全体最適①
こう見えて僕の趣味はストリートダンスである。
本来それを抜きにすると何も残らないくらい、子供の頃からダンスに打ち込んできた。
大事なことの多くはダンスから学んだ。
のめり込み過ぎて危うく大学では留年しかけた。
ダンスが人生の中心で、僕のアイデンティティだった。
きっとそういうダンス狂いは多いだろう。今も昔も。
社会人になって飲食店の社員になったら、全然踊る時間がとれなくなった。
そしたら今まで苦手だったことやそもそも自分の社会的レベルの低さとモロに向き合わなければならなくなった。
毎日毎日打ちのめされた。何の為に生きてるのか分からなくなった。
別にダンスが人と比べて上手いとか、大きな結果を残せていた訳では決してないけれど
やっぱり生きがいであり、全てであった。
ダンスが出来なくて日々下手になっていく感覚は何よりも苦しかった。
当時はたかだか学生の延長に過ぎない、社会人のフリすら出来てない上に、人よりも一層へなちょこだった僕にとってあの日々はオーバーキルもいいところだったけど、有り難い周囲の助けもあってなんとかここ数年では人生と良い試合が出来ていると思ってる。ひとまず。
そこで比較してふと気づいたのが、ダンスはいまだに大事だけれど
当然今は中心にはなく、いま中心にあるのはもっと抽象的な"自己"だということ。
当時の社会的な経験不足は一旦置いておいて、アイデンティティだったダンスを失ったとたんに
心の支柱が崩れたことは間違いない。
これと同じで、「唯一これ!」っていう自分のアイデンティティというのは
調子がいいときは構わないけど、何かの拍子に失っちゃうと大変だ。
当時の新卒甘ちゃん小童22歳の僕に起きたマインドクラッシュの大部分はこれだったんだと思う。
②に続けます。
ひとまず
今回も駄文、最後までご覧頂き誠にありがとうございました。