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163)2人で出した結論だからね。お互いに受け入れてリスタートです!

リスタート

「本当にいいの?」


私が聞いたことに対する、彼の答えは…


「もちろん、いいよ。
さっきからそう言ってるでしょ?
レイナは、何も心配しなくてもいいんだよ。
例えば、他の彼と、何かトラブルがあって、困ったことがあったら、僕に相談すればいいし、僕を頼ればいい。

他の彼とのデートで満足できなかったら、帰りに、僕の家に寄ればいい。
僕が、最終的にレイナを満たしてあげるから。

それで、レイナが僕の価値を見出してくれるなら、それで僕は充分幸せだと思うからね。」


え…浩司くん…あなたは、神ですか?!
本当に私を試してないんですか?
これは、試練なのでしょうか…?

でも、もともと、浩司くんとは、別れを覚悟して今日の話し合いに来ているし…
この浩司くんからの提案に、乗っかって、もし、「あーやっぱりレイナはそうなんだね…。やっぱり僕とは付き合えないよ」と、別れを選択されるなら、それも仕方ないかもしれない。

だったら、もう、提案に乗っかって、他の2人との関係も継続させる…の方向に進んだ方がいいのかも。
そう思って、私が選んだ答えは…


「じゃあ、試してみようか…?
もし、私が複数の人と付き合ってて、浩司くんが、やっぱり無理だと思ったら、すぐに言ってくれる?
お互いに、我慢しながら付き合うのは、全然幸せじゃないから…。

私は、今まで通りでいいってことなんだよね?
特に何も変わらないってことなんだよね?
浩司くんが、本当にそれでいいというなら…私、甘えちゃってもいいのかな…
私に気を遣ってない?本当に大丈夫?」


思い切って、彼の提案を受け入れる答えを彼に伝えた。
彼は、嬉しそうに微笑んで、私の手を握った。


「うん、試しにやってみよう。
それで、僕が、どうしても無理だ!と感じたら、ちゃんとそれをレイナに伝えるよ。
レイナは、その時に、どうするか考えればいいし、僕は、自分が許容力がない男だと、自分の未熟さを、実感するだろうし…。
今は、男として、格好つけさせて欲しい。

レイナは、僕といるときは、僕が1番好きなんだよね。
もともとは旦那がいる人なんだもん。
こういう状況だって、何も変わらないよね。」


そう言って、彼は、「僕の家に行こう」と、伝票を手にして、立ち上がった。


カフェを出た私たちは、手を繋いで、浩司くんの部屋に戻った。
部屋に入ると、すぐに浩司は、私を抱きしめる。
一度は、別れを覚悟した2人だったけど、お互いの気持ちを再確認し、初めて出会った時のような、そんな感覚になっていたのかもしれない…。


強く抱きしめられ、私も、胸が熱くなる。
私の顔を見つめる浩司の目は、とても優しくて…
さっきまで、私の複数恋愛のことを咎めていたとは、思えないほど、穏やかな表情をしていた。

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