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全日本学生柔道優勝大会(男子:第71回、女子:第31回)
こんにちは。
LGBTQ+ライターのなつめれいなです。
標記大会が6月25日〜26日の2日間、日本武道館で開催されました。
試合結果と男女別の総括を書いていきます。
試合結果(女子)
それぞれの試合結果は、下記のとおりです。
女子・3人制
優 勝:福岡工業大学(九州)
準優勝:慶應義塾大学(東京)
第三位:東海大学九州(九州)
日本経済大学(九州)
優秀校:皇學館大学(東海)
姫路獨協大学(関西)
至学館大学(東海)
芦屋大学(関西)
女子・5人制
優 勝:東海大学(東京)
準優勝:龍谷大学(関西)
第三位:環太平洋大学(中国四国)
福岡大学(九州)
優秀校:東京学芸大学(東京)
山梨学院大学(関東)
筑波大学(関東)
国士舘大学(東京)
※東海大学は3大会連続7回目の優勝。
女子総括
まず、3人制は九州が強かったですね。
ベスト4に3校残っています(残りは東京)。
ベスト8までに拡げると、東海・関西がともに2校です。
近年は、かつて優勝を経験した早稲田大学、明治国際医療大学が5人制に参戦するなど、ステップアップを意識している傾向も強い部門でもあります。
大学といえど、特に地方の場合は部員確保だけでも難しいですし、そうした学校の受け皿としてこれからも残してもらいたいと思います。
5人制のベスト8までの内訳は、下記のとおりです。
●東京:3校(東海・東京学芸・国士舘)
●関東:2校(山梨学院・筑波)
●関西:1校(龍谷)
●中国四国:1校(環太平洋)
●九州:1校(福岡)
東京・関東が半数を占めているものの、関西・中国四国・九州も1校ずつ残っており、まんべんなく散らばっていますね。
有力な指導者が全国の大学に点在することで、有力選手も点在する傾向が男子より強いのではないでしょうか。
5人制の決勝は代表戦決着でした。
先鋒から大将まで、全試合引き分けに終わった本戦。
女子の代表戦は抽選で選ばれることになっており、結果は大将戦となりました。
龍谷大学は63kg級の檀野選手、東海大学は78kg超級の児玉選手。体格差を活かして圧力をかけ続けた児玉選手が、累積指導による反則勝ちで制して優勝しました。
体格的に小柄な選手の多い、龍谷大学の健闘が光った一戦でした。
男子結果
優 勝:東海大学(東京)
準優勝:国士舘大学(東京)
第三位:天理大学(関西)
日本体育大学(東京)
優秀校:日本大学(東京)
東洋大学(東京)
筑波大学(関東)
中央大学(東京)
※東海大学は、6大会連続26回目の優勝・
男子総括
ベスト8までの内訳は、下記のとおりです。
●東京:6校(東海・国士舘・日本体育・日本・東洋・中央)
●関東:1校(筑波)
●関西:1校(天理)
ベスト16まで対象を広げても、下記のとおりです(追加分)。
●東京:6校(専修・慶應義塾・明治・早稲田・國學院・順天堂)
●関西:1校(近畿)
●関東:1校(桐蔭横浜)
合計は東京12校、関東2校、関西2校で、文字どおり「東高西低」の傾向が現れています。有力選手が東京・関東の大学を選びやすい傾向があるとはいえ、少し寂しい結果ですね。
最終決着は代表戦
決勝カードは、下記のとおりとなりました。
東海大学(東京)-国士舘大学(東京)
東海大学は6大会連続26度目、国士舘大学は15年ぶり7度目の優勝がかかります。
7人制で行われる本戦は、劇的な展開でした。
試合は先鋒から動き、東海大学の先鋒・天野選手(1年)が帯取り返しで「技あり」を奪って先制するも、国士舘大学は大将の高橋翼選手が残り5秒で出した小外掛で「技あり」を取り返し、1-1の同内容で終了。
決着は、代表戦に委ねられました。
男子は体重無差別なので、任意に選ばれた選手が対戦します。
代表戦で出てきた選手は、東海大学が主将の村尾三四郎選手(本戦では中堅)、国士舘大学は先日の全日本選手権で優勝した斉藤立選手(同じく次鋒)です。
村尾三四郎選手は180cm・90kg(登録体重)、斉藤立選手は191cm・170kg。身長差が11cm、体重では約80kg差があります。
身長もさることながら、体重は倍近い差ですね。
本戦は村尾選手に指導1が与えられたものの、なんとか斎藤選手の圧力をしのぎます。
技によるポイントはなかったので、延長に突入。
延長もジリジリした展開が続き、最終的にはお互いに指導2で並びます。
最後は引き手を切れなくなった斎藤選手が大外刈りを透かされ、前のめりに潰れたところを村尾選手が絞めながら縦四方固で抑え込み、一本勝ちで優勝を決めました。
村尾選手はうまく斎藤選手の力を分散させ、うまくいなして相手の体力を奪って勝ちました。さすが、試合運びが上手い選手ですね。
斎藤選手は怪我で2週間前から稽古を再開したばかりと、ほぼぶっつけ本番状態だったことを差し引いても少し動きが悪かったかなと思います。
前評判としても斎藤選手のいる国士舘大学が優勝候補筆頭だったこともありましたが、東海大学が見事に覆しました。
最後に
近年上位進出の常連だった山梨学院大学の1回戦敗退、3回戦では明治大学が中央大学に敗戦するなど波乱もあったものの、全体的には順当な勝ち上がりだったと思います。
特に中央大学にとっては4年ぶりのベスト8で、近年は低迷傾向にあった同校にとっては復活の足がかりにしてもらいたいですね。
出場された学校の皆さんは、お疲れさまでした。
秋には学生体重別選手権(個人のインカレ)、学生体重別団体優勝大会が行われるので、出場される学校すべてが普段の実力を発揮できることを祈っています。