FLOW GLOW by FG ROADSTER - Rhyme Scheme & Rhymes Highlighted
”ホロライブ”から新しいグループ,”FLOW GLOW”がデビューしたそうです.
デビュー曲に餓鬼レンジャーのポチョムキン氏が参加しているそうで,面白そうだったのでライムスキームを見てみました
FLOW GLOW | hololive(ホロライブ)公式サイト
歌詞は下記から引用させていただきました.
ライミングをご存じでない方は下記のページや動画をご覧になってください。日本語でライミングを解説されている記事もありますが,ラップに関しては英語における運用を参考にしたほうが解像度は上がると思います.また各パートの最後に[AABB]のような表記がされていますが,脚韻(各小節の最後の部分のライミング)のパターンを記してあります.
https://www.ascap.com/help/career-development/15-rhyme-schemes-jordan-reynolds
基本的にはモノライム("AAAA"のような単一のライミング)で構成されています.モノライムを多用するラッパーとしてはRHYMESTERの宇多丸氏が筆頭に上がるかと思われます.わかりやすい曲で言えば”ラストヴァース”あたりでしょうか.
verse4, 8では”ABCD”とライミングをしていないように見えますが,頭韻によってモノライムを維持しています.(この手法に関しては上記のライミングの解説の記事では良しとしていますが,昨今の日本語ラップにおけるライミングの議論では賛否が別れています.)
また,ラインの始まりを1拍目ではなく0.5拍ずらしてリズムを作るテクニックが散見されます.この手法は日本語ラップではよく使われる方法で,KREVA氏の最新曲"Forever Student"のVerse1でも使われています.
verse1では8カウントを忍び込ませています.このような縦読みのような手法は”Technical/Hilchrhyme”でも使われています.
verse3のflowとライミングに関しては”韻波句徒(By CHEHON)”を彷彿とさせます.
餓鬼レンジャーの最新アルバム”Survival Attack”(2024.08.31リリース)のリード曲である”SAMURAI SOLDIER(feat. CHEHON)”でCHEHON氏と共作しているので何らかの影響を受けていると推察できます.
全体を通してみるとInternal Rhymeは若干少なめに感じます.ただし詰め込めるところはちゃんと詰めていて,脚韻は音節が長めのものが多い印象です.また,単語の途中で切ってライミングしたりする等,ポチョムキン氏らしさが健在だとおもいます.
少し蛇足ですが,個人的にポチョムキン氏の曲でおすすめなのは"80BARZ"です
単純に80小節のラップを歌い切るのすごい…
ではまたー