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KPCって結局なんなの?
これはTRPG(主にCoC勢)卓修羅界隈に向けた、専門用語満載記事です。
(前回、子供向けに図書館にエモクロア!って記事書いてたので念のため)
『新クトゥルフ神話TRPG』では、キーパー自身が探索者(PC)としてゲームに参加することは想定されていません。
— 【公式】クトゥルフ神話TRPG@アプリ好評配信中 (@cthulhumasters) December 9, 2024
キーパーには「公平にゲームを進行する責任がある」(新版ルールブック180...
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新クトゥルフ公式アカウントのマシュマロ回答で、「KP側のPC」について言及されていたので、(というか、その回答を受けてTLが賛否両論で荒れていたので)自分が思っている「KPC」について言語化しておこうと思いました。誰かを批判する意図はありませんし、公式に喧嘩を売っているわけでもありません。6版勢の流行です。よろしくお願いします。
■公式のマシュマロ回答(引用)
『新クトゥルフ神話TRPG』では、キーパー自身が探索者(PC)としてゲームに参加することは想定されていません。 キーパーには「公平にゲームを進行する責任がある」(新版ルールブック180ページ)ので、秘密を知るどころかゲームのボードを握っているキーパーが探索者として参加してしまうと、その公平性を担保するのは難しいでしょう。 ただ、集まったプレイヤー人数がシナリオで推奨される人数に足りず、技能や戦闘でフォローをするためのNPCを登場させることは否定されるものではありません。 それでもNPCが探索者の活躍の場を奪いかねないため、キーパーとしてNPCの扱いには細心の注意を払う必要があります。NPCが探索者より活躍するなんてことは絶対にあってはなりません。 いちばん良い方法は、シナリオを小人数でもプレイできるよう調整することです。技能ロールに成功しなくても情報を得られるようにしたり、敵の数を減らしたり、難関を乗り越えるハードルを下げたりするのです。 少し手間ではありますが、下手にNPCを登場させるよりも、きっと良い結果を生むでしょう。
それは、そう!!
PCより目立つNPCが全部解決してしまったらゲームが面白くないに決まってますよね。わかる。世にいう「吟遊GM」とか、「俺Tueeeeeee‼」したいKPの話ですよね。日本の同人シナリオ界隈では結構古い話題な気がするんですが、これは昨今流行りの「KPC」とはまた別の話じゃないか……?と思ったため、自分の考えを書きます。
■何が違うん???
KPCと、KPのPCをNPC化するのって、何が違う?同じでは?造語を作るな。
そう思った方も多いと思います。
私も最初はそうだったんですが、卓で事故ってから「これは別物だなあ」と思ったため、今も別物だと思ってます。感じ方次第かもしれないんで、私の説明を聞いても貴方にとっては同じ物の可能性はあります。(予防線)
■今流行りのKPCの特徴
・KPをする人間がキャラシを作成する。
・立ち絵とかもオリジナルで用意する。
・別の人と同じシナリオ遊ぶときに使いまわさない。
・シナリオクリア後にKPが自分のPCとして継続遊びしていい。
・元々別のシナリオで遊んだキャラをKPCとして遊んでいい。
ひとつずつ解説します。すべてに(※私の考えです)が付きます。
●KPをする人間がキャラシを作成する。
NPCはシナリオ作者があらかじめステータスとか決めておくし、性格とか容姿もある程度決まってるものじゃないか?と思う。多くはきっとそう。
KPCは普通にPLで遊ぶときと同じ感じでKPがキャラシを作る。
●立ち絵とかもオリジナルで用意する。
シナリオに付属された立ち絵とかではないという意味。自作しろって話ではないです。ぴくるーさんとか、フリー素材の立ち絵でもいいんだけど、この一回きりの卓の為に用意した容姿にするということ。
●別の人と同じシナリオ遊ぶときに使いまわさない。
上記と同じく、一回きりの卓のために用意されたKPC。
別のPLが同じシナリオ遊びたいと言ってきたら別のKPCを作成する。
特別感がある。あてがきシナリオの感覚に似てると思う。
