土や土の素になる岩石の種類~しぜんのかがく7月ep.03 防災豆知識~キキクルって知っていますか?
岩石のでき方
土の元となる岩石、土、粘土についてご紹介しましょう。土は岩石が風化して細かくなってできると言うお話を前回しました。
まず、岩石はどうやってできるのでしょうか?
実は最初は岩石は地球内部のマグマです。
岩石の出来方としては、地球の火山や地面のプレートの動き(地震が起こります。)によって作られる岩石(火成岩や深成岩)、礫、砂や火山灰など細かくなったものが集まって岩になったもの(堆積岩)があります(※変成岩という岩石もあって、火成岩や堆積岩が熱や圧力を受けて組織が変化した岩石もあります。)
岩石の性質
岩石を4つお持ちしました。
1.花崗岩です。水が地球内部のマントルを溶かし、ゆっくり冷えて固まってできた火成岩の1種です(ゆっくりといっても数十万年の単位😉)。御影石とも言われますね。見たことありませんか?建物(有名なのは国会議事堂)も花崗岩でできていますね。石英、カリ長石、黒雲母などいくつかの岩石が固まってできています。そして、水がないとできないので、地球にしかない岩石です。
2.蛇紋岩です。地球の地下の高温高圧の環境でできた変成岩の1種です。蛇紋岩という名前は、蛇の皮膚のような模様があることから名付けられました。地下深部のかんらん石などが水と反応してできた。水を含むため風化しやすく、脆くて崩れやすい岩です。
2.凝灰岩です。堆積岩の一種です。火山で降り積もった火山灰や軽石が押し固められてできました。表面はガサガサした感じですね。
3.泥岩です。こちらも堆積岩の一種です。泥が固まってできました。泥の粒は電子顕微鏡でしか見えないほど、非常に細かいです。
堆積岩は、火山灰や砂が固まってできるので、当時(数千年前)に生きていた生き物(珪藻というプランクトン)が入っていることもあるんですよ。
土の種類
今度は土を見てもらいましょう。
1. 鹿沼土は、群馬県の赤城山が4万年前に噴火した時にできた土です。軽石が風化して細かくなったもので、栃木県の鹿沼地域のものが多く名前の由来となりました。
2. 赤玉土は、栃木県の男体山が噴火して積もった火山灰でできています。コロっとした赤い粒ですね。細かい小さな穴が開いていて、水をよく含みます。
3. 黒ボク土は、関東地方に多い土で、火山灰と落ち葉などが分解して腐ったものが混じってできてます。黒い色はその色ですね。黒くてボクボクした感じから名付けられました。
4. あと、植物由来の土もあってピートと言います。水苔などが地中に溜まって腐ってできました。園芸用では水をよく含むので、乾燥しにくくなります。
5.富士砂は、富士山が噴火してできたものです。通気性も良く、鉄分が多く含まれているので、盆栽向きです。
いずれもホームセンターなどで園芸用として購入できます。由来を知ると興味深いですね。
粘土について
あと、土は私たちの身近にもあります。次に紹介するのは粘土です。今回は工業用に作られた粘土を持ってきました。いずれも白い粉ですね。
1.カオリンは瀬戸ものなど陶磁器の材料。触ってみてください。何かに似ていると思いませんか?ファンデーションです。
2.スメクタイトは水を吸って膨らむので、下痢止めなどの薬に使われています。水を入れると膨潤し、触るとヌルヌルした感じです。これが粘土に多く含まれると実は大雨が降った時に滑りやすくなり、地滑りなど災害を起こす原因になることもあります。土は私たちの生活に役立つこともありますが、災害を起こすこともあり、その2面性も知ってもらいたいと思います。
<<防災豆知識2>>キキクルって知っていますか?
「キキクル」って知っていますか?キキクル(危険度分布)は、雨による災害の危険度を5段階で色分け(黒、紫、赤、黄、白)して地図上にリアルタイム表示するものです。2021年に愛称が決まりました。実は12歳の女の子が考えたんです。覚えやすいですね。以下の図のように3種類あります。
また、キキクルの色は警戒レベルにも対応しています。遅くとも紫のレベル4で避難してください。できれば赤のレベル3で避難。黒のレベル5は既には災害が発生している場合があります。これらの情報は気象庁ホームページなど(今はテレビやネットニュースでも紹介されていますね)で自分で調べることができます。
⭐️Podcast本編はこちら↓宜しければお聴きください♪
神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく
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