上手くなる人、上手くならない人
こんにちは、REIです。
今回のテーマは、こちら。
上手くなる人、上手くらない人
ホビー領域の走行会やスポーツ走行から、プロフェッショナル領域の全日本やMotoGPまで、様々なレースを外から中から見てきました。
かつ、自分でも練習やレースに打ち込んでみたことがあり、そこで気付いたことがあります。
当たり前なことばかりなのですが、自分一人では簡単にできないことばかりです。自分への戒めとしても、ここに書き記しておきます。
上手くなる人
きちんと先生から学ぶ人です。
先生から言われたことを実践して、自分の認識のズレを少しずつ修正していって、正しい内容を正しいアプローチで短期間で詰めて反復練習する人。
上手くならない人
伸び代同士で集まって、アマチュア同士で意見交換。そこに正しい答えがある確率はあまりに低すぎます。上手くならないことはないですが、その成長スピードは遅すぎて、とてもお金がかかる遊びなだけにその遠回りは勿体無いです。楽しいですけどもね。
そして、スクールや走行会に参加する”だけ”の人。それは練習じゃなくて、楽しいだけです。
楽しく正しく練習して上手くなれば、もっと何倍も楽しいです。スポーツでも遊びでも、上達する実感も大事な面白さではないでしょうか。
それでは、上記二点をより詳しくお話しします。
先生の選び方
あっちのスクールに行って、こっちのスクールにも行って、あの先生の言葉も聞いて、こっちの先生の言葉も聞いて。
これは遠回りどころか、実は目的地に向かっていません。
自分に最適な先生を選ぶのは、最初は直感がいいと思います。先生もピンキリで、効果を出した気にさせてくれる先生もいれば、本当にタイムやリザルトに現れるようなきちんとした効果を出してくれる先生もいます。
それと、それぞれの先生の教え方はまずバラバラです。向かうところは概ね一緒なんですが、プロセスに違いがあり、つまみ食いをしては本来登るべき階段を登らないまま、迂回路の階段を登ろうとしている場合もあります。
結論的には、先生は一人に絞る。他の人の話は一才耳に入れないこと、これが大事です。できれば、その先生に、「他の話は聞かないことにする」と宣言するのもいいと思います。先生だって生徒を選びたいわけです。先生に選ばれるのもコツの一つと言えます。
「あの人にはこう言われた」→じゃあその人に聞いて。
「ユーチューバーがこう言ってた」→じゃあその人に聞いて。
先生の時間を無駄にする生徒は、破門かカモネギにされるわけです。
誰もが最初は一見、そこから常連になり、お得意様だからこそサービスしてもらえる。食べるも、学ぶも、そこは一緒じゃないですかね。
先生の言うことを聞く
自分の直感で選んだ先生。もしかすると間違った先生で、流派を乗り換える時が来るかもしれませんが、少なくても現時点の自分よりは遥かに優れた技能者であるはずです。であれば、まずは学んでみて、次の先生選びをする糧としてもいいのでは。ただし、先生からある程度は認められるまでは乗り換えずに堪えた方がいいはずです。
中にはスイスイ伸びちゃうセンスの良い方もいれば、他人よりも上達が遅い方もいます。僕は後者でした。周りとのペースは関係なくて、あくまで先生と生徒の一対一の関係性だけが重要です。先生はきっと生徒のことを思ってくれているはずです。
ではいよいよ先生の教えを実践に移す時です。ここでもう篩に掛けられます。言われたことを即実践する人と、実践しない人。できるできないではなくて、先生は少しの挑戦や背伸びでできる範囲のことを指示してくれている前提で、それすらもやらないようでは、見放されてしまい、他の生徒に集中します。
指示の中では「?」なこともきっとあると思います。それでもやってみてください。その上で、先生から解説があるはずです。
「今はこう思うだろう、いずれこう考えられるようになる」
先を見据えた教えであればあるほど、今の自分は混乱します。だけど先生にはビシッと真っ直ぐな道筋が見えているんです。いずれその生徒が同じ景色を見られるようになるのを楽しみにしながら。
生徒よりも先生の方が楽しいかもしれません。成長を間近で見る喜びは、実は自分の成長よりも美味だったりします。誰かに何かしてあげられた喜び、これが先生のモチベーションですから、先生のためにも頑張ってください。先生が喜ぶほど、自分が高効率で上達します。先生が手を抜くときは、自分(生徒)がサボるときです。
正しいアプローチとは
スクールやサーキットに行くと、ついつい楽しくなっちゃって、周りの雰囲気に引っ張られて、無意識に真剣な振りをしてしまいがちです。路面温度をノートに記録して、いつも以上に念入りに車体を整備したり、なんだか他の初心者に向けて玄人感を出す。
それまったく要りません。
「前回はこうだった、今回はこうしなさい」
これ以上に大事なことはありません。
もう少し細かく言うと
「前回言ったことができるようになったから次は・・・」
「前回言ったことがまだできていないから、なぜできていないか話し合おう」
この2パターンがあり得ます。
こういうやりとりをする間に、ついつい耳にしてしまった話やライテク記事などの雑音を全てゼロにして、完全にかき消す必要があります。ライテク記事や動画が世に溢れ、ゴルフ専門誌も無限ループで初心者向けの教則を繰り返しても、なぜ上手い人が増えないのか、それはシンプルに効かないからです。役に立たないとも言えます。読み物として面白く読む程度で、なんか少し変化が起こった気はしても、その時間に対して得られたもののコスパは悪すぎます。それくらいに、決まった先生から学ぶということは実はコスパに優れるんです。
正しいアプローチとは、先生が今の自分のためだけに作ってくれたメニューと向き合うこと。
