奥様が病気になった訳
さてはて、それは何年前となりましょうか――
「東日本大震災」が起きた年
奥様は、東京へと上京しました。
”都内に六店舗ある飲食店”に就職した奥様。
人と話す事が苦手ながら、
奥様なりには必死に働いていたのです。
そして、一年後の六月。
他の店舗に左遷されてしまったのです。
”生理による匂い漏れ”が原因でした。今思えば、何か病気があって、強い匂いだったのかもしれません。朝に入浴し、身体と髪を念入りに洗って出勤した矢先でしたので。
――それが、全ての始まりでした。
店舗によって上司が異なり、店舗によってルールが異なったのです。それで、奥様は一年間学んだことを、"新しいルール"に覚え直す必要が出てきたのです。
不運にも、二日間あるはずの、引継ぎが一日しか行われず、”新ルール”が半分しか教えられない中、
「前任者は百の事が出来たのに、貴方は十の事しか出来ない」
罵られながらも、必死に仕事を覚えるしかない。教えられた事をメモを取り、見返し、実践する。そして、新たな問題が出てきました。
「やり方が違う!!」
バイトの方に仕事を教わっていたのですが、バイト事にやり方が違うので、逐一叱られたのです。
――誰を信じたらいいのだろうか?
そんな思いの中、バイトとも上手に連携が取れるわけもない。
会社の休憩室で、一人泣き続けていました。
そんな時でした
「シフト管理をする為に連絡先を聞いておけ」
と上司に言われたのです。
引継ぎも出来ず、仕事も上手くできず、上手くできたと思ったら叱られ、罵られ、人付き合いも上手く行かない。週6勤務。朝9時から深夜12時まで仕事。残業代無し。ボーナス無し。有給無し。手取り15万から実家への仕送り3万と社員寮費で3万消える。話し相手もいない。相談できる相手もいない。その上、正社員として、バイトの上に立たなければならない。バイトがやらない事までやらなければならない。入社一年で責任者。
連絡先を聞けるような状態では無かったのです。
しかし、仕事なのでやらねばならない。
その、重圧に耐えかね、身体が壊れました
通勤の電車の中で涙が溢れ
会社でも泣き
会社に着くと体が震えだす
一日に一食以上取ると体調が悪くなる
朝の4時にならないと眠くならない。起きれずに遅刻。
好きなゲームを買ったのにパッケージをあける気力も起きない
ゲームができない
好きな事をしたいと思わない
泣いてばかり……
明らかにおかしい。
そう気づき、会社の近くにある「心療内科」へと足を運ぶことにしました。
そうして、ついに病名が告げられたのです。
『うつ病』
――これが、奥様が辿った、病気になった経緯です。
この経験があったからこそ、奥様はいつもこう仰るのです。
「無理しない程度に頑張ろう」「一緒に頑張ろう」
一人では無い
同じような症状が出ている方には、
早めに受診して頂きたいので、ここに記しました。
辛くなったらすぐに受診、ですよ?
雪城冷奈がこれまでに経験した事などを書きます