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開催レポート15「タイで生きる僕の話」

こんにちは。れいこう麗澤会では1月16日〜20日にかけ、オンラインキャリアトークという無料のキャリアイベントを実施しています。今回は1月17日(日)に実施した「タイで生きる僕の話」の開催レポートをお送りします。なおこのレポートは大学生サポーターの<オダアキコ>さんが執筆してくれました!

講師紹介 

高橋 慶土さん
 麗澤高校を卒業し、日本の大学を中退後、タイ王国 School of Global Studies, Thammasat University に入学。
 インターナショナルコースにて世界各国の教授、クラスメイトと共に Social Entrepreneurship の学習に励み、数々の社会問題や社会起業、ソーシャルイノベーションに関するレポートの執筆やプロジェクトを実行。
 (タイ政府と少数民族のLand Conflict関する調査・分析レポート、都市開発(公園)に関する調査・分析レポート、タイ・ナーン県にてCommunity Development プロジェクト、バンコク都市難民に関する Human-Centered Design プロジェクトなど)
 学業に加え、多数の組織でインターンを経験。現在はUSベースのAsylum Access Thailand にて Volunteer Policy Advocate としてタイ王国の難民に関する政策改革を目指し活動中。

稲 拓哉さん(ゲスト)
 2019年3月に成蹊大学を卒業。卒業後、ドイツの大学に再び入学。現在は、そこを退学し、異なる大学にてデータサイエンスを専攻。また、昨年からサッカーキングのライターのアルバイトをしている。

話の内容

※後半から、稲さんにもお越しいただきましたが、
 今回はいねさんの内容については詳しく記載しておりません。

①なぜタイにいるのか

[大学1]

 麗澤中学・高校を卒業。在学時は、それほど勉強を頑張っていたわけではなかった。入学後、10日程で退学し、勉強をやり直すことにした。その後、別の大学に3年間通った。在学時は、バックパックしたり、ヒッチハイクをしたりした。

[経験からの繋がり]

(1)バックパックやヒッチハイク
 ⇒ランダムに様々な方々に会うことが出来る。
(2)お金
 “自分にお金があれば、寄付できたり、アフリカの子どもたちにスポンサーできたりするのではないか?“
 ⇒高い給料の会社でインターンしたり、調べたりした。
 しかし、”寄付するほど稼げるの?” ”自分のやりたいことができる?”
 と不安になる。

[大学2]

(1)通う大学の決定
 通っていた大学は休学。そして、タイに1年間留学。タイは、バックパックで行ったことが有り、大学のレベルも高いし、でも格差もある。
 ⇒自分のやりたいことに合っていそう!
(2)現地大学入学から現在の大学との出会い
 私費留学だと手続きが大変で、返信が来なかったので、しびれを切らした。現地に行って交渉をして、インターナショナルの大学に入った。しかし、力が足らなかった。ついていけない。英語力が足らないだけではない。同じ土俵にすら立てなかった。
 ⇒どうしようと考えていた時、今の大学を見つけた。
 ビジネスを通して問題を解決する大学で、自分が知らない世界であり、さらに形にしていた大学だった。自分のやりたいことだった!

(3)現在

 大学で学びながら、人権や難民に興味があり、その関連でも仕事をしている。

②難民に興味を持った理由

  (1)授業でアドボカシーを受けたことがきっかけ。
  (2)その先生の授業が好きだった。
  (3)授業で知っていくうちにさらに好きになった。
  (4)インターンに行くようになった。

③タイにおける難民の現状

(1)キャンプ難民の支援:食料や医療などの支援
 注目があり、分野の中では割と恵まれている。
(2)[自分の所属]都市難民の支援
 バンコクに居る都市難民は、普通に生活していると他の人と見分けがつかない。タイは難民関連の国際法規に加盟していないため、違法移民として取り締まることが出来てしまう。
⇒仕事ができたとしても、雇用者は凄く搾取できてしまう。
 さらに、警察関連のことになると、不安になる。
子供を守る権利に関することは加盟している。
 ⇒難民だとしても、子供であれば守られる。
 そのため、インターナショナルスクールに行っていたりする場合もある。

<難民のイメージ>

 怖い、犯罪が増えるとか、マイナスなイメージがあるのではないか?
⇒都市難民の中には弁護士だったり、医師だったり、知識人が多い。
 自国の宗教的であったり政治的であったりする理由で、自国で受け入れられなくなり、渡ってくる人が多い。だから、能力の差があるとは限らないし、罪を犯すとは限らない!