ここまで先生ありきで話を進めてきましたが、近道であり、王道であり、唯一の道です。素人だけで到達できる高みは、大した高さではありません。
そこに到達するまでに使った時間とお金は無駄とは思いませんが、先生がそばにいれば、遥かに少ない時間とお金でもっと高いところまで登り詰められたはずです。無駄ではないですが、もったいないです。ただ、合理性とは無駄の上にあり、後悔の上に真摯があり、一人で失敗してから学んだ方が心が決まるというのもあります。
また、先生と質疑応答を繰り返すことで、自分の物差しの精度を高めることができます。そして真偽を見極めるセンサーを鍛えることができます。このやりとりもまた、とても重要なものです。
一人きりでは、素人の集まりでは、これが全く進みません。表層的な小技ができるようになっただけで、その次に習得すべき大技へ繋がるルートができていないため、いつまでも初歩的な小技をかき集めることになります。上手くなった気はするけど、タイムに反映されない状態、これいつかつらくなります。
そして、レベルアップをするときは、一気にレベルアップします。大きなハードルを越えた後は、退化しません。ところが小さなハードルを越えて身につけたものは三日で忘れます。定期的にやってくる大きなハードルを一気に越えておく、これも実は合理的で、効率のためにもやっておきたいことです。
レベルアップの管理の仕方
各サーキットには、「何秒の壁」なんてハードルがたくさんあります。これば見事なもので、越えるまで本当に苦労するのですが、そこを越えて次の階層に進むと、スイスイとタイムアップしてしまうものです。そしてまた次の壁で歩みが止まります。この繰り返し。
各階層の間には、行き来するための強固なバリケードがあるようで、進入さえしてしまえば、そのバリケードの範囲内では自由に上がったり下がったりできるんです。
練習をするときには、忘れないように短期間で叩き込む、これ実は大事です。月1サーキットではなくて、有給を繋いで、三日ほど連続で練習して、そして二ヶ月は仕事を頑張ってレッスン代と走行費用を稼ぐ、これくらいのペースでもいいと思います。
その期間や日数は人それぞれなので、自分の最適な所要期間は自分と先生を見出す必要がありますが、つまり習得できそうなところで休んでしまうのをやめることです。習得してしまえば、なかなか忘れられません。子供の頃に練習して乗れるようになった自転車と一緒です。何十年ぶりでも乗れます。一度泳げるようになった人は、一生泳げます。実は、ライディングも一緒です。
自転車に乗れる、乗れない。これと同じくらいの差がある技をいつくか挙げてみます。
ホールド(体の使い方含む)
ブレーキ
アクセル
これできますか?
とても難しくて、僕はいまだに考えます。この三つができないのに、タイムを更新しようとするのは、自転車に乗れないのにツールドフランスに出ようとするのと同じです。
厳密には、自転車が乗れる乗れないと異なるのは、(便宜上タイムで話すのが簡単なのでそうしちゃいますが)例えば、どこどこサーキットの初級中級上級でのおおよそのタイム感があるとして、各タイム感の中ではホールドもLv.1からLv.99まであって、初級の範囲内では必要なホールドレベルと、上級の範囲内で必要なホールドレベルは段違いです。ホールド、ブレーキ、アクセル、それぞれがボトルネックの関係にあり、全てが要求レベルに達したときにタイムが更新されます。
先生もタイムを基準とすると思いますが、「何秒の壁」を越えるまでは短期集中決戦型の濃密な練習で一気に仕上げる、仕上げたところで時間をお金を使い果たしている可能性が高く、また次の階層でハムスターばりにグルグルする時間とお金、つまり軍資金が必要になるので、そこで初めて休む。
月1から週3になんて簡単にはできません。でもそれを実践したライダーはポンポンと上達します。
非現実的すぎますか?
だけど、考えてみてください。受験や就活は乗り越えてきていますよね。これも短期集中決戦という意味では同じです。スパンが違うだけです。
もう少し現実的にするならば、上の方で話したところに戻りましょう。
先生を上手く活用しましょう。どうやっても月一くらいしか練習に時間とお金を割くことができそうにないならば、その中でやりくりしていくメニューを作って欲しいと。
先生はハッキリ言ってくれるはずです。
「そんなに間隔が開くと成長スピードは上げられないけど、ちゃんと話を聞くなら、ちゃんと面倒を見る」
上手くなる、それは受験や就活と同様にエネルギーを使い、同様に努力すれば手に入ります。
大学受験を終えて、大学で遊びまくった、なんて方が多いんじゃないでしょうか。そして大学三年生か四年生になり、今度は就活でバタバタする。
それと同じサイクルでいいんです。
目標やゴールや試験がなくては、ダラダラ過ごします。ところが、期限が迫ると焦って準備をするものです。
きっと先生は、そういう目標を定間隔に置いてくれることと思います。
上手くならない人とは
最後にもう一回まとめておきましょう。
一人で無意味な実験を繰り返す人、あるいは下手同士で練習をする人。
不良が集まった学校から東大に合格するのは天才だけです。だけど、進学校から東大に合格する人は天才だけじゃなくて、それなりに賢い人もいます、賢いと言っても天才ほどじゃないです。
ちょっとでも勉強しやすい環境、勉強が捗る環境に身を置くのもとても効率的です。毎日遊びに誘ってくれる悪友から距離を置き、自分だけ塾(レーシングスクール、レッスン)に通う。
良いサイクルを生む環境を作れた人が上手くなり、今のサイクルのままの人は上手くなりません。つまり、今さほど上手くなっていないなら、一生上手くなりません。
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