平面グラフの平行移動はなぜマイナス?
先日、うちの子に、
y=f(x)上のx=aの接線の式は、
なぜ、y-f(a)=f'(a)×(x-a) なのか?
と質問を受けました。
傾きがf'(a)になることは理解できている様ですが、グラフの平行移動の理解が足りなかった様です。
教えた内容をイラストに起こしてみました。
このイラストの説明を動画にするのに苦戦いたしましたが、ついに完成いたしました。
《座標変換で教えるので、多くの子供がつまづく》
学校では、座標軸の変換で説明を受けると記憶していますが、ここで、つまづいてしまう子供たちが多いと思います。
もし、つまずいている子が身近にいたならば、この投稿がお役に立つかもしれません。役に立つことを願っています。
動画をご覧いただいた方が、分かり易いと思いますが、一応、同様の説明を以下に記しておきます。
《関数fとは?》
xをINPUTした時、f(x)がOUTPUTされる機能を持った箱のことです。
関数とはひと昔前は函数と記載されていたように「箱」を意味するものだったのです。
英語ではfunction。機能という意味で、この「箱」が持っている「機能」のこと。
xが箱fを通過すると、f(x)が出てくるのです。
上図の様に、平面グラフでは、横にインプットの数値を、高さにアウトプットの数値をプロットするのが基本となります。
《横にプラスa、縦にプラスb動かした函数がg》
さて、このf(x)を横方向にa、高さ方向にb移動させてみましょう。
移動させたグラフをy=g(x)と書くことにします。
g(x)上の🦋で示した、位置の横座標をx1と書くことにします。
とすると、🦋の高さ方向の座標はg(x1)となりますね。
さて、移動前の🦋の横座標は、x1からaだけ小さい値になりますよね?
すなわち、f(x)上の🦋の横座標は x1-a です。
この🦋は、関数f(x)の上のプロットです。
インプットが x1-a なのですから、関数f(x)を通過したアプトプットはf(x1-a)となりますよね?
で、g(x)上の🦋とf(x)上の🦋との高さの差は b な訳です。
とすると、点線で囲んだ値の関係から、g(x1)-b=f(x1-a) となりませんか?
g(x)上の1点をx1と置きましたが、これは、g(x)上のすべての点について成り立ちます。
1だろうが2だろうが、x2だろうが、x3だろうが・・・
ですので、
g(x)-b=f(x-a)と表現できます。
《今、知りたいのは?》
y=g(x)という函数を、f(x)を用いて表したいのですから、
y-b=f(x-a) ということになります。
「プラス方向にaとb動かしたのに、式ではマイナス符号が用いられることが理解しにくい」という、問題もこの説明でご理解いただけると思います。
では、また。