テキサス州の移民労働者:地域経済を支える不可欠な存在
テキサス州では、実際に目にすることができる移民労働者が多く活躍している分野として、屋根の葺き替え、外装工事、道路工事、塗装、造園、レストランの厨房、清掃業務等が挙げられます。これらの職種は、合法・不法を問わず、移民労働者やアメリカで生まれた移民の子どもたち(第二世代)によって支えられています。街中や建設現場で彼らの姿を目にすることが多く、その存在が地域経済にとって欠かせないことが実感できます。
また、油田掘削業も移民労働者にとって重要な職場となっています。以前知人が会社を解雇された際、短期間でお金を貯めるために油田掘削の仕事をするつもりだと言っていたことを思い出しました。油田掘削業は、比較的高い給与が魅力的である一方、非常に過酷な労働環境が伴うので、多くの移民がこの分野で重要な役割を果たし、需要を支えています。後日、この油田掘削の実情についてブログでさらに詳しく取り上げたいと考えています。
さて、移民労働者がアメリカ人の職業選択を狭めているという意見もありますが、実際のところ、過酷な労働を好むアメリカ人は少ないのが現実です。ですので彼ら移民の存在はアメリカの現在、そして将来においても不可欠なものとなっています。
しかしながら、移民の低賃金労働には多くの問題があります。例えば、労働条件が過酷であることや、雇用主による搾取、移民労働者が十分な法的保護を受けられない場合があることです。また、低賃金で働く移民労働者が経済的に困窮しがちです。
移民労働者の労働力が不足すると、私の肌感として最初に大きく影響を受けるのは農産物の収穫や建物の清掃業務の遅延です。労働力が不足すると収穫作業の遅れや清掃の人手不足が生じます。特に、飲食店の厨房やホテルの客室清掃業界が最初に影響を受ける気がします。
さらに、建設業界にも影響が出ます。リノベーションや床の張り替え、ペンキ塗りなど、普段は比較的容易に進められる作業も、労働力不足が続くと簡単には実施できなくなり、工期が延びたり、費用が増す可能性があります。
移民政策は「合法性」や「不法移民の取り締まり」だけでなく、経済や社会への影響を総合的に考えるべきだと思います。特に、移民労働者の権利を守ることが重要でで、現在低賃金で働いている移民の労働条件や安全を保障することは、アメリカ経済の成長に不可欠であり、健全な労働環境を提供することが社会全体の繁栄に繋がると思います。
テキサス州における移民労働者の貢献に関するデータは以下の通りです:
テキサス州の移民人口:2022年時点で500万人以上、州人口の17.2%。
建設業:移民労働者が全従業員の40%を占め、建設業界の起業家の約39.7%が移民。
医療業界:移民は全体の20%を占め、特に多言語スキルを活かしている。
エネルギー産業:移民労働者が20%を占め、鉱業や石油エンジニアの32.5%、採掘作業員の25.9%が移民。
このデータは下記サイトの記事に基づいています。
https://www.americanimmigrationcouncil.org/news/new-reports-show-immigrants-contributions-texas-healthcare-construction-and-energy-industries