♯詩 飛ばない鳥
最初から答えが分かっていたらいいのに
そんな問題なんてないように
そんな人生なんてない
人の生き方だけ正解があるともいえる
そもそも正解なんてないともいえる
高いところから見える景色は
いつも正直
車が走る道路は
葉脈のよう
車より小さい人は見えない
その人の表情なんてもっと見えない
だからその人が誰かなんて分からない
建物がたくさん並んでいて
山が緑で
空は青い
お日様はとても眩しく照らしてくれていて
見えなくなる先の方にも
続いている世界がある
私はどこまでも行ける
そう思いたいんじゃない
本当にどこまでも行けるはずなのに
羽があるのに
飛ばない鳥は
飛べないのではなく
飛ぶのをやめてしまったことを
すっかり忘れて
今日も地上から空を眺めている