ハーブ研究家ベニシアさんの遺した言葉:「働き過ぎないで」
この記事は、2021年の9月の私の日記をもとに書いたものです。 ベニシアさんは2023年6月21日に他界されました。
ベニシアさんの「猫のしっぽカエルの手」というNHKの番組が好きで以前はよく観ていたのですが、最近ずっと観てなかったのでググってみるとインタビュー動画が出て来ました。ベニシアさんが介護施設に入居する前の最後のインタビューだそうです。
ショックで心がざわざわしてます。どう受けとめたら良いのか…。優しい家族や友人に囲まれて、のんびりゆったりとガーデニングを楽しんだりハーブの研究をしたりしていると思っていたのですが。
動画の中でベニシアさんは時々彼女独特の、はにかんだような美しい笑顔を見せてくれましたが、インタビューの間中悲しげで辛そうな表情をしていました。視力がかなり弱っており、記憶障害もあるそうなので、インタビュアーの言葉を聞く事に集中し、しっかり理解して答えようと頑張っていたのかもしれません。
「猫のしっぽ…」では、ベニシアさんの生活の中で、絵のように美しい部分のみを切り取って繋ぎ合わせていたので、私と同じようにショックを受けた方々も多いのではないのでしょうか。
番組ではベニシアさんの庭づくりやハーブを使った料理、友人達との交流などに焦点を当てていたので、どこの家庭にもある「背後に潜むもの」は隠れたままでした。 それを表面に出す必要もありませんが。
実は辛い事がたくさんあったみたいですね。ご本人は、いつも忙しくしていた事が病気になった原因の一つだと思っているようです。
手間暇をかけた丁寧な生活。憧れますが、彼女のように徹底してやり通すとなると相当なエネルギーが必要だったのだと思います。
それだけならまだいいのですが、番組のための打ち合わせ、撮影、インタビュー、執筆、講演会などで、何もせずにぼーっとする時間なんて無いに等しかったのでは無いでしょうか? そんな中で、家族に起こった問題や悩み。ストレスが大きかったかもしれません。
番組での彼女のイメージが定着してしまい、彼女自身もおちゃらけた事を言ったり、友人とバカ話をしたり、パジャマ姿で夜食にインスタントラーメンをすすったり出来なかったのかもしれない。(家族の方々のみが知る事ですね)
これもまた想像ですが、ベニシアさんは何度もNHKの番組を終わりにしてほしいと思いながらも、家族や生活を支えるために続けて行かなければ..という葛藤の日々を送っていたのではないでしょうか。
色々思うところがありますが、ここには書かない事にします。
これを読んでくれている人たちも、多分同じような事を考えているのではないでしょうか。
彼女の希望、「目が見えるようになりたい」が叶うようにお祈りします。
ベニシアさんがみんなに伝えたいメッセージは
「Don’t work too much ….働き過ぎないで」だそうです。
添付はベニシアさん最後のインタビュー動画です。