オーダー品のシステム手帳と雑誌掲載
最初は糸の染色から
バイブルサイズのシステム手帳を御注文頂きました。
イタリアンレザー・アリゾナのブラック×ターコイズの組み合わせに一部ナチュラルを合わせて3色の構成です。
ステッチはターコイズを御希望でしたので生成りのリネンを自分で染めて作りました。
手縫い専用のリネンは色数が少ないので白と黒以外は自分で染めています。
微妙な色合いを表現するため通常は染料を2色若しくは3色混ぜて使っています。
作業風景
ステッチの染色が終わったら革の切り出し、漉き加工から各パーツの制作に着手します。
本体を閉じるベルト、ループ、リングガードから作り始めますが、これらのパーツには革を積層して削り出した芯材を仕込み立体的に仕立てています。
これまで何度も厚みや形状を変更し試行錯誤を重ねて辿り着いたフォルムです。
その後はペンホルダーやポケットの加工を行いますが、これらのパーツも全て芯材を仕込み表裏に革を貼り合わせています。
床面(革の裏面)は一切露出しないため手間の掛かる贅沢な作りです。
各パーツが完成したら貼り合わせて縫製します。
手縫いで一針ずつ慎重にリズム良く縫い進めます。
縫い終わったらコバ(革の断面)に染料を入れ繰り返し磨き、フノリ等で仕上げます。
今回の3色の組み合わせは初めてのパターンでしたが、とてもバランスの良い配色で御客様のセンスに脱帽しました。
オーダーメイドの醍醐味とも言えますね。
内部の仕様
以下で御紹介するのは内装の標準的な仕様です。
各ポケットの数やサイズ等はオーダーして頂ければ別料金にて変更可能です。
開いて左側にカードサイズと中段サイズ、フルサイズの三つのポケットを備えています。
続いて右側にはオープンポケット、中段サイズポケットとペンホルダー、しおりを備えています。
バインダー金具はドイツのクラウゼ社製です。
装着時の加工がやや難しいのですが、一度装着すると外れる事が無い堅牢性を気に入って使っています。
リングガードは内装で一番目を引く部分ですが、抑揚を持たせた曲線で構成しています。
ベルトのボリュームが分かる画像です。
革の芯材を仕込む事で立体的になり、かつ長年の使用でも変形を防ぐ事が出来ます。
アリゾナのシボと微かな艶感が現れた画像です。
使い込んで頂くにつれて徐々に艶が増してきます。
現在バイブルサイズのシステム手帳はアリゾナのブラック×ワインとブルガロのスリムサイズを在庫しています。
比較画像を御覧下さい。
上記の2冊はBASE及びCreemaにて販売中ですので詳細はページ下部のリンクを御覧下さい。
この度は御注文頂き有難う御座いました。
システム手帳STYLE誌への掲載
既に各SNSでは御報告しておりますが、9月30日発売のシステム手帳STYLE VOL.9にて当方のシステム手帳を3冊取り上げて頂きました。
該当ページを公開する事は出来ませんので是非お手に取って御覧下さい。
システム手帳を作るようになって12年ほどになりますが、いつかこの雑誌に取り上げて貰えるような手帳を作ろうと目標にしておりました。
一月ほど前に編集部の方から掲載の打診を頂いた際にはちょっと事態を呑み込めず浮足立つ自分をなんとか静めておりましたが、実際に発行され自分の手帳が掲載されている頁を目にすると様々な感情が胸に去来しました。
一つの目標を達成した充実感を少しだけ味わい、今後も革細工に真摯に取り組んで行く事を誓った次第です。
そして何よりもずっと支え続けてくれている妻への感謝の気持ちを忘れずに次の目標へ向かって邁進致します。
お知らせ
下記ECサイトでは革製品を販売中です。
オーダーメイドや革製品の修理の御相談はreileater@gmail.comまでお願い致します。
https://reileather.thebase.in/
過去の制作物は旧ブログを御覧下さい。
ツイッター、インスタのアカウントは@reileatherです。
最後までご覧頂き有難う御座いました。
ReiLeather 山田智之