相手の好みに合わせて、相手のPCに合わせて、こういうKPCなら仲良くなれるんじゃないか?とお互いの萌えを追求する。いわゆる「うちよそ」遊び。
●シナリオクリア後にKPが自分のPCとして継続遊びしていい。
これがデカいと思う。シナリオのNPCはシナリオ終わったら基本的に会えない。どんなに気に入っても。改変不可シナリオとかも増えてるし尚のこと。もちろん、昔流行った流れだと「シナリオNPCをお持ち帰りして一緒に暮らしてます~」みたいなのがあったと思うけど、そういうのではなく、探索者として別のシナリオのPLができるということ。モブNPCとしての出演じゃなく。
●元々別のシナリオで遊んだキャラをKPCとして遊んでいい。
たとえば、「VOIDの継続PCでしんはやを遊びます!」とか。
「かいマホの継続PCできづしん回った!」とかそういうやつ。
重めの秘匿HOシナリオ出身だったり、個人的に思い入れのあるキャラで、同卓PCと自分のPCのうちよそ継続をするのに適した同人シナリオが多くある。
■KPCと遊ぶ【パターンA】
「KPC」がいることを元から想定されてるシナリオ。
いわゆるシナリオヒロイン役になるやつ。アンデュエのシフターが近い。
「KPCを助けてあげないと!」を探索者の動機にしたシナリオ。
通常のシナリオNPCと何が違うかって言うとたぶん、「あー、たすけられなかったね。可哀想。残念でした!」で終わらないところ。ヒロインNPCのことを捨て駒キャットだと思ってる人?そうでなくても初対面のキャラに思い入れを持つのって短い単発セッションだと結構難しい。
この役がKPCだった場合「前のシナリオで一緒に頑張ってきたのにこんなところで死ぬな!」という強い感情が生まれる想定だと思っている。
もしくは「生還したら別のシナリオでも続けて一緒に遊べるのに!」「今度は自分がKPするからPLして欲しいのに!」「KPが自分の為に考えてくれたキャラなのに!」となると、諦めずに助けてもらえるのでは。
ドラマが増える。
■KPCと遊ぶ【パターンB】
2PLシナリオをタイマン改変で遊ぶ際に片方をKPCとして遊ぶ。
バディものシナリオを遊ぶ際に、片方をKPCとしてKPが操る。シナリオから推奨されているものも多い。タイマン改変不可のものもあるけど。
これに関しては、公式の回答にあったような「おれつえー状態」にならないようにする必要がある。というかそういう遊び方がしたいわけではない。
特に、秘匿HOシナリオでやる場合は情報の偏りがないように、KPC側の秘匿情報は小出しにしていくのが良いと思う。PLの探索者PCをひきたてる方向にキーパリングしないといけないので難しい。情報も出しつつ、会話もしつつ。忙しい。戦闘はエネミーとNPCとKPCをKPが全部やるのでもっと忙しい。
それでも2PLではなくKPC改変で遊ぶのは、遊ぶ目的が「ゲームクリア」ではなく「キャラクター同士の関係性」に重点を置いているせいではないかと思う。シナリオの描写を、前に継続したシナリオに合わせて変更したりすると、プチあてがき感が出る。KPは強いKPCを見せたいわけではなくて、PLのPCと一緒に同じ出来事を味わって、もっと仲良くなりたい。
■KPCと遊ぶ【パターンC】
多人数PLが想定されているシナリオにシレッと混ざる。
4PLとかそれ以上の大人数シナリオを生還したメンバーで、別のご愉快シナリオに行こう♪というときにKPは自分のPCをさりげなく紛れ込ませる。このKPCは「自陣」はこのキャラも一緒じゃないと!のやつ。
HOものが流行しているので、誰でも行ける継続シナリオが喜ばれている。
KPはシナリオも進めないといけないので、自分のPCとしての自我はあんまりない。自分のキャラで無双したいわけではなく、皆に楽しんで貰うために幹事をするぞ~って感覚。
■おわり。
公式で想定してない遊び方が、CoC6版同人シナリオ界隈では流行っている昨今だと思います。KPCって、私的には「シナリオは書けないけどPLにあてがきしたいと思ったKPの想い」が詰まっているものだと思いました。一緒にゲームを遊びたいのはもちろんだけど、ゲームを遊び終えた時に、自分と相手のPC同士で同人誌が出来てたら最高。そんなかんじです。たぶん。
この解説が全部間違ってたら私が流行に疎いということで話は終了です。
少しでも「KPC」について知るきっかけになったらいいなと思いました。「お前が間違い!俺が正解!」ではなく、「そういう遊び方が好きな人もいるんやな」と思っていただけたらと思います。ありがとうございました。