4Kアップコンバートへの道。
さて、色々と動画を4K化していましたが、コツを掴めるようになりました。是非アップコンバートにチャレンジをしたいと思った方は参考に。アップコンバートはAIによる高解像度化処理を行なう事で実現する物です。(最近AI絵でゴタゴタ言うのいるけどAIはこんな事できるんですよと教え付けます)
準備する物
ソースとなる動画 (良し悪しが存在)
PremiereProと言った編集ツール
XMedia Recode
Real-CUGANかReal-ESRGAN (AIなアップスケーラー、ノイズ抑制もします)
アップスケールの処理が行えるスペックのPC (以下に記述)
ストレージの余裕
画像ビューワー (自分はFastStone Image Viewerを使用)
使用しているPC
ThinkStation P510
CPU: Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 v4 @ 2.20GHz 2.20 GHz
GPU: NVIDIA Quadro M2000
メモリ: 32GB
ストレージ: 500GB/SSD(OS) 1TB/HDD 1TB/SSD
OS: Windows 11
CPUの世代的にはWindows 11のインストール要件には準じていないためバイパスによるインストールをしています。4KのアップスケールはGPUの処理とCPUの処理を求められます。「自作でスペックなら自信があるぜ!!」という環境ならばどうぞ。
1.動画作成の準備
ソースとなる動画は各自でどうにかしてください。
ソースとなる動画がmkvだった場合は、XMedia RecodeでYouTube向けのmp4に変換を行ないましょう。
2.フレーム補間や編集
フレーム補間や不要な箇所を省いたりなどの編集をここで行ないます。理由は後述。PremiereProのフレーム補間は「フレームブレンド」を選んだ方が無難かもしれません。シークエンスのフレーム設定も忘れずに。
それらが終わったら動画を書き出してください。
3.アップスケール処理
Real-ESRGANかReal-CUGANで行ないます。
各種アップスケーラーにはそれぞれ欠点があります。
Real-ESRGAN
動画となると4倍のスケールしか選択できない。動画の種類によっては処理時間がものすごくかかったり高負荷になる可能性が高めです。
解像度が大きくなってしまった場合は、XMedia RecodeかPremiereProで4Kに落とす必要があります。
Real-CUGAN
デノイズ(ノイズ抑制)のレベルが3しか選べない、アップスケールは2、3倍。
ESRGANよりも上であると言われている事や1080pを2倍であれば2160pになるのでアップスケールもしやすいメリットがあります。やりやすさの面が良いことで自分はこちらを使う事が多くなりました。
それぞれのデノイズは元の動画のディテールが損なわれる可能性があります。
4.動画を生成する
アップコンバートな動画は1秒1コマごとの画像で地道に処理を行なう事で下準備を進めて行く流れです。元の動画の画像とアップスケーラーで4K解像度にした物がじわじわと生成されます。これが完全に完了後に、4Kな動画となります。完成時間は処理をする画像の枚数次第で変化します。30分動画のうごメモ戦士はおよそ4.5日の作業時間を要しました。
2番目にフレーム補間などの加工をすると記しましたが、これには理由があり、4K動画の作成後にPremiereProで編集と書き出しを行なうと劣化をしている状態な動画となってしまう問題があります。映像に若干ノイズが入ったりとクオリティが下がってしまう為、事前に編集をした物をアップスケールすると言う手順で回避しています。(設定を変更しましたが、元と同等なクオリティにする事はできませんでした)
5.動画のチェック、アップロード
動画に問題がないかチェック、良い感じと思えたらアップロードです。
YouTubeになると動画のアップ後に4Kの処理が入るので少々時間がかかります。以下は自分が作成した物です。
番外編: アップコンバートを行なう動画の良し悪し
なんでも4Kにできるというわけではありません。やれる物にも弱点があり、基本的にはセル画時代の古いアニメ(解像度が高いなら行ける)、解像度が低すぎる映像(アップスケールをするとデノイズで潰れた感じになる)、映像の一部が潰れた感じに見える箇所が出るかもしれない。
とソースなる動画の状況次第で結果が左右されます。1080pや720pあたりで公開されている物であれば無難かと思うところです。
…自主制作アニメであるジェノサイダーはアナログで録画をした加工がされている(トラッキングの乱れやノイズなど)のでアップコンバートを断念した経験があります。