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155)浮気相手の話を淡々と説明する時間は地獄の時間だよね?

本命彼氏のこと

正孝さんの話を終えた私に、浩司さんは、ゆっくりと話し出した。


「トレーニングしながら、レイナが、正孝氏のことを、意識しているのは分かってた。何かあるんだろうな…って思ってた。でも、レイナの気持ちも今、聞いて良く分かったし…レイナのタイプじゃない気もするし…。じゃあ、今はほとんど会ってないんだよね?ちゃんと別れられる?」

「あの人とは、そもそもそんなに会ってなかったし、今、仕事も忙しくなってきてて、前みたいに平日お休みできなくなって、全然会う時間取れないし、本当に、私、彼に対して恋愛感情とか、そんな感じじゃないのよ。
今思えば、すごく失礼な話なんだけど…。

もしかしたら、彼の方は、私の事、純粋に恋愛対象として見てるかもしれない。
付き合って、と言われたし。
でも、私はホテルに行くだけの関係はイヤなの。

そりゃあ、旅行に連れて行ってくれたし、買い物に行ったこともあったけど、毎回、毎回、会う度にホテルデートしてると、それだけが目的?みたいに思えてきて…。

それって、セフレじゃん!って思ってて…それからは、誘われても、都合が悪いと言って断る時もあったの。

だから、正孝さんを切り離しても、私は大丈夫。
申し訳ないけど、浩司さんと比較しちゃうと、精神的な繋がりは、ほとんどないから。」


一気に話した。
その間、浩司さんはじっと私の目を見ていた。
私は、時折、うつむきながら…目を逸らしながら…
でも、自分で話をしながら、本当に正孝さん、もう付き合うメリットないなーって思ってしまって…。


自分の中で、気持ちがスーッと冷めて行くのを感じたの。


それまでも、一緒に食事に行って、クーポンを利用して、それが受け入れられないと、クレームを言ったり、奥さんの悪口ばっかり言ったり…何だろう…すっごく余裕がない人のように目に映ることが多かったのは確か。


そして、私は、そんな彼のそばにいるのが恥ずかしく、トイレに避難したり、距離を置いたりしていたのも確か。


彼とは、体の相性は良かったから、本当にセフレで良かったんだね。
うん、セフレに位置付けていたのは、私の方だったのかもしれない…。


ここで、正孝氏の話は終わり。


浩司さんいわく、正孝氏とはレイナの中で、もう過去の話になっているし、「本命彼」ではないので、あまり気にしていない…とか。

それより、気になるのは、レイナの気持ちを持っていかれてる「本命彼」達…。

そっか…。
ここからが、本題なんだね…。


やっとここで、出された紅茶を一口飲む。
暖かい紅茶が、体の中に浸透するのが分かる…。
緊張で、喉はカラカラだった…

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