[所属する団体Asylum Accessのチーム]

(1)難民認定を手続きするためのチーム
(2)コミュニティサポートチーム
(3)政府と働くアドボカシー

[なぜ難民認定を受けたいのか]

 認定されると、3国への亡命を認められるため。

[難民認定の厳しさ]

 認定はかなり難しい。
 かなりの段階の面接と書類が必要になる。

④日本の難民の現状

 日本にいる難民も、いわゆる「都市難民」。観光目的でやってくる。その間に難民であることを認めてもらう手続きをしてもらう。しかし日本は受け入れ体制が十分ではなく、申請をしても認定してもらえるのは本当にわずか。タイの場合同様、知識人の方も多く、まずは偏見や固定観念を変えていかなければならない。

こんな質問が出ました

Q:日本とタイの違うところ
A:国内ではないところにしたいと考え、場所を変えた時に悩み、さらに場所を変え…とどこかで見つけることが出来、果敢に飛び込める人は一部の人だと思う。
 自分は、根本的なことが自分にないと、チャレンジしたり環境を変えたりすることも出来ないと思う。

Q:ロールモデル不在はよく聞く。
A:自分の場合、ロールモデルを最初求めていたが、いなかった。
 タイに留学する人もいなく、日本人がいない場所に行った人がいたとしても接点がなく会うことも出来なかった。
 Youtuberとかに、今どきいるのではないか?

Q:悩んだときとか、同じ立場の人がいたほうが良いのでは?
A:似たような友達はいたほうが良いと思う。

Q:(稲さん)データサイエンスとは何を学んでいるのか。
A:データサイエンスでは、数学・統計学・コンピューターサイエンスを学ぶ。大学では、ドイツ語で学んでいる。
 きっかけは、ドイツで1つ目の大学で経済学をドイツ語で学ぶことは難しいと感じた。しかし、数学系であれば理解できると考え、データサイエンスを出来る大学に入学した。また、コロナウイルス拡大によりオンラインが主体となってしまい、オンラインでも勉強のできるIT系の勉強をしている。

Q:ドイツになぜ行ったのか。
A:きっかけは、サッカーが好きだったことと、成蹊大学在学時に協定大学との交換留学でドイツに訪れたこと。

Q:日本の高校生、大学生に何かやっておいたほうがい事を教えてほしい。もし高校生に戻ったらどうしたいか。
A:好きなことをやればいいと思う。また、このようなキャリアトークに参加することはとてもいいと思う。
 言語はやっておいたほうが良いと思う。でも、自分が高校生に戻ってまでやりたいとは思わない。
 しなかったから、気付けることもあるのではないかと思う。

感想・まとめ

 自分の難民の知識の少なさを感じた講演でした。タイでの難民認定の難しさや、難民が置かれている状況。そして日本での難民の置かれている状況など、知らないことばかりでした。自分が生まれ育った国で行われていることが知らない、ということは悲しいことだと、私は思います。それは、自分に関係あるとか関係ないとかではなくてです。今回の講演を期に、自分の時間を見つけて、難民について知っていこうと思いました。
 また、最後にお話されていた、”何がきっかけ”よりも”その好きなことをどれだけ知っているのか”ということのほうが大切なのではないか、ということが心に響きました。好きなことや好きな気持ちを、どれだけ自分の言葉で表現出来るのか、の方が、好きになった理由よりも大切なのだなと思いました。
 素晴らしいお話を、ありがとうございました!また、時差がある中時間を調節してくださった、高橋さん・稲さん、ありがとうございました!

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