割り込み・横入りへの対応の仕方
皆さま、こんにちは。
最近、スーパーも3密を避けるための対策の一つとして、レジ並びの間隔を広くとる様になってきました。
私の家の近くのスーパーもこの対策を採用しており、レジから一番離れている生肉コーナーまでレジ待ちの行列が出来ております。
さて、先日、レジ待ちの行列をしている私の前にお年寄りが割り込んできました。下図はそのときの状況イメージです。
お年寄りは意図的に割り込んだのではなく、陳列棚の間からやってきたので、行列の途中を最後尾だと勘違いしてしまったのです。
私は急いでいるわけでもないので、割り込まれても何事もなかった様に振る舞おうかとも思いました。
しかしながら、私の後ろにも行列は続いているのです。
私が声を掛けなかったら、私の後ろの方々はもっと声を掛けにくいことでしょう。後続を代表して私が注意を呼びかけるべきだと判断しました。
さて、どのように声を掛けたらよいものでしょうか?
「ココロの盲点(池谷裕二氏著)」という本があります。
私はその本の内容を思い出そうとしたのです。
その本には認知バイアスの一つとしてリアクタンスというものがある。としています。
その本では、禁煙エリアでタバコを吸っている人に対して、AorBどちらの声掛けの方が素直にタバコをやめてもらうことができるか?という例が紹介されています。
A:周りの人の迷惑になりますからお控えください。
B:こちらは禁煙エリアになっております。
答えはBです。
人は自分で考えて行動していると信じ込むそうです。
この例では、本人は禁煙エリアとか気にせずに(=無意識に)タバコを吸っていたのです。
しかしながら、禁煙エリアで吸っているという行動も含めて、自分で「タバコを吸う」行為を選択したのだと思い込んでしまうのですね。
そのため、他人から指図されることを嫌うとのこと。
こういう場合には「規則で決まっている」という表現を用いると、命令の主体が声掛けする人ではなく社会的合意となるので、リアクタンスが弱まるというのです。
そこで、私は「あのーもしもし、おばあさん。どうも後ろの方まで並んでいるようですよ。」と声を掛けてみました。
ご老人は「あら、気付かなかったわ。どうもありがとう。」と最後尾に向かっていきました。
声掛けは成功したようです。
ところで、この陳列棚の途切れ目が結構な頻度でいざこざを生む要因となるようです。
私が一つ進むと、今度は私の後ろにどなたかが割り込んでしまったらしいのです。後ろから声が聞こえます。
「ちょっと、みなさん並んでいるんだから、後ろに並んでください!」
あ、Aの方だ!と思いましたが、その方は素直に最後尾に廻ってくれました。良かったです。
私は、このリアクタンスという認知バイアスの存在を多くの方に知ってほしいと思っています。
こんなご時世、皆さまがストレスを抱えて苛立っているはず。
「○○してください。」という言葉に過剰反応する、されるリスクも高まっていると思います。
誰が悪いというわけではありません。
「○○してください。」と言いたいのも当然ですし、言われてムッとするのも当然なのですから。
強いて言うのならば、脳のシステムが悪いのです。
避けられるいさかいを世間から無くすことに役に立てば、との思いからスーパーの実体験を投稿した次第です。
では、また。