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イギリス王ヘンリー八世の妻たち
歴史に名を残すイギリス王、ヘンリー8世。彼の結婚歴を見ていると、「自己中心的でちょっとサイコ、そんな彼に“愛”なんて本当にあった?」と疑いたくなるドラマの連続です。次々と入れ替わる6人の妻たちは、恋愛の炎に燃え、また時には政治の駒とされていました。肖像画を信じて見合い結婚をしたけれど、会ってみたら「思ってたのと違う」と即破談になったアン・オブ・クレーヴズのエピソードなんて、現代のネット婚活に通じるものすら感じさせます。
宗教をも変え、離婚と再婚を繰り返したヘンリー8世の妻選びとその運命は、王国の存続や宗教改革にも大きな影響を与えました。ヘンリーの人生に登場した6人の王妃たち、それぞれの波乱万丈な物語を少し覗いてみましょう。
1. キャサリン・オブ・アラゴン(Catherine of Aragon)
スペイン王女キャサリンは、最初の王妃であり、ヘンリー8世の兄アーサー王子の未亡人でもありました。2人の結婚は当初、イングランドとスペインの同盟を強化するためでしたが、キャサリンが男子を生めず、唯一生き残った子がメアリー(後のメアリー1世)だったため、ヘンリーは後継者問題を理由にキャサリンとの離婚を望むようになります。ローマ教皇が離婚を認めなかったため、ヘンリーは独自にイングランド国教会を設立し、キャサリンとの結婚を無効としました。
2. アン・ブーリン(Anne Boleyn)
アンはヘンリーが離婚を求めるほど魅了された女性でした。宗教改革が彼女との結婚のために進められ、1533年に正式な王妃となります。アンも男子を産むことができず、唯一の生き残った子がエリザベス(後のエリザベス1世)でした。失望したヘンリーは、アンを不貞と反逆罪で告発し、1536年に彼女を処刑しました。この処刑は非常に議論を呼び、政治的な要因も大きかったとされています。
3. ジェーン・シーモア(Jane Seymour)
ジェーン・シーモアはイングランド国内の貴族の家系に生まれ、ウィルトシャーの領主であったサー・ジョン・シーモアとその妻マーガレット・ウェントワースの娘です。彼女は外国からではなくイングランド国内からの出身であり、国内貴族の一員でした。シーモア家は王家に直接つながる血筋ではありませんでしたが、彼女は王妃となる以前から宮廷でヘンリー8世とキャサリン・オブ・アラゴンやアン・ブーリンに仕えており、その中で王に見初められました。
ジェーンは謙虚で控えめな性格だったとされ、活発で気丈だったアン・ブーリンとは対照的な人物像でした。この慎ましさがヘンリーの心を捉え、また彼女が男子を生むことを期待されて王妃の座につきました。そして期待どおりにエドワード6世を出産しますが、出産後に産褥熱で亡くなりました。
ジェーン・シーモアはヘンリー8世の唯一の男子エドワードを産んだことで、王にとって「真の愛」として特別な存在となり、死後も深く敬われました。
4. アン・オブ・クレーヴズ(Anne of Cleves)
アン・オブ・クレーヴズは、ドイツの貴族であり、政略結婚のために選ばれました。しかし、肖像画での美しい描写と異なり、実際に会ったヘンリーは彼女を「醜い」と感じたと言われています。結婚はすぐに破談となり、彼女とは友好的な関係を保ちながら結婚を解消しました。アンは「国の妹」として厚遇され、生涯を無事に過ごしました。
5. キャサリン・ハワード(Catherine Howard)
アン・ブーリンの従妹で、若くて美しいキャサリン・ハワードは、ヘンリーの寵愛を受けて次の王妃となりました。しかし、彼女は不貞を働いたとして告発され、1542年に処刑されました。ヘンリーの結婚において、キャサリンの処刑は彼の心に深い傷を残したとされています。
6. キャサリン・パー(Catherine Parr)
キャサリン・パーはヘンリーの6番目で最後の妻であり、彼の晩年を共に過ごしました。彼女は、宗教改革に賛同し、知識も深かったため、ヘンリーから敬意を払われました。また、メアリー、エリザベス、エドワードといった王子王女たちとの関係を改善し、彼らの家庭環境を安定させました。ヘンリーが1547年に亡くなるまで生き延び、彼の死後も再婚しています。
ヘンリー8世の妻たちは、それぞれ異なる運命をたどり、彼の治世を通じて宗教と政治が大きく変わる背景に影響を与えました。彼の複雑な結婚歴と宗教改革は、イギリスの歴史において現在も語り継がれています。
ところで、以前「股間を強調したヘンリー八世の鎧について書きました。
ここです。