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オーストリアの魔女の城、リーガースブルク城(2024年8月)

 オーストリアの音楽祭巡り、8月は7月以上に盛りだくさんで、合間に2度の本番もあり、終始大忙しでした。ザルツブルク音楽祭、レハール音楽祭、メルビッシュ湖上音楽祭、サンクト・マルガレーテン採石場、バーデン・サマーアレーナ……。ターボア宮殿のオペレッタ・フェスティヴァルの翌日に行った「魔女の城」の様子なども写真と共にお伝えします。

ルンツ・アム・ゼーに佇む宮殿 ©Reine Hirano

 2日には、ニーダーエスターライヒ州ルンツ・アム・ゼーにある宮殿内でリサイタル。「ゼー」はドイツ語で湖のこと、ハルシュタットに似た雰囲気の風光明媚な所です。

ピアニストのゲロルト・ハルトマン氏と

 プログラムはバッハ《ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番》、バッハ/モシェレス《メロディックな対位法練習曲第1番、第3番》、クライスラー《美しきロスマリン》《シンコペーション》、メンデルスゾーン《チェロ・ソナタ第2番》。大盛況で拍手がなかなか鳴りやまず、アンコールも3曲弾きました。

大作曲家の自筆の手紙や名刺などが大量に…… ©Manfred Moser

 このコンサートの主催者は、シューベルトの友人として有名な画家レオポルト・クーペルヴィーザーの子孫であるクーペルヴィーザー家。終演後には、ご一家所蔵の貴重な資料を拝見させていただきました。ブラームスの自筆の手紙や名刺に加え、シューマン(これはおそらくクララの代筆)、ヨアヒム、ビルロート……。本で読んだ人物たちが一気に身近に感じられ、感無量になりました。

ターボア宮殿で上演された《白馬亭にて》 ©Reine Hirano

 翌3日には、ブルゲンラント州にあるターボア宮殿のオペレッタ・フェスティヴァルを取材しました。今年はベナツキー《白馬亭にて》(1~11日)、オーストリアの地元らしさを失うことなく、新鮮な遊び心に満ちている、とても素敵な舞台でした。

 4日には、ターボア宮殿から20kmほどの位置にあるリーガースブルク城を訪問。シュタイアーマルク州で一番大きい城だそうで、半日がかりで見学しました。

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