「風立ちぬ」
「風立ちぬ」というタイトルを聞いて、パッと思い浮かべるはどんなものでしょうか。
堀辰雄さんの小説でしょうか、それとも松田聖子さんの曲でしょうか。若い方の多くは、宮崎駿さんのアニメを思い浮かべるのかもしれませんね。
僕の場合は、聖子ちゃんの「風立ちぬ」という曲です。
松田聖子さんの新曲発表で「風立ちぬ」を聞いたとき、歌詞やメロディーよりも僕が心奪われたのが、「風立ちぬ」というタイトルでした。
「風立ちぬ」という言葉を初めて聞て、その語感の不思議な美しさに、僕は心奪われたのでした。
そして、日本語にはこんなに美しい言葉があるんだということを、「風立ちぬ」という言葉から初めて教えられたように思います。
もし、「風立ちぬ」というタイトルが、「風がふく」あるいは「風がふいた」というタイトルだったとしたら、当然ここまで惹き付けられることはなかったと思います。
今から思い返すと、「風立ちぬ」という語感の不思議な美しさをよりいっそうひきたたせていたのが、やはり、たちぬという小学生には聞き慣れない言葉使いにあったように思います。
風立ちぬ今は秋、今日から私は心の旅人
サビから始まる聖子ちゃんの「風立ちぬ」は、作詞が松本隆さん、作曲が大滝詠一さんの最強タッグの楽曲。
優しく美しいメロディーとどこか幻想的な歌詞。
「風立ちぬ」という言葉の意味が分からなくとも、すーっと詞の世界に入っていけるのは、言葉の魔術師、松本隆さんの成せる技なのかもしれませんね。
「風立ちぬ」
大人から見ると何でも無い言葉に思いますが、子どもの頃の自分にとっては、強烈な印象だったのでしょうね。
みずみずしい感性を持っていたであろう子どもの頃に、あー、もう一度戻れるものなら戻ってみたい~。
涙顔見せたくなくて、すみれ・ひまわり・フリージヤ
って歌詞もなかなにインパクトのある表現ですよね。当時「???」マークが頭の中を飛び交っていました。
作詞家松本隆さんの真骨頂!?かな