NHKドラマ「プリズム」の心情描写に見入ってしまった火曜日

ドラマ「プリズム」の感想

NHK火10プリズム
出演：杉咲花、藤原季節、森山未來ほか

～あらすじ～
以下HPより（https://www.nhk.jp/p/ts/VW95PNPX88/）
都内の園芸店でバイトする前島皐月（杉咲花）。声優を目指すが諦めかけていた。 何をしても本気になれない。恋も同じだった。 しかしある時、ガーデンデザイナーとして活躍する森下 陸（藤原季節）と出会う。 皐月の作るテラリウムが、陸の目に留まったのだ。 それから、陸が手がける庭園のリガーデンプロジェクトを皐月も手伝うことになる。 ２人が恋人となるのに時間はかからなかった。 そんな折、ガーデナーの白石悠磨（森山未來）がプロジェクトに加わることになり、陸はひどく動揺していた。 ２人は再び出会ってしまったのだが、そのことを皐月は知らない。 ガーデンの完成を目指しながら３人の思いが交錯する。まるでプリズムのように。 やがて、皐月は、ある選択をする。

～感想～2話分見終えて
杉咲花の細やかな演技が最高。1話は正直展開早すぎて、は？いや待って待ってってなった。けど、このドラマは展開よりも登場人物の心情を描いているドラマだなと思うし、その心情が演技によって分かるので見てしまう。そんなドラマ。

好きなシーン、好きな台詞の話。皐月（杉咲花）と森下（藤原季節）登山後に食事に行ってそれぞれ帰路につこうとするシーン。
二人は知り合って間もないんだけど、登山とか、その後の食事でも色々あって、皐月は森下に惹かれていた感じ。「じゃあここで。」と帰ろうとするも帰らない皐月。

皐月「帰らないんですか？」

このときの表情、仕草、話し方、絶妙すぎる…！！！！！！
このときの「帰らないんですか？」は帰りたくないな、とか、まだ一緒にいたいな、離れたくないなとか、とにかく別れを惜しんでいる気持ちが込められているのよ。その表現が絶妙であり、実際にそう思っている人の表情なのよ…。好き…。

その他にも、様々な心情を描くシーンがたくさんあるドラマ。
同じ声優の養成所に通っていてルームメイトでもある友人がオーディションに受かったとき。自分はオーディションに落ち続けているけど、ちゃんと「おめでとう」と言うときの表情。
父の浮気で両親は離婚しているんだけど、父の浮気相手は男性。現在も男性と交際をしている父。父への複雑な思いを抱く表情。
早く地元に帰ってきてほしい母からの圧力。
そして森下への好意の表情。あふれ出ちゃっている好意。とにかくかわいい。
とにかく色んな気持ちが描かれている。そのどれもがちゃんと伝わってきて見入ってしまう。

あと森下の心情が読めなすぎてこわい。皐月のテラリウムを気に入って、今度の仕事に参加してほしいと思う森下。でもその皐月と男女の関係を持ち、自分の勤めている会社に中途社員として推薦する森下。（森下はこの会社のNo.2の立ち位置）
こわくない？？？？？
森下と皐月がそういう関係ということは周りは知らない（？）けど、知ったとするじゃん。
森下からしたら仕事として興味持った相手がいて、恋愛的にも発展したって感じかもしれない。
でも他の人から見たら、自分の女連れ込んで仕事させてる、と思われてもおかしくないよね。仕事が出来て会社でも上の立場にいる人間だけど、これはどうなの？って思っちゃう。
それだけじゃなくて、皐月のことを好きなのかどうかもよくわからんのが怖い。森下から皐月への心情は描かれていないのがまた怖い。
好きだから関係持ったのかもしれないし、そうしたほうが仕事してくれそうという思惑があったのかもしれないし、とにかく腹の内を見せない感じ。

皐月の父＆彼氏に遭遇した時や、皐月母に会った時のスムーズさも怖い。すぐに名刺出して、「こういう会社の者で娘さんにはこういう仕事を一緒にやってもらってます。」（意訳）とスラスラ言えるところ。
相手に信頼してもらうための話術が繰り広げられる感じ。ビジネス上で得たものだろうけど、プライベートでもそんな感じの印象。とにかく腹の内が分からない。こわい。藤原季節の淡々とした喋りがこわい、最高。

そんな森下の表情を唯一崩したのが2話の最後。白石（森山未來）と再会したとき。回想シーンを見た感じだと、森下と白石は付き合っていたが、ある日突然白石が姿を消した様子。それからずっと会っていなかったのに突然目の前に現れた白石…。どうなるのか。

登場人物の心情が見どころのドラマ。話の展開により登場人物たちはどんな気持ちになっていくのか、どういう行動をとるのか。そんなところに注目して見てみたい。