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ひとびとが持つ、ステキな「プロセス」

友人のむっちゃんが、以前話してくれたことがとても印象的だった。
本人は覚えていないくらい、何気ないことだったかもしれない。

出会ったのは10年くらい前で、当時七里ヶ浜の同じ施設で働いていたことで少しずつ仲良くなった。

まだその頃むっちゃんは独身だったが、数年後の結婚式に参加させてもらったり、貴重な20代30代を共に過ごした、大切な友人のひとりである。

そんな彼女と数か月前、久しぶりにランチをした時のこと。

子育てと仕事を両立しているむっちゃんはその日も大忙しで、私との待ち合わせ前にも分刻みで色々とこなしていた。

さらに近況を聞いてみると新しいことにも挑戦しようとしていて、凄すぎる!と思った私は「忙しすぎて嫌になっちゃったりしないの?」と口にした。

するとむっちゃん。「そりゃーそんな気持ちになることもある!」と。

「早起きしてお弁当を用意したり片付けや支度をしたり、朝からクタクタだよ」

「それでも、その気分を引きずって一日過ごすことの方が嫌だから、前向きになれるよう気持ちをリセットしてる」

切り替えがド下手な私は、むっちゃんのその心持ちがめちゃくちゃカッコイイなぁと、感激しながら帰路についた。


いつからかこんな風に考えるようになった。

たとえ誰かに褒められなかったとしても、誰にもそれを見られていなかったとしても、自分の大切なものを守れる強さ以上に、素晴らしいものは無いんじゃないか、と。

その力は言い換えれば、そのひとが培ってきた「厳しい現実との折り合いの付け方」でもあり、長い人生の過程を彩る素晴らしいスキルなのではないのだろうかと、とても尊く感じるのだ。

家族の健やかな暮らしを保つために大切にしていることや、
周囲の人に嫌な思いをさせないようにとても気を遣っていること、
人がやりたがらないことを自分からやることや、
傷付きながらも自分を元気にする方法を必死で探すこと。

ひとびとの、そんな『プロセス』を取材してみたいと前々から考えていた。

『誰にも見られていない時の自分が本当の自分だ』
という何処かで見つけた格言が好きで、むっちゃんの言葉とセットでよく思い出す。


プロジェクト第三弾として、次の記事にさらに詳細を書くので、よかったら読んでみてください。

掲載を快くOKしてくれたむっちゃん、本当にありがとう。あの時の何気ない会話に、私は今も勇気付けられているよ。

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わたべ れいこ / パーソナル キュレーター
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