米国出産準備:病院開催の両親学級に参加

分娩予定の病院で開催された両親学級に参加してきました!

日本では自治体・保健所中心に様々な両親学級が開催されていると思いますが、米国だと病院主催が多いようで、妊婦検診の初診の際に「Prenatal classes」「Maternity Unit tours」のパンフレットを渡されました。

出産前クラス・産科見学ツアーの案内

両親学級の内容は「Childbirth Preparataion」(出産の流れ)、「Breastfeeding」(母乳)、「Baby Basics」(赤ちゃんのお世話方法)など様々ですが、「Car Seat Safety」(チャイルドシートの安全性)に関するクラスなどもあって、車社会の米国ならではだな~と感じます。

今回は、土曜9時~4時と終日開催の「Childbirth Preparataion」と、平日夕方5時半~8時の「Breastfeeding」に参加してきました。

Childbirth Preparation class(出産の流れ+産科見学ツアー)

我々を含め、4組の初産カップルが参加。33週頃と同じ週数の人もいれば、もう臨月で出産間近の人もいた!(人気のクラスはどんどん埋まるらしい)講師は比較的若めのRegistered Nurse(RN)の超エネルギッシュな女性で、9時から4時まで元気に喋り倒していた笑。

総計100ページ以上のずっしりしたテキストを渡され、すさまじい情報量だったが、内容はざっと下記のような感じ。

  • パートナーの妊婦体験(スイカを括りつけられていた笑)

  • お産の始まり方・進み方の段階

  • お産の種類:普通分娩、無痛分娩、帝王切開、鉗子分娩など

  • 陣痛の始まり方・間隔のカウントなど

  • 病院に連絡するタイミング

  • 夫や家族などのサポートパーソンがやるべきこと・できること

  • 陣痛の逃し方、マッサージやリラクセーション

  • 陣痛中に赤ちゃんが下りてきやすくする姿勢やヨガボールの使い方(!)

  • 陣痛促進剤や麻酔、会陰切開などの医療的介入

  • バースプランの紹介

  • Skin to skin contactや初乳のメリット

  • 出産後の赤ちゃんの様子

  • 産科見学ツアー:実際の入院ユニットを見学

内容は日米で大きな違いはないかもしれないが、妊婦本人の意思決定や出産に対する思いを尊重するというスタンスが随所に感じられたのが、好印象だった。例えば、陣痛促進剤の使用や帝王切開について「基本的には妊婦本人に決定権がある。バースプランに含めて先に主張することもできれば、使用を勧められた時も納得しなければadvocateしてほしい。ただ、例えば胎児の心拍が弱い場合など緊急・即時で判断せざるを得ないこともあり、その時も後から”なぜあのような処置をしたのか”と聞いて納得する権利があり、出産がトラウマや心残りのある出来事にならないようにしてほしい」とのこと。

加えて、夫と一緒に実際の入院ユニットを見学できたことがとてもよかった。通常のお産はLDR室で行われ、夫も同じ部屋のソファベッドで24時間付き添い可能と言われ、異国の出産で心細い思いをする必要がないことに、ものすごく安心した。ただ、普通分娩の場合出生後48時間で退院というのは、改めて衝撃。かつ、赤ちゃんを預かるステーションはなく基本母子同室。そして、米国あるあるで入院ユニットの冷房が死ぬほど寒いこともわかり、入院バッグに暖かい服の準備が必須だと悟った笑。

面白かったのが、休憩後に突然ヨガマットとヨガボールが用意されて「パートナーも一緒に、赤ちゃんが下りてくるような姿勢の替え方やヨガボールの使い方を、実践してみよう!」という時間があり、病院のWaiting roomでの講義だったのだけど、途中からジムみたいになっていた笑。

クラスの参加費はカップルごとに$50だったのですが、情報量を考えるとその価値は十分あったと思います!

ずっしり重いテキスト

Breastfeeding class(母乳に関するクラス)

こちらは平日夕方5時半~8時のクラス。夫は参加が難しく1人で参加したのですが、平日にも関わらず他は全員カップルで13名が参加。講師はこの道約20年とのベテランのLactation consultantの女性で、内容は下記の通り。

  • 母乳育児のメリット、特に初乳のメリット、Skin to Skin contactの重要性

  • 抱き方や咥えさせ方、うまく吸っている時の喉の動きや音、乳首を傷めにくい授乳方法や痛いときの対処

  • 赤ちゃんの空腹のサインや胃のサイズ・体重や排せつの説明

  • 母乳マッサージの方法や乳腺炎の説明、相談先

  • 搾乳の方法と保管方法、搾乳機の説明

  • 夫や家族などのサポートパーソンができること

米国らしいなと感じたのが、搾乳や搾乳機に関する説明。育休制度が整っておらず出産後早くに職場復帰することが多い事情もあり、職場で搾乳することが日本よりもより一般的。「職場で搾乳のための休憩時間や場所を確保する権利がある」と、法令上の権利に関する説明もあり、日本では搾乳の権利や議論は全然進んでおらず、お手洗いなどで搾乳せざるを得ないパターンも多いと聞くので、学ぶべき点だなと感じました。

乳首を傷めやすいような体勢や咥えさせ方については、講師の先生が赤ちゃん人形を使ってすごいバリエーションの姿勢を見せてくれて、ベテランの経験値を感じました笑。ただ、実際にやってみると、出産方法や赤ちゃんの性格、母乳の出など、色々な要因で悩んだりうまくいかないことがあると思うので、Lactation consultantや地域のリソースに遠慮せず頼ってね、というのがキーメッセージ。こちらのクラスはカップルごとに$25だったかな…。

両親学級はカップルでの参加

2つの両親学級に行ってみて、全員カップルでの参加だったことが印象的でした。特に母乳育児のクラスは、色々な女性の胸や授乳シーンがガッツリうつったビデオを沢山見て、気まずい男性もいるんじゃ…などと思ったのですが、両親学級はカップル共に参加するのが当然、という雰囲気が講師・参加者ともに共有されているのはとてもよいなと感じました。

今後他のクラスも参加して、気づきを記録していこうと思います!

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