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研修医時代はどんな家に住めばいいの?

初期研修医時代はどんな家に住めばいいの?

実はこれ,結構悩ましい問題なんです.

初期研修は2年間しかありませんし,市中病院の方は多くのケースで後期研修で別の病院に行くことになると思います.

なので,初期研修が始まった2年後に引越しをする可能性が高いのです.

6年間通った大学の病院で,引き続き研修する場合は同じところに住めばいいと思いますが,


多くの研修医は大学卒業のタイミングで新居に移るのではないでしょうか?

結論から言います.

院内の寮に住むといい

です.

理由は3つです.

1.当直

研修医は平均的につき4,5回当直に入ります.

研修医はあくまでも副直という立場で,また3年目の専攻科にもよりますが,これは回数的としては多いです.

1つ目の理由は,この点を考慮した考えです.

初期研修指定病院はガイドライン上,研修医の住居環境を保証することを求められています.

その具体的なやり方は様々ですが,院内に寮があったり,病院として借りているアパートが院外にあったり,病院が研修医の代わりに家賃を支払う仕組みなどがあります.

この中でも私は特に寮をお勧めします.

ない病院もありますが,一般に多くの病院では,基本的には看護師などのために院内に職員用の寮があります.

多くのケースでそういった寮では,PHSがつながります.

ある意味,病院内に個室の研修医室があるとも言えます.

このことから分かるように,

当直のときは基本的に自宅にいれるのです.

病院の種類にもよりますが,当直の時に暇な時間というのは意外と多いのです.

そういう時,なんとなく病棟や研修医室や医局に入ることになります.

しかし,例え何もなかったとしても白衣やスクラブを着て院内にいてリラックスできるでしょうか?

私の考えですが,「仕事着を着て仕事場にいる」で仕事の7割の意味は果たしてしまうと思います.

これとは対照的に,何もない時は「私服で自宅にいる」は,仕事という名目でありながら仕事でないような感じがしてかなりコスパが良くないでしょうか?

この効果は特に土日の当直の際に大きな威力を発揮します.

「土日の当直」というのは貴重な休日の1日を削って病院にいるわけです.

これについては私は「人生の重大な損失」と呼んでいます.

これを減弱させることができるというのは最大のメリットです.

以上述べてきましたが,

月に4,5回もある当直の際,家で過ごせるというのはかなり大きなメリットなのではないでしょうか?

ほとんどの場合無料か安価で利用できるのも大きなメリットです.

2.通勤,退勤

新生活というのは想像以上にストレスがかかるものです.

それならば憂鬱な気持ちが強くならないように通勤時間は短くしたいものです.

また,一つ大きな点は,初期研修医はあらゆる科をローテするという初期研修の制度上,時期によって集合時間が大きく変わります.(冬の寒い時期に7時集合などやめてほしいですが)

それに従い,起床時間や家を出る時間も変えなければならないわけです.

また,科によっては終了時間も読めません.

そこで,院内の寮です.

朝の集合時間がどれだけ早くなろうが,解散時間がどれだけ遅くなろうが,

元々ほぼゼロと言ってよい通勤時間,退勤時間なわけです.

例えば,

通勤+院内の研修医室への移動+着替え+集合場所への移動で30分見積もられる環境に住んでるとします.

7時集合と言われたら何時におきますか?

多くの方は5時台じゃないでしょうか?

しかし,院内の寮ならどうでしょう?

通勤時間をほぼゼロにでき,また,寮ならば基本的に白衣のまま通勤できますので,家を白衣のまま出て集合場所まで直行すればいいのです.

つまり「通勤+院内の研修医室への移動+着替え+集合場所への移動をほぼゼロにできるのです.

私ならこの状況ならおそらく6:30まで寝ています.

5時台のはずが6:30,これは大きなメリットではないでしょうか?


3.引っ越しが楽

ここでいう「引っ越し」は,大学→初期研修,初期研修→後期研修,という初期研修を挟む想定される2つの引っ越しについて述べています.

基本的に病院の用意する寮は,医師だけでなく看護など研修のための短期利用者を想定していますので家具や家電は基本的に備え付けです.

なので大学→初期研修の引っ越しに当たっては,最低限のものだけを持ち込めばいいし,初期研修→後期研修の引っ越し時にも自分のものだけを持ち出せばいいわけです.

それ以上新しく家具や家電を買う必要もないわけです.

後期研修は数年間という初期よりは長い単位ですし,初期研修→後期研修の引っ越しは大学→初期研修に比べ長期春休みなどなく意外と時間もないので,ここもなるべく楽に済ませたいですよね.

それからは後期のタイミングで新しく新居を構えるというのもありだし,また寮があればそこに入るのもありです.

「物は少なく」が引越しの鉄則です.

4.まとめ

以上色々述べてきましたが,もちろん院内寮生活のデメリットもあるでしょう.

院内で普段から生活してリラックスできるのか?など,しかし,人間は"慣れる"生き物ですからどこで暮らそうが結局同じというのが私の考えです.

それよりも以上述べてきたような,

当直の時楽,通勤退勤が楽,引っ越しが楽

のメリットはなかなか魅力的に思います.

これから病院選びを考える学生さんなどは,こういう点でも考えてみてはどうでしょうか?