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はじめて心療内科に行った話

先日はじめて心療内科に行った。


◆病院に行こうと思った理由

もともと気弱で内向的な性格で、社会人になってから仕事で気分が落ち込むことが多くあった。

正直、今よりも入社1、2年目の頃のほうがもっと危険な状態だったと思う。いつも、自分は生きている価値がないとか、どうやって死のうか、なぜ安楽死を選べないのか、そんなことばかりずっと考えていた。休みの日も無気力で、一日中寝るしかできなかった。そんな状態なのに、月曜日の朝は普通の顔をして会社に行けていることが自分でも不思議で仕方なかった。

それから心理学系の色んな本を読んだりして、ここ最近は以前と比べたらかなり自分のメンタルを保てていたほうだった。

でも、久々に来てしまった。気分がズーンとなって、休みの日はベッドから起き上がれなくなった。「これはダメなやつだ」、そう思った。

いまは今年度の仕事の立ち上げの時期で、私が担当している仕事は比較的自由度が高いがゆえに、各所とうまく調整してみんなが納得する最終形にもっていく、そんな抽象度の高い仕事。けっこうコミュ力が必要。

だけどうまく最終形が想像できなくて、ずるずる思い悩んでいたところに、社内会議で上司からカツを入れられるようなことを言われた。「もう〇〇をするフェーズに入ってると思いますよ」と。うまく仕事を進められていない自分が悪いということがわかっているだけに、自分が嫌になってしまう。

そんな日に会社の飲み会の予定が重なって、うまく会話に入れなくて、ますます自己嫌悪が悪化した。誰かの悪口を聞くと、自分が悪口を言われているような気持ちになった。

以前と変わったのは、病院に行ってみようと思えたこと。以前は病院に行っても「そんなことで病院に来るなと言われるんじゃないか」と思って行けなかった。

だけど今回は、「そんなことで来るなと言われても、自分は病院に行く必要がないと知れるだけである意味それはそれで有意義だ」と思えた。そう考えて、家の近くの心療内科を予約した。最近できたばかりの病院で、ネットで5日後の予約がすぐ取れたのが有り難かった。

ちなみに、心療内科に行ったということは、恋人にも親にも会社の人にも誰にも言っていない。しばらく誰にも言うつもりはない。会社に行けないほどの症状が出ているわけでもないし、言っても心配をかけるだけだから。

◆病院に行くまでに

初診では問診票を書くため30分程度早めに来てください、とホームページに書いてあった。私はその場で自分の症状を詳しく書ける自信がなかったので、病院に行く日までにスマホのメモに少しずつ自分の症状を書いていった。

失敗するという不安が強くて仕事に手がつけられない(上手くいく自信がもてない)
資料を完成させるのがこわい(人に相談したら、それは人から指摘されるのが嫌だからだと言われた)
言葉に詰まって言いたいことがうまく話せない
人前での発表が緊張する
仕事でお客さんからの質問がこわい(分からないことを聞かれるのではないかと不安になる)
職場にいると動悸がする
やらなければいけないと思うと動けなくなる(飲み会でお酒を注がないといけないと思うと動けない)
大人数(4人以上)の会話に入れない、話せなくなる
カフェインをとると焦燥感がある
悪口を聞くと自分が言われているような気分になる
人と話すときに怒られると思ってしまう
日曜日の夜だけ眠れない
ひどい時は、自分はダメだという気持ちが消えず、職場で涙が止まらなくなる
お腹はすくが食べる気にならない
休みの日は寝たきりになる

スマホに書いたメモ

◆病院での診察

病院に入るのは少し緊張した。待合室にいた他の患者さんは見た感じ心療内科に通っているとは思えない普通の人たちだった。今の時代はマスクをしているのが有り難く感じた。

診察室に呼ばれたら、先生は50代くらいの男の人だった。問診票をもとに、会社での状況や、小さい頃はどんな子供だったかなど、いろいろ質問された。

先生からは、「こういうストレスの原因がはっきりしている場合はそれを取り除くのが一番良いのですが、つまりあなたの場合、仕事を変えるか、もしくは部署移動ができるならそれを会社に伝えることもできますが、そういったことも考えていますか」と聞かれた。

確かに、仕事を変えることもよく考える。だけど、できることなら今の環境でうまくやれるのが希望だ。それを先生に伝えた。

先生と話した結果、不安障害と鬱の間くらいの症状だと言われた。ずっと気分が晴れないのは立派な病気だとわかってはいたものの、いざはっきり言われると「そうか、自分は病気の人間なのか」というなんとも言えない気持ちになった。鬱ではないとは思っていたが、これが進行すると鬱になると言われたら少し恐くなった。

薬はSSRI(選択式セロトニン再取り込み阻害薬)である「レクサプロ錠」を2週間分処方してもらった。セロトニンの働きを強める作用で、不安が軽くなるらしい。

副作用は吐き気や頭痛、口の渇きなどがあると説明された。あとは、「気分がハイになる薬なのですが、今までハイになって買い物で爆買いしてしまったような経験はありますか」と言われたが、私はそんな経験はないというと、なら問題ないとのことだった。

また、薬の効果や今後病状が変わったときに参考にするためということで、血液採取もした。

◆かかった費用

ちなみに、費用はと言うと、心療内科が約5000円薬局(レクサプロ2週間分)が約1500円だった。

心療内科は思ったより高かったけど、明細をみると血液検査のお金が多くかかっているようだった。入社したての頃だったらこの金額はちょっと負担に感じていたかもしれない。

◆薬(レクサプロ)の効果

薬を飲んで1日目は、ずっと軽い吐き気のような気持ち悪さがあった。ただ、それは1日目だけで、2日目からは特に何も支障はなかった。

飲み始めて1週間ほどは全く効果が感じられなかった。それまでと同じくらい仕事への不安は消えなかった。

1週間経ったあたりから、少し気持ちが軽くなったような気がしてきた。だけど薬の効果なのかどうかはよくわからない。仕事が少し片付いたりしたことによる気持ちの変化なのかもしれない。少なくとも劇的に気分が変わるとか、性格が変わるとか、そんなことはない。

◆これから

どんな風に良くなるのかは分からないけど、先生に相談しながらとりあえず通院してみようと思う。ある意味、自分に対する実験的に。

今まで病院に行くのはかなり重症なことだと思っていたけれど、実際一度行ってみたらかなりハードルが低く感じた。カウンセリングを希望することもできるし、思い悩むことがあれば、病気になるより前にプロに相談するほうがいいなと思った。

もう一つ思うことは、薬によって不安症状が軽くなったとしても、私自身の性格は変わらないんだなということ。具体的には、仕事で先の見えない大きなプロジェクトとか、何十ページも報告書を書かないといけないとか、そういう場面で私はいつも不安で逃げ出したくなる。この不安は薬で和らげることができても、実際やるかどうかを決めるのは私自身であって、薬によって性格が変わるわけではない。こういうときにはむしろ認知行動療法が効果的だと、経験から分かっている。認知行動療法についてはまたいつか記事にできればと思う。


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