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28年前のフィルム(多分)

実家の冷蔵庫を漁っていたら古いフィルムが出てきた。
98年期限切れのネオパンSSである。しかも7本。
いつだったかメルカリで買ったフィルムである。

期限が98年ということは製造は96年あたりであろう。28年間もいろんな所をたらい回しにされた挙句に我が家の冷蔵庫にたどり着いたわけだ。
なんだかかわいそうになってきたのでテキトーに使ってテキトーに現像してみることにした。

まずは撮影。
カメラはその辺に転がっていたフジのDL-200Ⅱを使った。
F2.8のレンズは結構シャープだしAFも正確。先代のDL-200でネックであった電池交換も格段にしやすくなった名機である。
雲が出ていた上にISO100だったので露出不足が多少心配であったが、カメラの自動フラッシュの助けもあって杞憂に終わった。

次に現像。
実家で1年ちょっと放置してあったスーパープロドールを使った。
放置期間こそ長いもののフィルムは2-3本しか処理していないので実質新品だ。
現像時間は26度で3分15秒にした。EI200用の値だが、これだけ期限が切れていれば+1増感くらいやった方が安心である。

結果は思ったより悪くなかった。フィルム自体の劣化は目立ったが、その割には結構シャープな仕上がりになったと思う。

これなんかいい感じだ。多少粒子感は目立つが、24年前に期限が切れているとは思えない写りである。
これもいい感じ。もうちょっとざらつくかと思っていた。
この黒いカビみたいなのがほぼすべての写真に写りこんでいるのは気になる。現像の過程でフィルムが傷ついた結果なのか、はたまた元からカビが生えていたのか。
フラッシュが焚かれた一枚。悪くない映りだが少しオーバー気味になってしまった。
個人的に一番のお気に入りはこれかもしれない。

なんというか意外な結果に終わった。恐ろしく古いわりにしっかり写るフィルムである。
使い物にならんかと思っていたが、良くも悪くも普通に使えそうである。なんかつまんねーのという終わり方である。
いくらフィルム高騰の今日とは言えど、期限切れのモノクロフィルムなんてのは一山幾らの世界なので、気になる向きは試してみてもいいかもしれない。ただし期限切れなので何が起こるか分からないし、メーカーによって結果は大きく左右される。また現像店に迷惑をかける可能性もあるので、現像は自ら行うのが好ましいだろう。


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