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呼吸をする家

2023年8月10日 instagram投稿内容掲載

自主保育風の子とは5年ほどの付き合いになる。
独立したての頃、楽ちん堂でとーしさんと出会い、ノリと勢いで河原に見学へ行ったのを今でも覚えている。

自主保育興味ありますー
えーきてきてー

初っ端に戦いごっこと称した暴れん坊たちの洗礼を受けヘトヘトになりながらも、母たちから話を聴いて、子どもたちの元気な姿や自然に触れる教育に感銘をうけて定期的に関わらせてもらっている。

古民家で2泊3日の合宿させてもらうことは可能ですか?

3ヶ月前に母から電話をもらって実現することになった夏の合宿はあっという間に当日がやってくる。

いまの古民家は一般的なテレビや娯楽アメニティが何もないものだから、迎え入れるために掃除した部屋をキョロキョロ見回しては正直落ち着かなかった。

「人数は大体20名くらいで、何もなくても大丈夫! 寝袋があれば眠れるし、子ども達は自然があれば工夫して遊ぶ。私たちも美味しいご飯や飲み物があればOK!」

風の子は日本一ゆるいマイペースな自主保育と誰かが話していた。たしかにそんな気がしてる。そして逞しい。

ね〜! 鬼ごっこしようよ! 氷鬼でもいいよ!

アイス、アイスが食べたい! 1人一個なの? 余ってないの? 冷蔵庫開けちゃおっかな〜

これ見て〜カマキリ、服に付くんだよ〜 

私さ〜悩んでるわけよ。私より小さい子にこのお菓子をあげるかどうか

古民家に到着するなり、見慣れない広々とした和室を前に興奮した様子で隅から隅まで駆けずり回る。落ち着いたかと思えば、みんなが言いたいことを一斉に話し出す。

ドタバタと階段で2階と3階に上がり、これまた広々としたフローリングの部屋で鬼ごっこや戦いごっこを始める。おかげで1階の天井から掃除しきれなかった埃がパラパラと落ちてきた。厄祓い?なんて呑気に考えた。

昼間は川で遊び、夜は庭で花火をして夏の風物詩を満喫する。ご近所から野菜や果物をもらって大はしゃぎして、みんなで作ったカレーを持ってお礼の挨拶回り。

こんにちはー! 
すももめっちゃ美味かった
ありがとございましたー バイバーイ!

過疎化地域に小さい子どもたちの笑い声が響いている。住人のみんなが笑ってる。当初のことは杞憂に過ぎなかったようだ。

子供たちが寝静まったあとは大人の語らいの時間がやってくる。風の子の母たちとは保育中でしか話したことがなかったから新鮮だった。

専業主婦って立派な役割なのにさ、いざ社会に復帰しようものなら変な目で見られてしまうのが悔しい。早く起きてご飯つくって、子育てして、忍耐や粘り強さがあってさ、実は素晴らしいと思わない?

アンガーマネジメントってあるじゃない? やってみたの。ちゃんと6秒待ったのよ。コントロール! 怒らないように冷静になれ〜って。そしたら余計にイライラしちゃうの!笑 家族って難しいよね〜

自主保育は一度で良いから母子ともに経験してほしい。大人が考えたプログラムだけを進むんじゃなくて子ども自身が自分で考えて身体や心で感じてさ、いいことも、失敗もなんでも、経験が大切。そして風の子の卒会は体験させてあげたい。一生の宝物になると思うの

普段考えてること、子どもへの想い、知らない世界を知る時間はワクワクする。風の子がまた好きになる。

帰った後の古民家はとにかく静かで広々としていた。微かに残る子どもたちの食べカスや忘れ物。
掃除をして部屋を整えて、畳の上で仰向けに横になり小休止(という名の爆睡)
んーちょっぴり寂しい。孫が帰った祖父母はこんな気持ちになるのかな?とLINEで母たちに送ってみた。

でも不思議と古民家はいつも違って、息をしてるというか、ずっと眠っていた家が目覚めて、生活を再開した感じ。何度やっても取れなかった淀んだ空気が清々しくなったと思っている。

リトリート古民家 四季 プレオープン

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