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たまにはこういうのも、いいよね?私は理不尽が嫌いだ。
”社内が汚れているのは、社員の意識が足りないからだ。だから、まずは社員の服装を整えよう”
先日、そんな話が某企業で従業員に通達されました。
従業員は急に新ルールを告げられ、そのあまりの理不尽な内容に怒りで手が震えだす人も続出したとか。
上司、特に企業のトップに近づくほど、一番末端の従業員の作業状況など、詳しく把握してないこともあるでしょう。
現場従業員にとって、この新ルールは斜め45度のさらに30度上を行ってしまうような、異次元感を多分に含んでいたようで。
各方面から、反対意見が溢れでしまったのです。
そもそも、口頭で説明されただけで、いまいち詳細に欠けていることが、新ルール設立・運用するにあたって、不十分なのです。
社内ルールを新設する場合、これは必要だろうと思うことを、労基法や経験則から挙げてみたいと思います。
社内ルールとは
社内ルールは企業独自で決めるものを意味するのが一般的です。社内ルールの内容は企業の方針に沿った内容であることが多く、労使間の合意や労働基準監督署への届け出も必要ありません。
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社内ルールは、就業規則ではないので労基署への届け出は必要ありません。
口頭での説明だけでいいの?
しかしながら、新たに制定されたルールを周知することは、守ってほしいルールであるなら尚更必要でしょう。
口頭に加え、書面、掲示板、直属上司からの再度の説明等が必要であると考えます。
だって、1回言われたくらいで全部理解しろって、難しくないですか?
国や市の新しい制度、ニュースで報道されたくらいで全部覚えられますか?
市のHPや広報、電話で問い合わせたり、しちゃいますよね。
社内ルールの策定の流れ
個人的には、だいたいこんな流れで決め、運用していくのが良いのでは、と思っています。
1 問題提起・改善提案
2 実態把握・意識調査等
3 役員会議・ルール制定
5 報告・周知
6 ルールの遵守チェック
前出のHPによると、
1 ルールを作る目的を明確にする
2 ルール化されることが多い項目の例などを活用し、自社に必要なルールの洗い出しを行う
3 実際の業務に則したルールであるか確認する
4 策定したルールの周知徹底を行う
だそうです。
詳細は省きますが、だいたい一緒ですね。
ところが…
某企業では
口頭での説明のみ
書類等の周知なし
役員会議なし
現状把握なし
現状に即していない
矛盾だらけ
などなど。
従業員から、不満、反感の声があふれる事態にならざるを得ない状況になってしまったようです。
そもそもなぜ必要なのか?
この企業の問題点は、ルールを策定する、最も重要な部分である
"なぜ必要なのか"
を考えられていないことが問題だと感じます。
服装を改善すれば、社内はきれいになるのでしょうか?
社員が意識高い系になれば、社内はきれいになるのでしょうか?
社内が汚れているのはなぜなのか?
この答えがずれていると、社内はずっと汚れたままですよね。
身近なところで、家を例にあげて考えてみます。
家の中が汚い
↓
(家族に尋ねる)
玄関と室内の明確な線引きがない
↓
靴の砂を落とす場所がないので、部屋の奥にも砂を持ち込んでしまっている
ここまでが、現状把握です。
家の中に砂を持ち込まないようにする
↓
(どうすればいいかを話し合う)
砂を落とす場所を確保する
↓
玄関と室内の明確な境を作る
↓
部屋をきれいに保てる
これが、対策ですね。
・玄関に入ったら靴の砂を落としてから入室する
・玄関を定期的に清掃する
そして、これがルールです。
・このルールを家族に伝える
・玄関に張り紙をする
こうやって周知します。
きれいに保てているか確認する
そして検証します。
これで、室内に砂が持ち込まれることはだいぶ減りますね。
企業の状況に当てはめてみる
某企業で伝えられたことは、こうです。
砂を持ち込まないように、砂が付きづらい靴をきちんと履きましょう。
確かに、多少は軽減されるでしょう。
しかしながら、根本的な解決には至りづらいですよね。
だって"付きづらい"だけで、持ち込んでしまっているんですから。
時間が経てば、たくさんの砂で室内は汚れてしまいます。
ルールを決めるとは
このように、問題の本質を見落としてしまうと、一向に状況が改善しないことがわかります。
ルールを決めるのは、その状況に則したものにしないと、無いも同然。
また、ルールだからと安易にそれに従わせるるだけでは、本当の意味で改善しなければならないところを、見失ってしまいます。
まず、状況を把握し、それに則したルールを策定するため、周囲の意見を集めましょう。
でなければ、無駄なルールに縛られ、それを策定するための時間すら、無駄になってしまうでしょう。
まとめ
従業員の意見は、鵜呑みにしたり、全部を聞き入れたりする必要はありません。
しかし、せっかくならいい気分で働いてもらったほうが、得策ではないでしょうか。
”意見を聞いてもらった”と感じることで、ルール策定後の運用もスムーズに行くことでしょう。
現場で一番状況把握できているのは、そこで働く従業員です。
率直な意見に耳を傾けて、問題の本質を見極めてほしいものです。