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荏原製作所

9-15-2021
本日、荏原製作所 藤沢事業所に行ってきました。
我がアトリエから車で10分ほどのこの場所は、今まで幾度となく通ってきた身近な場所。
しかしながら、ゲートをくぐるのは初めての事でした。
私のある想いを伝えたく、総務課長と施設・環境管理課長にお忙しい中、時間を頂戴しました。
その想いとは、私が普段から意識している藤沢市内の産業の中で出る副産物を利用しての住環境マテリアルの提案。
ただ、いつもと勝手が違ったのは、荏原さんはメーカーさんであるため、一般の私に提供などは企業的に難しいという点でした。
そのことに対しては当然であり、全く残念に感じることはありませんでした。
なにより、今回私が荏原さんを訪問したのは、荏原さんは素晴らしい会社です!と直接伝えたかったからです。
これにはとても意味があります。
今から21年前に起きたダイオキシン問題。
(※あらゆる人々の立場や意見があると思いますので、あくまでも私個人が体験し感じていることと認識して頂けたら幸いです。)
2000年当時、私はプロを夢見る18歳のサーファーでした。
日の出と共に海に入り、バスタオルは高校の教室で干し、放課後は日が暮れるまで海に入っている。そんな毎日を送っていました。
そんな日常の中で突然起きたのがダイオキシン問題でした。
引地川河口のあるサーフポイント鵠沼はその影響を大きく受け、大人達はそれはそれは大変な雰囲気となり、子供ながらに何かやばいなぁというのは感じました。
大人たちは話し合いや、愛する海のこと、将来のある僕らのこと、経済的なダメージなど計り知れなかったと思います。
何となく記憶に残っているのは、体内の検査をするかしないかの話があり、最終的に未来ある若者に万が一ネガティブな結果があっては、との判断から検査にはならなかったと記憶しています。
18歳だった僕はそんな状況でも普通に海に入っていました、、、。
その後、ローカルの大人たちのおかげでふわっといつもの日常に戻り、ネガティブな記憶だけが残ったままとなりました。
実際にはその後も多大な影響があり、水質調査や様々な対応に追われていたと思います。
そして現在。
39歳になった私は、当時では到底想像できない仕事や活動を通して、改めて当時のこの出来事に、そして荏原製作所という企業に向き合う事となったのです。
私は、日本の生活の色である”藍”を残すため、現代左官の技術と革新的な材料を使い、衣食住の”住”に到り現代ニーズへとビルドアップしています。
更に産業の過程で出る副産物や廃棄物を使いインテリアや家具の仕上げに使っています。
前回のエッセイでご紹介した貝殻を使ったテーブルもその一環です。
材料を集めるため、鵠沼のビーチで貝殻を拾っているときにふと思いました。
最近画面を通して見る砂浜は、プラスチックやゴミなどばかりですが
貝殻に目をやっていると、なんて美しい砂浜なんだろうと。
その意識を研いでいくうちに、ものの見え方や感じ方は、”何を見るか”によって変わるという事実に気が付きました。
そこから私は、当時体験したダイオキシンについて、荏原製作所について、視点を変えて考えました。
環境保全への貢献を標榜する荏原製作所にとって、理念にそぐわない未曽有の蹉跌。
社会的信用の回復のために払われた獅子奮迅の働きは大変なものだったと思います。
荏原製作所は、1912年創業当時から”人と水”に多大な社会的貢献をしてきた会社であり、それは今なお続いています。
私が好きな”人と水の歴史を旅しよう”のリンクを貼っておきます。
https://www.ebara.co.jp/waterhistory/
 
1912年といえば、経済の父と呼ばれるに至った渋沢栄一が活躍した時代でもあります。
藍という共通点を持つ渋沢栄一は私にとっても大変大きな存在であります。
そして今年、とても有難いご縁を頂き、渋沢栄一の玄孫である渋沢健さんが会長を務める
コモンズ投信の社会起業家フォーラム”社会課題解決のために自ら行動を起こした12名のリーダーたち”
に選抜して頂きました。
https://www.commons30.jp/forum13/
 
藍は日本の生活の色。
藍の紡ぐ縁。
今日お話しさせて頂いた、荏原製作所の環境管理課長さんがとても素敵なこと仰っていましたので共有したいと思います。
藍色、子供の頃を思い出す。
祖父母が着ていた記憶が蘇る。
田舎の景色が思い出される。
お話してくださっている時の表情がとても優しかったのが印象的でした。
荏原製作所の企業イメージカラーもブルーで、エバラブルーと呼ばれているそうです。

藍色が紡ぐ縁。
空と海。
ここ藤沢の地で、今だからこそできること。
私は、荏原製作所の素晴らしさが一人でも多くの人に届いて欲しいと願っています。
藤沢事業所は、入口ゲートの警備員さんの笑顔と溢れるホスピタリティで始まり、
ベルギーを思い出させるようなゆとりある敷地と緑に囲まれた景観を進むと、魅力あるまちづくりに相応しい
神奈川建築コンクールで優秀賞を受賞した素晴らしい本館があります。

どうかポジティブなイメージに繋がっていくように、私なりにできることを発信して行けたらと思います。
 
ReitaMORIYA
 

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