質量のある一滴。

2022年10月7日 13:52

「これをやってほしい」と言われた時
「えーやだよ」「めんどうだな」と思うなら

その「いやだ」と「めんどう」を
その人がそもそも引き受けてくれている

と、いうことをわかっている人は
どのくらいいるのかなと、ふと思ったことがあった。

手伝ってほしい、というのは、助けてほしいというサインだ。

それを受け入れてもらえなければ
その人は助けられず、苦しい中にいることが変わらない。

程度の差こそあるものの
辛すぎるなら助ける
そうでもないなら放置

そういう場面は結構至るところで起きているように感じる。

コミュニケーションミスとも言えるのかもしれない
けれど、こういうことにストレスを感じるならば
それは少なからず傷ついているということだと思う。

大きくなくとも
小さい傷がたくさん積み重なってる人は
世の中になかなかいると感じている。

平気なふりをしながら大丈夫を装わないと
やっていけないことが世の中に溢れている。

傷ついた人を癒やすお仕事をしながら
「傷つかないでいられるならもっといいのに」といつも思う。

セラピストという肩書がなくとも
いてくれるだけで安心できる優しい人はたくさんいる。

その優しさが上手に発揮される人が
もっと増えたら良いのにと思う。

セラピストという肩書を持っているのには
そこに携わるにあたって学んできたことがあるだけで
学んでない人よりはできることがいくらかある、というだけ。

傷にふれることが
そこに気づいてない人よりは、いくらか多い、というだけ。

本当なら

セラピストなんてお仕事はいらないのがシンプルな世の中だよな

と思う。

なかなかそうもいかないのが
地球ライフなのだともわかっている。

起きる出来事はアトラクション

楽しんでいこう

そういったフレーズは増えてきた

わかるけれど
ポジティブばかりを見て
辛いことから目を背けてばかりでは
追いかけてくるものがあるとは
周りをみても自分を振り返っても
やっぱり本当なのだと年々感じる。

辛いことと向き合えたときに
見えてくる景色がポジティブなものだったりする。
こういうことも日々強く感じるようになってきた。

辛いことと向き合うなんて、辛い。
誰だって嫌だ。

目を背けてばかりで同じことを繰り返す
これが好きな人はそれでいいと思うけれど、

もうこういうのは終わりにしたい、
という方のためにセラピストがいるのだと最近は思う。

「そんなこと気にしてもしょうがない」
「気にしなくていいよ」

そんな風に言われるのが、私は嫌だった。
いや、辛かった。

だって、気になっちゃうんだもん。

それを気にするなと言われる度に
それが気になってしまう自分は
ダメなんだ、いけないのだ、と
どこかで感じていた。
それが辛かった。

どんなに小さなことでも、
気になったり、
ストレスを感じたり、
傷ついたり、

そんなことに寄り添える人でありたい。

そう思うのは、
いつかの自分がそれを求めていたから。

傷ついた自分を抱きしめる

こういったフレーズに抵抗がある人は多いと思うけど、
歳を重ねていく中で人生においてやっていることは
誰かや何かを大切にしているようで
こういうことじゃないかなと思う。

本当に小さいことだけど、質量のあることだ。

見逃しがちな一滴に気づくかどうかで
もたらされる波紋の先に
届くものが変わってくるのだと思う。

そこにはきっと、求めてるものがある。