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コーヒー売りの爺さん
モロッコ🇲🇦のマラケシュに彼は現れた。
彼は、世界三大ミナレットの1つ「クトゥビーヤ・モスク」の入り口をひたすら探していた。
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しかし探しても探しても見つからない。
そこで彼は、そばに立っていたコーヒー売りの爺さんに聞くことにした。マッチ売りの少女ではなく、コーヒー売りの爺さんだ。
彼は爺さんに道を尋ねた。すると、爺さんは気軽に教えてくれた。
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彼は爺さんに礼をいい、去ろうとした。
その時、爺さんがいきなりコーヒーを押し付けてきたのだ。そこで彼は聞いた。
彼「これは無料ですか?」
爺「あげるよ」
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そして彼はコップに並々注がれたコーヒーを飲もうとした。しかしそれは熱すぎた。
彼「熱っつ!!!」
彼はコップを頑張って持とうとしたが、熱さの衝撃で動かした手を止めることはできず、コーヒーが溢れる。そしてコーヒーがコップを支える手にかかり、さらに熱さの衝撃で手を動く。するとまたコーヒーが溢れる。また熱々のコーヒーが手にかかり、コップがまた動く。まさに負のスパイラル。ついに手が耐えきれられなくなり、コップごとコーヒーは落下した。ついでに手も火傷していた。
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もうこのコーヒーはいらん。彼はそのまま去ろうとした。しかし、彼は、また新しいコーヒーを渡そうとしてくる。
彼は無視して立ち去った。しかし爺さんは後ろから怒鳴ってきた。
爺「10ディラハム!10ディラハム!」
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彼は耳を疑った。さっきギブユーって言わんかったっけ?なんで金取るんや。
彼は急いでその場を立ち去った。ここでお金を払うと今後の旅行客も同じようにカモられるだろう。それに手も火傷してるし。しかし爺さんは追いかけてくる。
彼はさっき爺さんが教えてくれた、クトゥビーヤ・モスクに逃げ込んだ。ここは神聖なモスクなので、コーヒーの薬缶を持っては入れまい。
そこはイスラム教徒で溢れかえっていた。中には噴水のような所があり、そこの神聖な水でイスラム教徒は全身を清める。
彼は手を火傷していたので、神聖な水を使いひたすら火傷している箇所に流し続けた。
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すると、周りのイスラム教徒に注意される。
イスラム「君はイスラム教徒じゃないね?イスラム教のことは知ってるか?」
彼「まあ、、学校で習うくらいは、、」
イスラム「知らんかったら俺らの真似をして、覚えてくれ。」
こうして彼は、全身を清め、1日5回あると言われるイスラム教徒のお祈りにも参加した。
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訳がわからないまま、彼はイスラム教徒たちと並んで祈りのポーズを捧げる。何か唱えてるが全く意味がわからない。とりあえず訳のわからぬまま周りの人と動きだけ合わせていた。
祈りの時間が終わった後、彼はイスラム教徒何人かに、イスラム教徒でもないのに祈りを捧げてくれたことに感謝された。の時も思ったけどイスラム教って結構他の宗教にも寛大な気がする。
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そして彼がモスクを出ようと出口を見ると、コーヒー売りの爺さんが立っているのが見えた。幸いこちらの居場所は気付いてない様子。それにしてもなんでまだおるんや。
モスクには幸い、男性用の出入口と女性用の出入口と2つ出入口があり、爺さんは当然、男性用の出入口で待っている。
彼は爺さんに気づかないようにこっそり女性用の出入口から抜け出し、そのままクトゥビーヤ・モスクを後にした。(失礼すぎん?)
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その後爺さんはどうしているのだろう。それは誰も知らない。