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あらためて日本語を考えてみたい時のおすすめ本『日本人のための日本語文法入門』

こんにちは。
LGBTQライターのなつめれいなです。

日本人であれば、当然のように使っているのが日本語。ちなみに、母語として使っている人(ネイティブスピーカー)でいえば世界で9位(約1.2億人)、第二言語話者も含めると世界で13位です。

人口で考えると、日本は世界10位なので母語で考えるとほぼ人口の順位通りでしょう。第二言語も含めると国連公用語のフランス語、インドネシアやマレーシアで使われるマレー語もあるので順位は下がります。

それはさておいて、日本語の文法について外国人学習者に質問されて、答えられる人は少ないのではないでしょうか。

そもそも学校文法として中学校で教わる程度なので、なかなか触れる機会の少ない日本語の会話文法について説明された本が、今回ご紹介する原沢伊都夫先生の『日本人のための日本語文法入門』です。

学校文法と会話文法の違いを解説

本書でもっとも印象的なのは、日本語文法を単純になるように分解している点です。

最後が動作で終われば「動詞文」、形容詞(イ・ナ)で終わると「形容詞文」、名詞で終われば「名詞文」と定義しています。

必須成分と随意成分に分けて解説

日本語において必須となるのは、動作主体の「~が」と動作対象の「~を」+動詞などです。それ以外は、たとえば場所を示す「~で」など随意成分とされます。

日本語は、それぞれをどこに配置してもそれなりに意味が通じます。逆にだからこそ外国人にとっては難しい言語だということがわかります。

数々の疑問が解決できる

本書では、日本語に関する数々の疑問に答えています。

たとえば『「は」と「が」の違い』を質問されたとします。これに応えられる人は、少ないでしょう。おそらく、学校で国語を教えている先生でも完璧に応えられる人はそう多くないはずです。

その他、日本語では現在や未来に対して「過去形(~した)」を使うのはなぜかというのも、私たちは普通に使っているのでなかなか答えられません。

これに関しても明確に答えています。

最後に

本書は、日本語文法の解説本であるとともに、普段私たちが考えることのない会話に関して考えさせてくれる、知的好奇心を刺激する一冊です。

守護がはっきりしていると言われる欧米言語との比較も乗っており、そういう点では比較文化論としても楽しめます。

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