シェア
麗奈
2024年8月24日 13:46
まるいきつねいろに焼きあがった土曜の朝を、ナイフでざくざくと切り込んで、そしたら呑み込まれたのはあなたの前にいる私のほう。部屋に散らかった齧りかけのいくつもの昨晩を、たまに思い立って、本音と嘘の段ボールに放り込んで明日の不燃ごみにと思うけれど、きれいに片付いたためしなんてそれはなくて。ああ、また山溜まりになったものたちに薄くラップをかけて、部屋の端に置いておくことしかできないでいる。置いているのか
2024年7月19日 00:34
起きて 夢を見ていたと悟ってふやけた意味の意味を裸足の裏でなぞろうとつめたい6AMにフローリング 着地ただしい輪郭とは すなわち朝の窓辺あてどころに尋ねあたらぬ意味 まがい者が光のもとでは均く声をならべ昨日を名乗り わたしを騙ってこんこんと 今日も今日に折り重なっていくまた同じ夢を見ていた
2024年6月15日 20:07
相変わらず奇抜な柄が似合ってしまうきみのひろい肩やむねに付いてる貝や貝や貝や貝のそのうちの一つに過ぎないとしても少なくとも薄まったレモネードが回ってるいまはあたしの海だだからくるくる回って永遠に減らなくてこの時間が続いてほしいのに続いてほしくない、なんで?分かってるんだよそうして陽だまりみたいに笑うちゃん付けしてくれるさり気なく靴をほめてくれる優しさを持て余して手も
2024年6月7日 00:13
水彩画が淡くぼやけるみたいに、あたしの脚に一晩中絡んでいた温もりは夢のなかの出来事だった。それはそれは美しくて、あたたかくて、甘くて、にがくて。そして存在が即ちすでに、嘘だった。あたしは幻を見ていた。ほてった紅で口づけしてオレンジワインの芳ばしさを深く深く海のいろに染めた明け方。煌びやかな電飾に浮かび上がったのは、昨晩という名の喫茶店かバーであったかもしれない。夜が溶ければ灯り