見出し画像

「ともにいきる」強さとは?



R4年3月に開催されたウェルフェアズパークは「里・つむぎが目指す福祉とは」のタイトルで講義をしていただきました。登壇者はNPO法人里・つむぎ八幡平、一般社団法人すばるの二法人の代表をされている高橋和人さんです。


「バレーボールのリベロのように・・・」

以前の職歴は福祉とは全く違う畑だったという高橋代表。「人の心を学ぼうと思った」と、福祉の世界へ飛び込んだそうです。
飛び込んだ福祉の世界は、利用者を支援者のフレームの中で捉え当てはめようとする「縦割りの制度ビジネス」だったと振り返っていました。それは年齢制限であったり、前例がないからであったり・・・

制度の枠からこぼれ落ちる人を少しでも支えることができれば。そう、まるでバレーボールのリベロのように。この考えが「里・つむぎ」の経営の根底にあるもの、大切にしていたいものと教えていただきました。



「半農・半介護」と「農福連携」

そのような福祉の世界から「高齢者の食を支えたい」と、親から譲り受けた敷地を使い、「いのちが喜ぶ」野菜づくりを高橋代表は始めました。できることをできる人が持ち寄り作業するスタイル。例え認知症であっても、農作業は昔とった杵柄。手が覚えています。障がいがあってもコツコツと淡々と作業ができる人がいます。「いのちが喜ぶ」野菜は、そうして作られています。それらは「地域食堂・つどいの場なつかしの家」に運ばれ、一人暮らしの高齢者が孤食とならないよう繋がれていきます。そこで得られる笑顔は、働き手の「いのちを耕し」さらなる「いのちが喜ぶ」野菜づくりの原動力となるのでしょう。


利用者に「ありがとう」を伝えたい

(福祉)援助職者の落とし穴として「私が居なければ」「私を頼ってくれているから」「私でなければ支えられない」それらを原動力としていることはないでしょうか?我々は常に自己点検する必要があると思います。利用者から「ありがとう」と言われたくてこの仕事を続けているのでしょうか?「ありがとう」といってもらえないのなら、この仕事をやめてしまうのでしょうか?片隅の、誰も注目しないような物事に向き合い取り組めることこそ、尊いのではないか、と高橋代表は語りかけていました。援助職者が利用者に「ありがとう」といえる仕組み作りを考えていきたいです。
「里・つむぎ」「すばる」のような、双方向からの「ありがとう」が耐えない場が一つでも増えますように。


ジャッジはだれもできない。

利用者が呼吸しやすいような環境を作ることは援助職者に必須です。しかし、全員が同じような環境で「呼吸がしやすいか」はわからない。だからこそ、制度というフレームを外していく。ジャッジする当事者を真ん中に、みんなで悩み考える。

「ともにいきる強さ」とは、双方が「素の人間」として向き合うことからつむがれていく結(ゆい)にあるのだろうと思います。



ウェルフェアズパーク(Welfare’s Park)

日本の福祉業界を担う志ある福祉ワーカーたちが集うコミュニティです。福祉ワーカーのための学びの場、交流の場を提供し、独立やキャリアアップ、共同事業などに挑戦していける場所です。


詳しくは、こちらから
https://welfare-s-park.mystrikingly.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?