1級だった。
今は世界遺産アカデミー認定講師。
2級上がりたてのルーキーとは違う。
さすがにこの点数は超えたい。
そう思っていた。
ただ、現実はそう甘くなかった。
3年前に叩き込んだ知識はほぼ忘れていた。
最初の世界遺産12個も全部言えないレベルに。
2週間前にやった過去問。
点数は118点。
合格ラインまであと22点。
3年前の自分まで、あと57点。
流石に焦りを感じた。
何か変えないといけない。
あと2週間で本番。
今までの世界遺産検定の勝率は4勝0敗。
3級からマイスターまで、全て1発合格。
流石に落ちる訳にはいかない。
本気で受かりたい。
想いは人を動かす。
その週から土日は自習室に通い始めた。
1日9時間勉強する。
平日も自習室に通い始めた。
自習室は夜21時まで空いている。
仕事が終わらないので、朝7時に出勤した。
定時ダッシュして世界遺産の勉強するために。
明らかに習慣が変わった。
もはや仕事なんてどうでも良かった。
あれから2週間。
過去問3回やったけど、全て合格点を超えた。
点数は140後半から160弱。
あとは本番。
やれることは全てやった。
なんやかんや仕上がっていた。
そして当日。
世界遺産検定1級の受験会場。
今回の1級受験者は6人。
僕が誰よりも参考書が汚かった自信ある。
最近思うんだけど。
試験の合否って結果的にそこまで大事じゃない。
試験までのプロセスが大事なんだなって。
ただ試験があることでプロセスが輝く。
試験の合否によって知識量は変わらない。
ただ試験の有無によってプロセスが変わる。
試験の有無によって知識量は変わる。
現に試験がない3年間でだいぶ忘れていた。
ただ試験を設定すると、勉強せざるを得ない。
現にそのお陰で殆ど覚え直せた。
そのお陰で本気で勉強できた。
そしていよいよ試験開始。
わからない問題も多かった。
なんなら1問目からわからなかった。
第17回のユネスコ総会の場所ってどこやねん。
そういえば見てなかったなあくらいの知識。
試験時間は90分。
サッカーと同じ
90分間本気で戦った。
僕は試験中に途中退出するのが嫌いだ。
途中退出したらそこで点数が確定してしまう。
どんなに簡単な試験でも退出したくない。
今から約20年前。
公文の中学課程終了テストの受験時。
当時8歳だった。
100点満点の70点で合格。
問題も早く解き終わった。
僕は見直しもせずにぼーっとしていた。
そして結果は69点。
あと1点だった。
あの時見直しをしてたら合格したかもしれない。
8歳ながら、粘りの大切さを知った。
この時から、途中退出をやめた。
問題に対して粘り続けた。
大和三山に囲まれた藤原京。
その中で大和三山じゃないのを答える問題。
耳成山と畝傍山は、なんとなくそうだと思った。
ただ信貴山と香具山。
どっちが大和三山なんだ?
信貴山が大和三山じゃないか?
答えに選んだのは香具山。
残り4分。
香具山という答えに違和感を持つ。
ここで1つ俳句を思い出した。

春すぎて夏来にけらし白妙の
ころもほすてふ天の香具山

百人一首の2番目に出てくるこの句。
歌の中に香具山が入ってるじゃないか。
この句を詠んだのは、、、持統天皇!

持統天皇といえば、天武天皇の皇后。
藤原京は、持統天皇が完成させた都。
藤原京の母こと持統天皇が、詠んだ句。
これは藤原京で呼んだに違いない。
ということは、香具山は藤原京の周りにある。
つまり、、、香具山こそ大和三山では???

そう思って、答えを香具山から信貴山に変える。
本番ではこれがある。
過去問は3回解いた。
ただ、1回解くだけなら90分とかからない。
僕も過去問に90分ガッツリはかけない。
30分くらいで解き、採点する。
すると140〜160点くらいに落ち着く。
ただ残り60分の粘り。
この粘りで10点くらいは上がるかもしれない。
そう思いながら最後まで戦った。
そして試験が終了。
次の日。
解答速報が出る。
職場の昼休みに解答速報を見る。
いよいよ自己採点の時。
藤原京の問題の答えは、信貴山だった。
粘って取った2点。
他に粘ったことで正解した問題もあった。
間違えた問題もあった。
ただ、正解した問題の方が多かった。
結果は、、168点。
恐らく合格しているだろう。
3級、2級、1級、マイスター、1級。
マークミスさえ無ければこれで5連勝。
ただ175点に届かなかった悔しさもあった。
でもこの2週間は頑張った。
結果出るまで分からないけど。
勉強しなかったら忘れたままだった世界遺産。
思い返せただけでも、意味のある試験だった。
新設の準1級受けるかも迷ったけど。
1級を受けたのは資格が欲しい訳じゃない。
世界遺産を思い出すため。
だったら全部の世界遺産に触れたいよね。

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